テガミバチ
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テガミバチ LETTER BEE | |
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ジャンル | ファンタジー郵便配達漫画 |
漫画 | |
作者 | 浅田弘幸 |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 月刊少年ジャンプ ジャンプスクエア |
発表期間 | 2006年9月 - 連載中 |
巻数 | 4巻(以下続刊) |
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『テガミバチ』は、月刊少年ジャンプに2006年10月号から連載され、同誌の休刊に伴い週刊少年ジャンプ2007年46号での掲載を経てジャンプスクエアにて連載再開の、浅田弘幸による少年漫画作品。仮想世界の郵便配達者の物語。「テガミバチ」は、前回の『I'll』とは違い、ファンタジーな物を描いている。本人談、「とにかくこだわらない!!とは言っても手抜きでやってしまうのではなく、漫画の持っているパワーを損なわないモノを描きたい」との事。
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目次 |
[編集] あらすじ・概要
夜が明けることのない星、アンバーグラウンドという名の地がある。首都を照らす人工太陽の光が届かない、暗く危険な地域を旅する国家公務があった。彼らの仕事はその地で生きる人々の「こころ」が託された「テガミ」を届けること。国民の大切な『テガミ』をお届けする。それこそが、彼ら「テガミバチ」の仕事。
[編集] 登場人物
[編集] メインキャラクター
- ラグ・シーイング
- 主人公。『瞬きの日』に生まれた、アルビス種の少年。泣き虫。7歳の時、母親を正体不明の男たちに連れ去られ、ゴーシュ・スエードに「テガミ」としてキャンベル・リートゥスに住むサブリナ・メリーへ届けられた。自身を配達した「テガミバチ」ゴーシュ・スエードに憧れ、彼もまた「テガミバチ」を目指し、12歳の時に採用試験を受けるため旅立つ。左目に赤い精霊琥珀の義眼が埋め込まれている。精霊琥珀の色から、自分の心弾を『赤針』と呼ぶ。夢はゴーシュが目指した最高のテガミバチ「ヘッド・ビー」になること。
- 心弾銃はゴーシュが使用していた『夜想曲第二十番』。ラグが撃ち出す弾は『心』の欠片。
- ニッチ
- ラグの相棒(ディンゴ)。配達用紙の不備のため、駅の一時預かり荷物となっていた少女。一度はラグによって宛先に届けられたが、後にラグの相棒となる。もともと決まった名前を持っていなかったため、その事を知ったラグにより、「隙間・狭いところ(或いは聖母を置く場)」という意味を持つ「ニッチ」という言葉を名付けられる。
- その生い立ち故か余り常識を蓄えておらず、時に想像もつかないような言動に出る事がある。また、ラグ以外の人物にはなかなか懐かない。「絶滅・伝説の生物『魔訶』の血肉を喰らった女性の呪われた子」と言われているが、詳細は不明。『摩訶』と同じ、金色の髪と海色の瞳を持ち、髪は剣に変え扱うことができ、手首より先が鋭い爪のついた獣の手をしている。
- ステーキ
- 絶滅したとされた「カペル マイスター」の生き残り。
- 見世物小屋『ラブサムワンダウン』からついてきたニッチのペットで、体全体が口。「焼かないとまずそう」だからという理由によりニッチから「ステーキ」命名される。
[編集] テガミバチ
- ゴーシュ・スエード
- ロダ
- 略奪者(マローダー)の項を参照。
- ラルゴ・ロイド
- ハチノスの館長。詳細は不明。摩訶の子の噂を聞きつけ、ニッチを出張用の相棒にしようと思っていたが、ラグに懐いているのを見て諦めた。
- アリア・リンク
- ゴーシュの幼なじみで、お互いに好意を寄せていると思われる女性。「アカツキ」に栄転したゴーシュに昇進祝いを贈った。現在はハチノスの副館長。『瞬きの日』ゴーシュの身に起こった出来事をラグに語る。
- 精神回復心弾『管弦楽曲第三番(G線上のアリア)』を使用する。
- コナー・クルフ
- ラグを「テガミバチ」の面接試験に送ることになった青年。食べる事が大好きで太り気味。
- 現在作中に登場しているテガミバチの中で唯一心弾ではなく心地雷を使用し、「食欲」の欠片の『黄爆』を響かせ、爆発する。
- ガス
- コナーの相棒。犬。忠誠心があるとはいいがたいが、コナーの言うことは聞き、また逃げ足も早い。
