ドラゴン桜
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『ドラゴン桜』(-ざくら)は、三田紀房の漫画作品である。2003年から2007年まで講談社の漫画雑誌「モーニング」に連載された。
目次 |
[編集] 概要
原作の漫画ではさまざまな受験テクニックや勉強法が紹介され、和田秀樹の著書「受験は要領」や福井一成の著書「一発逆転○秘裏技勉強法」と並び受験業界で話題を呼んでいる。一話ごとに、受験に臨む心がけなども紹介されている。
また、子育てに関するエピソードも盛り込まれており、作品がカバーする領域は広い。文中では、桜木が(あくまで彼の世界観に基づくものだが)現実の厳しさを生徒に叩き込んでいく。高校生や学生に、「何の為に勉強をするのか」という重大問題を解くきっかけを与えていくが…。
ちなみに『ドラゴン桜』とは、作品の舞台である龍山高校の『龍』と「サクラサク」など“合格”を意味する『桜』から来た造語であり、来年の4月に東大に合格しようという誓いの木(そして桜木にとっては龍山高校の体制への挑戦状と大物弁護士への一里塚)のようなものである。
2005年にドラマ化されたが、原作と大きく作りが違っている(生徒の数が原作に比べ多い、水野と矢島のラブシーンがある、矢島の家がとても貧乏であるなど)。また、里見蘭によりノベライズ化もされている。
第29回講談社漫画賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。
2007年10月より「週刊モーニング」にて、この作品の続編にあたる「エンゼルバンク-ドラゴン桜外伝-」を連載開始。転職をテーマにしている。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] あらすじ
元暴走族の駆出し弁護士・桜木建二(さくらぎ けんじ)が、経営破綻状態となった落ちこぼれ高校、私立龍山高等学校を、一見奇抜とも思える方法で立ち直らせるストーリー。
桜木は学校の経営状態を良くするためには進学実績、それも東大の合格者数を上げるのが手っ取り早いと考え、落ちこぼれ生徒を東京大学に合格させるために特進クラスを開設。そこに以前から受験指導に大きな実績を上げつつも、いろいろな事情で表舞台から消えていた個性溢れる教師を集める。一方で元々同校に在籍していた教師に対しては大規模なリストラを実施したため、当然のごとく教師からは反発する声が挙がる。果たして桜木の思惑通り、落ちこぼれは東大に合格し、同校は立ち直ることができるのか…?
[編集] 登場人物
[編集] 教師
- 桜木建二(さくらぎ けんじ)
- 元暴走族という異色の経歴を持つ貧乏弁護士。元はバスケ推薦で名門高校に行く事を約束されていたが、借金に追われた父親の自殺によって全てが狂ってしまった。虎ノ門に弁護士事務所を開設する一里塚として、龍山高校の再建に臨む。特別進学クラスの責任者である。その一方で、センター地歴の世界史をスクラム勉強法という手法で生徒共に学ぶ。リアリズムを徹底した生き方をモットーとし、自分の考えはハッキリ他人に伝え、性格は明け透けとしている。理屈っぽい。また、観察眼が鋭く、心理学に造詣が深い。よく言えば冷静、悪く言えば冷酷な人間。
- 井野真々子(いの ままこ)
- 龍山高校の英語教師。過去にお見合いパーティーで桜木と出会い行為に及んだが、その後連絡がつかなくなったことで桜木を恨んでいる(正確には桜木が電話を止められていただけだった)。物事に対して逃げの姿勢が多い自己保身者。面倒なことを押しつけられるのは勘弁という理由から、桜木及び川口の指導方針に対抗する。ドラマ版では川口との対決に負け、桜木に世界史の教師になれと命じられる(ドラマでも英語教師だが、ドラマに登場しない高原及び宮村の役割を担当しているため、彼女の性格はドラマと漫画では多少の差がある)。
- 「エンゼルバンク」では主役として登場。
- 柳鉄之介(やなぎ てつのすけ)
