フレッド・リン

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フレッド・リン（Frederic Michael "Fred" Lynn , 1952年2月3日 - ）はアメリカ・メジャーリーグで活躍した野球選手。 外野手（主に中堅手）。左投左打。アメリカイリノイ州シカゴ出身。

目次 1 人物・来歴 2 受賞歴・記録 3 年度別打撃成績 4 エピソード 5 外部リンク

[編集] 人物・来歴

南カリフォルニア大学卒業後、1974年9月5日にメジャーデビュー。新人王資格を残して臨んだ1975年に打率.331、21本塁打、105打点の活躍でア・リーグのMVPと新人王を同時受賞する。 この年は、二塁打、得点、長打率がリーグ1位、打率がリーグ2位の活躍。守備も良くゴールドグラブ賞も受賞した。 同年デビューのジム・ライスとは「Gold Dust Twins」と呼ばれ、コンビで活躍した。 この年チームはワールドシリーズ進出を果たすが、熱戦となったシリーズはシンシナティ・レッズに3勝4敗で敗れ、57年ぶりのワールドチャンピオンはならなかった。

以後、故障がちなシーズンもあったが安定した成績を残し、オールスターは1975年から1983年まで9年連続出場。 ゴールドグラブ賞も4回獲得した。 1979年には打率.333で首位打者を獲得。さらに本塁打39、打点122と3部門いずれも最高の成績を残し、MVP投票でも4位となった。

少年時代を過ごした西海岸でのプレイを望み、1980年オフにトレードでカリフォルニア・エンゼルスに移籍。 以後、打率が3割を越えることはなかったが、1982年から6年連続して20本塁打を記録。 1982年にはチームが地区優勝。リーグチャンピオンシップシリーズではミルウォーキー・ブルワーズに敗れたが、シリーズのMVPに選ばれる。 1983年のオールスターでは史上初（現在でも唯一）の満塁本塁打を打ち、MVPに選ばれる。 1985年にはボルチモア・オリオールズに移籍。

1988年8月31日に、地区優勝争いを繰り広げていたデトロイト・タイガースが、ペナント争いのテコ入れにリンをトレードで獲得。 プレイオフの出場資格を得るためには、8月31日中にチームに合流（滞在先へ移動）しなくてはならずリンはすぐに飛行機に乗ってタイガースの遠征先に向かったが、飛行機が遅れて到着は0時を過ぎていた。 このため、プレイオフの出場資格を一度失うが、選手会が「選手が合流しようと努力しているのに、資格を奪うのはやりすぎ」と訴えてリーグは出場資格を与えるが、タイガースが地区優勝を果たせなかった。 1989年は11本塁打に終わり、翌1990年には初のナ・リーグのキャリアとなるサンディエゴ・パドレスに移籍。 この年を最後に現役を引退した。

[編集] 受賞歴・記録

• MVP1回（1975年）
• 新人王（1975年）
• 首位打者1回（1979年）
• ゴールドグラブ賞4回（1975年、1978年～1980年）
• リーグチャンピオンシップシリーズMVP1回（1982年）
• オールスター出場9回（1975年～1983年）
• オールスターMVP1回（1983年）
• サイクルヒット達成（1980年5月13日）

[編集] 年度別打撃成績

年 度	チ 丨 ム	試 合	打 数	得 点	安 打	二 塁 打	三 塁 打	本 塁 打	打 点	盗 塁	盗 塁 死	四 球	三 振	打 率	出 塁 率	長 打 率	塁 打	犠 打	犠 飛	敬 遠	死 球	併 殺 打	O P S
1974	BOS	15	43	5	18	2	2	2	10	0	0	6	6	.419	.490	.698	30	0	1	2	1	0	1.188
1975	BOS	145	528	103	175	47	7	21	105	10	5	62	90	.331	.401	.566	299	6	6	10	3	11	0.967
1976	BOS	132	507	76	159	32	8	10	65	14	9	48	67	.314	.367	.467	237	0	10	2	1	9	0.834
1977	BOS	129	497	81	129	29	5	18	76	2	3	51	63	.260	.327	.447	222	5	8	2	3	14	0.774
1978	BOS	150	541	75	161	33	3	22	82	3	6	75	50	.298	.380	.492	266	4	6	11	1	9	0.872
1979	BOS	147	531	116	177	42	1	39	122	2	2	82	79	.333	.423	.637	338	0	5	4	4	9	1.060
1980	BOS	110	415	67	125	32	3	12	61	12	0	58	39	.301	.383	.480	199	0	5	3	0	10	0.863
1981	CAL	76	256	28	56	8	1	5	31	1	2	38	42	.219	.322	.316	81	1	4	4	3	7	0.638
1982	CAL	138	472	89	141	38	1	21	86	7	8	58	72	.299	.374	.517	244	5	7	4	3	9	0.891
1983	CAL	117	437	56	119	20	3	22	74	2	2	55	83	.272	.352	.483	211	0	6	10	2	7	0.835
1984	CAL	142	517	84	140	28	4	23	79	2	2	77	97	.271	.366	.474	245	2	2	8	2	14	0.840
1985	BAL	124	448	59	118	12	1	23	68	7	3	53	100	.263	.339	.449	201	0	6	6	1	7	0.788
1986	BAL	112	397	67	114	13	1	23	67	2	2	53	59	.287	.371	.499	198	0	4	1	2	20	0.870
1987	BAL	111	396	49	100	24	0	23	60	3	7	39	72	.253	.320	.487	193	0	2	6	1	8	0.807
1988	※1	114	391	46	96	14	1	25	56	2	2	33	82	.246	.302	.478	187	1	6	1	1	9	0.780
1989	DET	117	353	44	85	11	1	11	46	1	1	47	71	.241	.328	.371	131	0	5	1	1	5	0.699
1990	SD	90	196	18	47	3	1	6	23	2	0	22	44	.240	.315	.357	70	1	3	2	1	1	0.672
通算	17年	1969	6925	1063	1960	388	43	306	1111	72	54	857	1116	.283	.360	.484	3352	25	86	77	30	149	0.844

• 太字はリーグ1位。
• ※1＝ボルティモア・オリオールズ→デトロイト・タイガース

[編集] エピソード

• 新人王とMVPの同時受賞はメジャー史上初で、のち2001年にイチローが2人目となった。
• 1984年から1987年にかけて4年連続で23本塁打。20本塁打以上を打って、4年連続で同じ本塁打数なのはケン・ボイヤー（カージナルス、1961年～1964年に4年連続24本）とリンの2人だけである。
• 故障がちなこともあり、特に1980年以後は年間150試合以上に出場したシーズンは一度もなく、最高でも142試合であった。
• 通算306本塁打を記録したが、中堅手でこれ以上の本塁打を記録したのはウィリー・メイズ、ケン・グリフィー・ジュニア、ミッキー・マントル、デューク・スナイダー、デール・マーフィー、ジョー・ディマジオ、ジム・エドモンズのみである。
• 新人時代の1975年6月18日には1試合で本塁打3本と三塁打、シングル各1本を打ち、10打点を記録。その試合でマークした16塁打はア・リーグ記録。
• オールスターでは通算4本塁打。これはスタン・ミュージアル（6本）に次ぐ単独2位である。

[編集] 外部リンク

• 選手の通算成績と情報 Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube

先代： マイク・ハーグローヴ	ア・リーグ新人王 1975年	次代： マーク・フィドリッチ
先代： ジェフ・バローズ	ア・リーグMVP 1975年	次代： サーマン・マンソン
先代： ロッド・カルー	ア・リーグ首位打者 1979年	次代： ジョージ・ブレット