- ジギー・ペッパー
- キリエの町の教会を建てた青年。「こころ」を燃料とする鉄の馬(バイク)を駆る、唯一の速達専用の「BEE」。
- ハリー
- ジギーの相棒。精悍な目つきの猛禽。上空から道の情報を伝えるナビゲーター。
- ザジ
- ラグの審査監視員を務めたテガミバチ。使用する心弾は、散弾状で(本人曰く)「悪意」の欠片の『青棘』。一見クールだが、意外にもネコ好き。
- 幼い頃両親を鎧虫に殺された過去を持ち、テガミバチになった動機も「鎧虫に復讐する」為だと語っている。
- ヴァシュカ
- ザジの相棒。大柄なネコ科動物。ザジによく懐いている。
- モック・サリヴァン
- テガミバチ。ラグが持つ心弾銃の能力を疑問視している。
- 名前不明
- モックの相棒。コブラ。モックは腰のポーチに入れて連れ歩いている。
- エレナ・ブラン
- 番外編のみの登場。シレンシオの町出身のテガミバチ。12歳頃、配達途中に、ダコワーズ断崖で転落し死亡。
- ダーウィン
- 番外編のみの登場。エレナ・ブランの相棒。犬やタヌキのような外見で勘がよく、名前の意味は「親愛なる友」。エレナの死亡後もディンゴとして主人の帰還を待ち続けていたが、ラグにより「テガミ」としてエレナの墓の元に届けられると、静かに息を引き取った。
[編集] 略奪者(マローダー)
- ゴーシュ・スエード
- 妹の病気を治すため「テガミバチ」の最高称号「ヘッド・ビー」を目指す、ラグと同じアルビス種の青年。ラグを「テガミ」として届けた。トークが下手。
- 使用する心弾銃は『夜想曲第二十番』。使用する心弾は『黒針』。第九話ではその「心弾」が暴発し、ラグとシルベットにゴーシュの心弾銃の記憶を見せた。
- 現在はこころを失い、『BEE』を解雇される。その後、『略奪者(マローダー)』の人間からノワールという名前を与えられ、『略奪者』として暗躍している。
- ロダ
- ゴーシュの相棒。犬のような姿をしており、「クオン」と鳴く。表情豊かで狩りが上手。温泉が苦手らしい。ゴーシュとの信頼関係はとても厚い。現在『略奪者』となったゴーシュとともに行動しているが、ラグやニッチと出会った際には人間の女性の姿になっていた。それがロダの能力なのか、それともその他の理由によるものなのかは不明である。
[編集] その他
- アヌ・シーイング
- ラグの母親。何者かに首都「アカツキ」に連れ去られてしまう。
- サブリナ・メリー
- 現在はキャンベル・リートゥスに住んでいるが、昔はラグの家の近所に住んでいたことがある女性。ゴーシュに「テガミ」として届けられたラグを育てた。ラグにはもう一人の母親と慕われている。
- シルベット・スエード
- ゴーシュの妹。「ユウサリ」で暮らしている。生まれつき足が不自由な少女。ラグと同じく『瞬きの日』に生まれ、同じ名前の母親は、誕生した時に死亡した。
- 現在はラグとニッチ(とステーキ)に「必ず帰ってくること」を約束に、元々ゴーシュの部屋だった場所に下宿させている。
- ネリ
- ネロ
- 病気がちなネロはジギーにテガミを残し死亡。ネリはジギーがネロを見捨てたと思い、「BEE」になったジギーを恨んでいたが、ラグの心弾によってネロとジギーの真意を知り誤解が解ける。
- バルト・ブラン
- 番外編のみの登場。エレナ・ブランの弟。ラグから「テガミ」として姉宛のペアのペンダントを受け取り、エレナの墓の横にダーウィンの墓を作り、ペンダントを二つの墓に供えた。
- Dr.サンダーランドJr
- ハチノス医療班の医師で、主に疫病に関して研究している。通称「死骸博士」。付近で病死した動物を拾っては研究材料にする為ユウサリ中央の住人からは気味悪がられているが、実は一体一体丁寧に葬る優しい心を持つ。かつて、ゴーシュと親しい仲だった。
- ゴーシュの行方を追う為、異教徒(反政府派)の多い町「ハニー・ウォーターズ」の"精霊になれなかった者"へのテガミをラグに託す。
- ハント
- サラ
- ハニー・ウォーターズの反政府運動者夫妻。ハントの身体はニッチのように鋭いかぎ爪になっており、サラはそれを政府の実験失敗の為だとして運動を着々と活発化させている。
- 本人達は"精霊になれなかった者"を自称するが実際には偽物であり、ハントは徐々に罪悪感を感じつつサラに運動の中止を促している。しかしサラは反政府派「リバース」のメンバーになる為、耳を貸そうともしない。
- アン
- ハニーウォーターズに住む少女。かつて父を鎧虫に殺されている。「鎧虫はBEEが連れてくる」というハントとサラの演説が嘘だと気付いている。町の住人の5年分のテガミを蓄えていて、ラグと共にテガミを町から運ぼうとしている。
[編集] 用語解説
