バーゼル
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バーゼル (独 Basel / 仏 Bâle バール) は、スイスのバーゼル=シュタット準州の州都。スイス北西部、ライン川のほとりに位置し、ちょうどドイツとフランスとスイスの3国の国境が接する地点。大型船舶が通航できるライン川最上流の港を持つ最終遡行地点である。世界的な製薬会社ノヴァルティスやロシュの本社を擁し、製薬業の世界的な中心都市。位置は北緯47度34分0秒東経7度36分0秒、標高260m。 近隣の都市としては、約75キロ東にチューリヒ、50キロ北にドイツのフライブルク、30キロ北西にフランスのミュルーズ、65キロ南にベルンが位置している。
中央駅はスイス連邦鉄道(スイス国鉄)のバーゼルSBB駅。駅西側にはフランス国鉄専用のホーム(バーゼルSNCF駅)が設置されており、スイス国鉄のホームとの間にパスポートチェックのためのゲートが設置されている(ただしスイスのシェンゲン協定加盟が決定したため、それに先駆けて国境駅でのパスポートチェックが段階的に廃止されている。当駅についても2006年5月現在は行われていない)。ライン川の北側にはドイツ鉄道が運営するバーゼル・バディッシャー駅がある。
市内交通はバス・トロリーバス・市電と充実している。ドイツやフランスに入るバス線もある。
空の玄関バーゼル・ミュールーズ・フライブルグ国際空港(ユーロエアポート)の所在地は、完全にフランス領内となっている。空港にはフランス用とは別にスイス用の出入口が設けられており、道路や駐車場もフランスのものと接続のない独立系統でスイス領へ直接結ばれる構造である。
スイスはドイツに比べ公証人の認証費用が1/3から1/5と格段に安いため、ドイツ国内の契約で公証が必要なものを、わざわざ国境沿いにあるバーゼルまで行き手続きを行うということがさかんに行われている。スイスでの公証がドイツで認められるのは、慣習法上このバーゼルとチューリヒの2都市のみとなっている。