ドラゴンクエストI・II
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ドラゴンクエストI・II | |
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ジャンル | ロールプレイングゲーム |
ゲーム: ドラゴンクエストI・II | |
対応機種 | スーパーファミコン |
発売元 | エニックス |
メディア | 12Mbitロムカセット (バッテリーバックアップ搭載) |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 1993年12月18日 |
販売価格 | 9,600円(税抜) |
売上本数 | 約120万本 |
セーブファイル数 | 6(DQ、DQIIで各3ファイル) |
ゲーム: ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II | |
対応機種 | ゲームボーイ |
開発元 | トーセ |
発売元 | エニックス |
メディア | 12Mbitロムカセット (バッテリーバックアップ搭載) |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 1999年9月23日 2000年9月 |
販売価格 | 4,900円(税抜) |
売上本数 | 約76万本 |
レイティング | ESRB:Everyone(6歳以上) (日本版はレイティングなし) |
セーブファイル数 | |
関連作品 | |
■テンプレート使用方法 ■ノート |
『ドラゴンクエストI・II』(ドラゴンクエストワンツー、北米版タイトル:Dragon Warrior I & II)は、エニックス(現スクウェア・エニックス)より発売されたゲームソフト。ジャンルはRPG。
日本では、1993年にスーパーファミコン(以下SFC)用ソフトとして発売。また、1999年にはゲームボーイ(以下GB)用として『ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II』が発売された。
北米では2000年にゲームボーイ用ソフトとして発売された。
目次 |
[編集] 概要
ファミリーコンピュータ(ファミコン、以下FC)用として発売されたドラゴンクエストシリーズの作品のうち、第1作『ドラゴンクエスト』(以降『I』)と第2作『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』(以降『II』)を1本のソフトとしてリメイクしたものである。
SFC版『ドラゴンクエストI・II』は、同シリーズ初のリメイク作品となり、以降、旧ゲーム機の作品が順次、当時の主流のゲーム機でリメイクされていくこととなる。
世界観やストーリーはFC版、MSX版、MSX2版(以降これらをまとめて「旧作」とする)からほとんど変更が無いが、操作性は旧作と比べると向上している。また、詳細は以下に示すが、ゲームバランス面で細かい調整が加えられており、よりプレイしやすいゲームとなっている。
『ドラゴンクエスト』『ドラゴンクエストII』のどちらからでもプレイすることが可能で、冒険の書(セーブファイル)も各作品ごとに3つまで作ることができる。
[編集] スーパーファミコン版
キャラクター操作や画面仕様などは、本作の前年に発売された『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』(スーパーファミコン版)がベースとなっているが、マップ上のキャラクターのサイズはファミコン版とほぼ同じである。
グラフィック面では、マイラの村での木漏れ日やロンダルキアへの洞窟での靄などといった、『V』には無かった特殊効果が取り入れられ、この点でグラフィックの質は『V』よりも向上したと言える。
[編集] 基本事項
- バッテリーバックアップ機能や「べんりボタン」機能、買い物システムなど、スーパーファミコン版『V』のシステムを継承している。
- 武器・防具は『I』でも他のドラゴンクエスト作品と同様に、通常アイテムと同じ扱いとなり、「そうび」コマンドを使って装備する方式になった。
- 戦闘システムは『III』以後と同様に「すばやさ」が行動順位に影響するようになった。『I』の戦闘も、旧作のように常に「コマンド入力→主人公→敵」の順というわけではなく、すばやさによっては「コマンド入力→敵→主人公」の順番になる場合もある。
- 戦闘画面は、旧作では『I』の戦闘背景が2パターン(地上の画像または黒一色)のみ、『II』では背景が無く黒一色であったが、SFC版では『I』『II』どちらでも戦闘背景が表示されるようになり、背景の画像も多彩となった。また、武器攻撃や呪文を唱えた際のアニメーションが追加された。
