ノートルダム大聖堂 (ランス)
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ランス・ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Reims)は、パリから北北東約130キロに位置する街ランスにある大司教座聖堂。フランク人の王クロヴィスがランスの司教レミにキリスト教改宗の洗礼を受けたという伝統から、大聖堂では歴代フランス国王の戴冠式が行われた。
現在は隣接するトー宮殿、市内の聖レミ教会堂とともにユネスコ世界遺産に登録されている。
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[編集] 建物
ゴシック建築の傑作とも言われる現大聖堂は、13世紀始めに着工され、内陣は13世紀半ばに完成、13世紀末には大部分が完成した。ただし、ファサード部は建設が遅れ、塔は15世紀に完成を見た。
ランス・ノートルダム大聖堂は、フランス革命時に彫像が多く破壊されたが、第一次世界大戦中の1914年にドイツ軍の空爆を受け、壊滅的な被害を受けた。終戦後に再建が開始され、1938年に竣工した。
ランス大聖堂は、ファサード部の彫刻、彫像の美しさに定評があり、中でも「微笑みの天使」が有名。損傷がひどい像は隣接するトー宮殿にオリジナルが保存、展示されている。また、聖堂内部にはシャガールのステンドグラスや、シャンパン製造業者が寄贈した、シャンパン製造過程を描いたステンドグラスがある。
[編集] 歴史
ランスではクロヴィスが洗礼を受けたことから、歴代フランス国王の戴冠の秘蹟を授ける聖別式が行われるようになった。現大聖堂で聖別を受けた王には、15世紀ジャンヌ・ダルクに連れられて聖別を受けに来たシャルル7世や、ルイ13世、ルイ14世、ルイ16世などがある。最後の聖別式は、1825年のシャルル10世のものである。
[編集] 関連項目
- キプロス東部の都市ファマグスタにあるラーラ・ムスタファ・パシャ・モスクの外観は、ランスのノートルダム大聖堂に似ており、「キプロスのランス大聖堂」と言われた。
- 1959年にエコール・ド・パリの画家藤田嗣治は、この聖堂でキリスト教改宗の洗礼を受け、レオナール・フジタ(Léonard Foujita)と名乗った。[1]
- 2008年4月9日に放送されたテレビ番組「ザ・ベストハウス123」(フジテレビ)では、「世界の美しいステンドグラスベスト3」の1位として、このランスのノートルダム大聖堂のステンドグラスが選ばれている。
[編集] 脚注
- ^ 晩年の藤田嗣治を追い、ランスへ - [フランス]All About