骨材
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
骨材(こつざい、aggregate)とは、コンクリートやアスファルト混合物を作る際に用いられる材料である砂利や砂などのことを言う。
コンクリートの場合、主にセメントと骨材と水を混合して造られるが、骨材は体積比で7割程度を占める。
目次 |
[編集] 粗骨材と細骨材
骨材は、粒径によって粗骨材(そこつざい、coarse aggregate)と細骨材(さいこつざい、fine aggregate)に分類される。粒径の大きいものは粗骨材、小さいものは細骨材と呼ばれる。
- 粗骨材
- 5mm以上のものが重量で85%以上含まれる骨材
- 細骨材
- 10mmふるいをすべて通過し、5mm以下のものが重量で85%以上含まれる骨材
配合設計などでは、粗骨材はgrabel(砂利)からGまたはg、細骨材はsand(砂)からSまたはsと表記される。
[編集] 採取場所・製造方法による分類
[編集] 天然骨材
- 川(川砂、川砂利)
- 川床・ダム湖底などから採掘したもの。後述する海砂等と比べ、均質で洗浄等の手間も要らないなど骨材としての特性に優れる。かつて日本では最も使われていたが、乱掘等により採取が規制されている。現在では採取できる箇所がダム湖など限られており、採取量が少ないため高価である。川砂の輸入(主に中国から)も行われている。
- 山(山砂、山砂利)
- 砂が多い山を削って採掘したもの。微量の塩分や鉱物、粘土質等を含む場合もある。
- 陸(陸砂、陸砂利)
- 旧河川敷の砂礫層から採掘したもの。山砂、山砂利と区別しないこともある。
- 海(海砂)
- 海底から採掘したもの。川砂や山砂に比べて密度が小さい。貝殻を含んでいるものもあるが、その量が少なければ品質に影響はないことがわかっている。塩分を含むため、塩害対策のために採掘後洗浄される。
- 浜(浜砂)
- 海岸近くから採掘したもの。海岸沿いの砂浜から採取した時代もあったが、現在の日本では環境保護・海浜保全等から行われていない。
- 軽石や火山噴出物(天然軽量骨材)
- 軽量コンクリートの材料として用いられる。
[編集] 人工骨材
- 砕石、砕砂
- 高炉スラグ骨材
- 人工軽量骨材
- 膨張頁岩やフライアッシュなどを高温焼成して作る。軽量コンクリートの材料として用いられる。
[編集] 再生骨材
- コンクリート廃材から取り出した骨材
- 環境物品(リサイクル製品)として位置づけられることから、公共工事では使用が奨励されており、調達が容易な都市部では使用量が伸びつつある。コンクリートを破砕して再生砕石を製造したものは在庫も多く、他の循環資源が路盤材にリサイクルされている時代において在庫過剰となる。循環型社会実現の向けてコンクリートから製造した再生骨材を使用したコンクリート構造物を社会は求めている。
[編集] 良い骨材の条件
[編集] 骨材の含水状態
- 絶対乾燥状態(絶乾状態)
- 骨材の内部に水が含まれず、完全に乾燥している状態。
- 空気中乾燥状態(気乾状態)
- 骨材の表面と内部の一部が乾燥している状態。
- 表面乾燥飽水状態(表乾状態)
- 骨材の内部の間隙は水で満たされているが、表面に水が付着していない状態。配合設計では、骨材はこの状態を仮定している。
- 湿潤状態
- 骨材内部の間隙が水で満たされ、表面にも水が付着している状態。このとき表面に付着している水を「表面水」と呼ぶ。