- 仲間を生き返らせたときにHPが最大値まで回復するようになった(旧作では1にしかならなかった)。また、戦闘中でも死者の蘇生が可能になっている。
[編集] その他
※(共通)=『ドラゴンクエスト』と『ドラゴンクエストII』に共通する変更事項、(DQI)=『ドラゴンクエスト』における変更事項、(DQII)=『ドラゴンクエストII』における変更事項
- キャラクター
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- (共通)「みのまもり」のステータスが追加されている。
- (DQII)ムーンブルクの王女の呪文に「ザオリク」が追加され、その代わり「トラマナ」が削除された。
- モンスター
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- (共通)モンスターを倒したときに手に入る経験値やゴールド(貨幣)が旧作よりも若干増えている。
- (共通)モンスターのステータス、呪文耐性、戦闘中の行動パターンに修正が加えられている。
- (DQI)「沼地の洞窟」で中ボスとして登場する「ドラゴン」がパワーアップし、通常エンカウントでの同名モンスターとの差別化が図られた。
- (DQI) ダースドラゴンの唱える呪文がラリホーからマホトーンに変更されている。
- (DQI) 竜王の吐く炎が「火の息」「燃え盛る火炎」「激しい炎」と3段階に変更されている。
- (DQII)モンスターの出現匹数による獲得経験値の割増[1]が無くなり、純粋にモンスターを倒した分だけ加算されるようになった。
- (DQII)ローレシア地下牢の「じごくのつかい」が「あくましんかん」に変更されており、一度戦闘すると(こちらが全滅した場合も)二度と出現しない。全滅した場合や持ち物がいっぱいだった場合、そのあくましんかんの落とすアイテムは手に入らなくなる。
- アイテム
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- (共通)「いのちのきのみ」「ちからのたね」等のステータスアップアイテムが追加されている。
- (共通)キャラクターが一度に持てるアイテム数が1人あたり最大12個に増えた。
- (共通)『III』以降に倣い、「せいすい」を戦闘中に使用すると敵にダメージが与えられる。また、「たいまつ」「せかいちず」に関しても戦闘中に使用が可能。
- (共通)『III』以降と同じく、電源を切って再開しても宝箱の中身が復活しない。よって重要アイテムを店に売却する事ができなくなった(旧作ではかなりの安価で引き取られる)。これに関連し宝箱の中身が変更され、全体的に強力であったり高価なアイテムが増えた。
- (DQI)「ほのおのつるぎ」を戦闘中に使うと特殊効果が発動されるようになった。
- (DQII)「せかいちず」の追加。これによってパーティの現在位置をゲーム画面上で知ることができるようになった。
- (DQII)武器の攻撃力、防具の守備力が若干上昇。サマルトリアの王子が「ロトのつるぎ」「ひかりのつるぎ」「はかいのつるぎ」を装備できるようになった。
- モンスター
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- (DQII)「ハーゴンの神殿」の中ボス3体は、一度倒すと二度と出現しなくなった。また、同神殿の全てのボス(ラストボス含む)のダメージ演出が変更された(旧作では白くフラッシュするものだったが、通常モンスターと同様の点滅になった)。
- (DQII)ラストボスが完全回復の「ベホマ」の呪文を使用しなくなっている。その代わりにHPは大幅に増えた。
- 世界
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- (DQI)旧作には存在しなかったリムルダールの道具屋が追加されている。
- (DQI)「岩山の洞窟」「竜王の城」のダンジョンの構造が変更されている。
- (DQII)ルプガナで冒険の書に記録する事が可能になった。
- (DQII)旧作には存在しなかったサマルトリアの武器防具屋が追加されている。
- (DQII)「ロンダルキアへの洞窟」の落とし穴は、一度落ちた場所はそれ以降穴が常に開いた状態になり、2度目以降はその穴を目視で回避することが可能となった。
- シナリオ
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- (DQII)ゲーム開始時のオープニングシーンが追加されている(ムーンブルク城がハーゴン軍団に襲撃されるシーン)。
