バーミキュライト
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バーミキュライト(ヴァーミキュライト、expanded vermiculite)は、農業や園芸に使われる土壌改良用の土。また、建設資材としても使われている。
中国、南アフリカ、オーストラリア、ジンバブエ、米国などに産出する原鉱石の蛭石(ひるいし、vermiculite)を800℃ほどで焼結処理し、10倍以上に膨張させたもの。
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[編集] 用途
- 土壌改良土
- 多孔質で非常に軽く、保水性・通気性・保肥性がある。pHもほぼ中性である(アルカリ性のものもある)。ピートモスや赤玉土などと混ぜて使用する。ほぼ無菌なので、ガーデニングにおける挿し木用土、種蒔き用土として使われる。
- 建設資材
- 非常に軽い(かさ比重は約0.1)ので、壁面用石膏ボードなどの骨材として使われる。
- 使い捨てカイロ
- 暖をとるための使い捨てカイロの主材料として使われる。
[編集] 石綿(アスベスト)との関係
バーミキュライトの原料の蛭石には、その産地によっては鉱脈が近いこともあり、石綿(アスベスト)が含まれている可能性がある。そのため、全く含まれていない事が確認されている鉱脈産出(例:南ア・パラボラ鉱脈など)が主流となっており、バーミキュライト自体が使用禁止になる可能性は薄いと考えられる。
現在、日本で売られているバーミキュライトは、産地名などが明記されていない。現在は、先述のようにアスベストが含まれている可能性は殆どないが、一応使うときは、屋外でマスクをして作業をしたり、袋から出す前に水で湿らせるなどしたほうがいいようだ。
[編集] 苦土蛭石
苦土蛭石 vermiculite | |
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分類 | ケイ酸塩鉱物 |
組成 | Mg1-x(Mg,Fe,Fe3+,Al)3(Si,Al)4O10(OH)2・4H2O |
晶系 | 単斜晶系 |
ウィキプロジェクト 鉱物 | |
苦土蛭石(くどひるいし、vermiculite)は鉱物(ケイ酸塩鉱物)の一種。
化学組成は Mg1-x(Mg,Fe,Fe3+,Al)3(Si,Al)4O10(OH)2・4H2O。単斜晶系。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 堀秀道 『楽しい鉱物学 - 基礎知識から鑑定まで』 草思社、1990年、ISBN 4-7942-0379-9。
- 阿部徳明 「『雲母の結晶』って見たことある?」『実験観察自由研究ハンドブック』 「たのしい授業」編集委員会編、仮説社、60-66頁、1996年、ISBN 4-7735-0129-4。
- 松原聰・宮脇律郎 『国立科学博物館叢書5 日本産鉱物型録』 東海大学出版会、2006年、ISBN 978-4-486-03157-4。
[編集] 外部リンク
- Vermiculite (mindat.org)
- Vermiculite Mineral Data (webmineral.com)
- ヒル石? ミミズ石?
- 蛭石