- 特別進学クラス最強の講師。担当は数学。かつて東大の進学実績で名高かった伝説の「柳塾」の塾長。“高校数学の鬼”と呼ばれ、受験生から恐れられていた。生徒に詰め込みの勉強をさせることが最良の教育であるという柳の考え方は、ゆとり教育全盛の現在では「時代に合わないやり方」と生徒や保護者達に拒絶されていった。柳塾かどうかは不明だが、以前阿院とは同じ教鞭を執っていた経験がある。ドラマ版では桜木とは師弟関係という設定になっている。
- 芥山龍三郎(あくたやま りゅうざぶろう)
- 特別進学クラス最強の講師。担当は国語。風貌や物腰が緩やかな印象に対して、国語に対する姿勢には凛とした厳しさを秘めている。国語は全教科の試験の点数に影響し、根本を為しているほど肝要であるという考えを持っている。生徒には常に「なぜ?」という疑問を持たせ、設問を作った筆者の意図を読ませる授業などを行う。名前は芥川龍之介から。
- 川口洋(かわぐち ひろし)
- 特別進学クラス最強の講師。担当は英語。「英語は楽しく勉強しよう」がモットーとしているだけあって、独特なユーモアを持っている。ビートルズの曲の歌詞をエアロビしながら復唱させるなど奇抜な授業が多い。モデルは京都府亀岡市にある進学塾・竹岡塾主宰の竹岡広信。
- 阿院修太郎(あいん しゅうたろう)
- 特別進学クラス最強の講師。担当は理科。「でヒ」が口癖。問題解答同時プリントの勉強法の発案者だが、柳に勝手に真似されてしまう。分かりづらい物理などの理科を図解などを通して分かりやすく教える。モデルはアルベルト・アインシュタイン。ドラマでは物理と地学を担当する。
- 彼の指導するメモリーツリー学習法は、作中最高のテクニックと評価される(※ この作品独自のものでなく、かなり以前から使われている手法である)。
- 高原浩之(たかはら ひろゆき)
- 龍山高校の数学教師。早稲田大学教育学部卒。「生徒たちに夢や希望を持たせ、教師はそのサポートをしてあげる」などを教育モットーとして掲げ、度々桜木と衝突する。しかし、生徒が未熟な存在という考えに立って、むしろ生徒の力を伸ばさない偽善的な教育だと桜木に非難される。当初は桜木のやり方に反発していたが、生徒たちの変化を見るにつれ、桜木の考えに段々心を動かされていく(ドラマでは未登場だが、井野が彼の役割を担当している)。
- 「エンゼルバンク」にも登場。特進クラスの主任を務めている模様。
- 宮村沙知子(みやむら さちこ)
- 龍山高校の国語教師。教師としての自分に自信を持てないでいたが、学校が変わるきっかけになればと思い桜木の指導方針に賛同する。国語の特別講師である芥山の指導方法に対し時には反発する事もあるが、授業を見学してゆくうちに、彼の考え方に少しずつ理解を示すようになる。
- 「エンゼルバンク」にも登場。転職を考える井野に「桜木ビジネス塾」の存在を教える。
[編集] 生徒
- 矢島勇介(やじま ゆうすけ)
- 龍山高校3年生。特別進学クラスの生徒。裕福な家庭の3兄弟の末っ子であり、幼少のころは両親から高い期待を受けて育ったが、中学受験に失敗したことをきっかけに、優秀な兄たちに対する劣等感や両親への反発からドロップアウトして不良になってしまった。最初は桜木に最も反発しており、邪魔をしてやるつもりで特進クラスに加わったが、次第に勉強の楽しさ、大切さに気付いて熱中するようになり、本来持っていた高いポテンシャルを発揮し始める。
- 負けず嫌いで意地を張るところがあり、桜木たちの指示に素直に従わないときもあるが、仲間である水野の不調に気遣うなどの優しさも見られる。また、両親に対しても勉強を通じて少しずつ心を開くようになり、精神面でも大きく成長を遂げた
- 水野直美(みずの なおみ)
- 龍山高校3年生。特別進学クラスの生徒。江古田で水商売をしている母親が居る。媚びを売って生活をする母のように落ちぶれたくはないというのが東大合格を目指した動機。一見、今時の少女だが、芯は強い。原作では東大理III合格確実といわれる彼氏(大沢)がいる。彼女の名前は同じ講談社刊行の漫画美少女戦士セーラームーンに登場する模試荒らしの異名を持つ天才少女「水野亜美」をもじったのではないかとファンの間で言われている