- (DQII)中盤、サマルトリアの王子がハーゴンの呪いにより病気になり、一時パーティから離脱するというイベントが追加された。
- その他
[編集] ゲームボーイ版
ゲームボーイとゲームボーイカラー共通対応。スーパーゲームボーイにも対応しており、専用フレームはFC版のパッケージをあしらったデザインになっている。
ゲーム内容はSFC版とほぼ同じであるが、以下の要素が追加または変更されている。
[編集] 基本事項
- GBの仕様上、マップ画面で一度に見渡せる範囲はFC版、SFC版よりも狭くなっており、戦闘背景は『I』にのみ採用されている。
- 処理能力の関係から、町などのフロア数が増え、一部のキャラクターがそれらのフロアに移されている。
[編集] 中断の書
携帯ゲーム機の性格上、プレイヤーはその場ですぐにゲームを中断せざるを得ない状況が起こりうる。このようなケースに対応するため、GB版では、その時点でのゲームの進行状況を即座にセーブし、次回ゲームを再開するときにその時点からすぐに始められるようにすることができる機能が追加されている。これを「中断の書」という。
ただし、これは「冒険の書」と違い、あくまでも一時的なデータの保存手段に過ぎず、一度「中断の書」を使ってゲームを再開すると、その「中断の書」は消えてしまう。中断の書で再開後に一度もセーブせずにリセットしたりすると、その前に「冒険の書」に記録した時点からやり直しとなってしまうので注意を必要とする。
なお、街やダンジョン内部で「中断の書」に記録した場合、再開時のスタート地点は中断の書に記録した場所ではなく、そのマップで最初に出現した場所からの再開となる。
この機能は以降発売される本シリーズの携帯ゲーム機用作品や携帯電話アプリ作品でも採用されている。なお、GBC版『III』ではダンジョン内での中断時でもその場所から再開できる。
[編集] その他の変更点
- (DQI)ゲーム開始時のオープニングデモが追加された(ローラが連れ去られるシーンなどをイラストで紹介)。
- (DQII)福引の5等の景品が「やくそう」から「キメラのつばさ」に変更されている。
- (DQII)福引で当たった時に流れる効果音が、『II』のオリジナルの効果音から、『IV』以降のカジノで使用されている効果音と同様のものに変更された。
- (DQII)上述の中断の書の採用により、どこでも復活の呪文の発行または冒険の書の記録ができるアイテム「ふっかつのたま」が削除された。FC版、SFC版ではモンスター「はぐれメタル」がこの「ふっかつのたま」を落としたが、GB版でははぐれメタルの落とすアイテムが「ふしぎなぼうし」に変更された。
[編集] 関連書籍
- スーパーファミコン版
- Vジャンプブックスゲームシリーズ ドラゴンクエストI・II
- ドラゴンクエストI・II 公式ガイドブック (ISBN 4-87025-741-6)
- ゲームボーイ版
- Vジャンプブックスゲームシリーズ ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II (ISBN 4-0877-9036-3)
- ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II 公式ガイドブック 上巻 世界編 (ISBN 4-7575-0115-3)
- ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II 公式ガイドブック 下巻 知識編 (ISBN 4-7575-0116-1)
[編集] 脚注
- ^ FC版『II』ではモンスターの出現した数により獲得した経験値が割増になるシステムになっており、倒したモンスターの経験値に(匹数-1)割増した数値(小数点以下切り上げ)が実際の獲得経験値となる。
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ナンバリングタイトル | DQ - DQII - DQI・II - DQIII - DQIV - DQV - DQVI - DQVII - DQVIII |
不思議のダンジョン | トルネコの大冒険 - トルネコ2 - トルネコ3 - 少年ヤンガス/MOBILE |
モンスターズ | テリー - ルカ・イル - DQM1・2 - キャラバンハート - ジョーカー - i・S・EZ/MOBILE |
外伝作品 | あるくんです - スライムもりもり - 剣神 - ソード - バトルロード |
コラボレーション作品 | いただきストリート(Special - ポータブル - DS) |
関連項目 | 呪文 - 特技 - 楽曲 - キャラカテゴリ |