- 栗山祥太(くりやま しょうた)
- 龍山高校2年生の優等生。井野によって対特進クラス生徒との英語テスト対決に駆り出される。漫画では、体が弱いため歩いて登校できるこの高校を選んだ。ドラマでは普通なら高偏差値の公立高校へ進学できるほどの帰国子女だが、当日風邪をひいたため龍山に在籍という設定になっている。また、性格もドラマと漫画かなりので差がある(ドラマではプライドが高く、気取っている。漫画では口数が少なく、大人しい性格)。
- 西崎
- 龍山高校2年特進クラス女子。将来、女優やタレントになる為に東大ブランドを利用しようと考えている。井野とは犬猿の仲だが、案外それでバランスをとっているらしい。水野に対抗意識を燃やしている。ドラマ版では小林麻紀として同学年になっているうえ、性格も少し異なる。
[編集] その他
- 岡部弁護士(おかべ・べんごし)
- 龍山高校の債務処理を桜木に委託したエリート弁護士。
- 大沢 賢治(おおさわ けんじ)
- 都立日眉山高校3年生(モデルは都立日比谷高校であると思われる。小説版では都立の超進学校)。東大理科III類(小説版ではI類)合格確実の成績を誇る秀才。さらに、3年間しっかりハンドボール部の活動も行い、亡くなった母に代わって家事や小学生の弟の世話もこなす。また、背が高く、顔も良く、性格も良い。水野いわく「宇宙人」。どのような物事にも興味を持ち、深く追求していこうとする性格。その性格は彼が子供の頃『ウルトラマン』をとても好きになり、それを見た母親にウルトラマンの本を一冊、二冊と買ってもらい、何度も読み返した事から培われていった。水野は彼に恋心を抱いている様子である。しかし、多くの東大生と触れ合う機会のない方からは余りにも現実離れした設定と批判する向きもある。
- 百日紅万咲(さるすべり まんさく)
- 龍山高校最大の債権者。名前及び素性は小説版のみ。
- 再建の切り札である特進クラスの実力を見ようと、(桜木の予定外の)東大2次レベルの抜き打ちテストを強行。二人の真剣な姿勢と結果を見て、ひとまず納得して引き下がった。
- 本田美智子(ほんだ みちこ)
- 秋から矢島の家庭教師をつとめる現役の東大四年生。かつては短大を卒業して地元の銀行に就職していたが、入社二年目にしてその銀行が倒産する。その経験から無知であることの恐ろしさを悟り、東大に入学してやり直すことを決意した。特進クラスの先生たちも認めるほどの凄腕で、考え方には桜木と共通するところも多い。
- 松本エリカ(まつもと えりか)
- 京都在住で、本田が家庭教師をしているもう一人の教え子。小学校から高校までずっと優等生だったが、高すぎる両親の期待に耐えられず一度ドロップアウトして高校を自主退学してしまった。その後、立ち直って東大受験を目指す。秋の東大模試で上京して初登場し、水野や矢島とも友達になる。
[編集] ノベライズ版
- 桜木 花(さくらぎ はな)
- 桜木の妹。小説版のみ登場。
- 斧田 哲夫(おのだ てつお)
[編集] ドラゴン桜外伝―エンゼルバンク
前述の通り、2007年10月から週刊モーニングに連載されている作品。転職がテーマである。
[編集] 概要
転職がテーマの作品。井野が教師に飽き、転職したいと願う。そして、井野は桜木に紹介された海老沢という転職代理人と知り合い、その会社に勤める。さて、これから井野はどうなるのか・・・?
※詳細はエンゼルバンク-ドラゴン桜外伝-を参照
[編集] 追加登場人物
- 海老沢 康生(えびさわ やすお)
- 転職代理人。井野の上司でもある。会社からはのけ者にされており、いつも自分専用の書籍がいっぱいに積み上げられた仕事場で働く。性格が桜木とよく似ている。
- 南(みなみ)
- 桜木法律事務所でバイトをしている女性。
- 山口(やまぐち)
- 古びた鶏肉専門業者の社員。いつも口うるさい上司を嫌がり、転職しようとする。井野の顧客。
[編集] 外部リンク
講談社漫画賞一般部門 |
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