- テガミバチ
- 人工太陽の光が届かない地域の人々に「テガミ」を届けることを仕事とする国家公務郵便配達員「BEE」の通称。彼らは鎧虫を倒すための武器を所持し、いかなる危険が伴おうとも「テガミ」を届けることに従事する。なお「テガミ」は、はがきや小包に限らず、ラグのような「人」やダーウィンのような「動物」もこれに含まれている。
- ヘッド・ビー
- テガミバチの中における最高称号者。彼に運べない手紙はないとされる。ゴーシュとラグの目標である。
- 政府の重要な配達以外は首都勤務。
- 相棒(ディンゴ)
- 「テガミバチ」と行動を共にする相棒。犬以外に、訓練できるならばライオンやパンサーであってもかまわない。また、金で格闘家を雇うこともできる。
- 鎧虫(ガイチュウ)
- 闇の世界であるヨダカとユウサリに生息する、体を硬い鎧に覆われた巨大な虫のような生物。意思は持たないとされているが、人間の心に集まる習性があり、太古には何かを求める意思があったのではないかと言われている。倒すためには、鎧の内側に「こころ」を響かせる必要があるが、そのための武器が心弾銃である。
- いずれも名前の由来はアルコール飲料である。
-
- ダイキリ
- コガネムシ型。ラグが「テガミ」だった頃に出会った。
- 生息テリトリー:ブルー・パンプキン山脈サピー山
- ブッカーズ
- アリジゴク型。ラグが「テガミ」だった頃に出会った。下顎に鎖付きの槍を持ち、擂り鉢状の罠に落ちてきた相手を狙い撃ちする。反面、再装填には時間がかかる。
- 生息テリトリー:ジョゼの白砂漠
- フォア・ローゼス
- カマキリ型。首を切り落とされた状態でも「こころ」を響かせない限り動き続ける。
- 生息テリトリー:ブッコロリの森
- グレン・キース
- ムカデ型。他の鎧虫と比べても非常に巨大であり、心弾を撃ち込んでも破壊されたのは身体の上部(前部)だけで、仕留めるには至らなかった。外敵に対しては、側腕の爪をミサイルのように飛ばして応戦する。ザジの台詞から、テガミバチ達を長年にわたって妨害し続けていることが伺える。
- 生息テリトリー:ラズベリー・ヒル
- ジンロ
- ゴーシュが過去に交戦した鎧虫。弱点は口部だが、顔の両脇にある覆いをスライドさせて己の身を守る。
- レッド
- ザジが交戦した鎧虫。弱点は頭部の穴。一個体は弱いが集団で活動する。
- アブサン
- アトラスオオカブト型。山崩れで生息テリトリーが変動し、ラグ達を襲撃する。10年前にエレナ・ブランの死に関わった可能性がある。
- 生息テリトリー:セイウチ崖
- デュベル
- ノミ型。底が見えないほど高い谷から吊り橋までジャンプできるほどの跳躍力を有する。弱点の眼を、西洋甲冑のような面覆いで庇っている。
- シードル
- ケラ型。地中生の鎧虫。弱点は尻だが、上半身のみを外に出して攻撃するために反撃しにくい。
- 精霊琥珀
- 太陽に代わり、太古から大地の地下深くに眠るエネルギー資源。「精霊」という木々や大地の霊的エネルギーが虫などに宿り、それが琥珀化したもの。「テガミバチ」はこれと他のアイテムを組み合わせて武器として使用している。
- 心弾銃
- 国家公務郵便配達員BEEのほとんどが使う武器の名称。精霊琥珀を持っていないと使えない。また、持っていても心弾銃を使いこなせるほどの心がないとやはり使えない。
- ラグが持っている心弾銃は元はゴーシュのもので、名称は『夜想曲(ノクターン)第十二番』。名工房で作られた作品で、ザジ曰く「とんでもないレアな逸品」だそうである。
- コナーが心地雷「黄爆」を使用していることから、銃以外にも精霊琥珀を利用した武器が存在すると思われる。
- 摩訶
- 竜に似た生物で、金色の鬣に海色の瞳をもっている。残虐な性質ながらその姿は美しく、一部の地域では神聖視されている。
- ハチノス
- ユウサリ中央にある郵便館「BEE-HIVE」の通称。
- ビフレスト
- ヨダカとユウサリを繋ぐ橋。ヨダカ側にはシグナル(昔はカミュと呼ばれており、たまにラルゴもそう呼ぶ)、ユウサリ側にはシグナレスという双子の門番(ゲートキーパー)がおり、橋の入り口の門より管理している。通行者を黒水晶製の特殊なパイプ煙草の煙で認証する。ヨダカ側には不正な手段で橋を渡ろうとする者を排除するために、アロンジという巨大なトカゲがいる。アロンジは第四話にてニッチにより尻尾を切られた。
- リン
- AGの通貨単位。
- 人工太陽
- アンバーグラウンド全体から見える太陽。AGで唯一人工太陽が見えないのがヨダカ地域である。
- 瞬きの日
- 12年前の三百十一日目、人工太陽の光が消えた日。この「瞬き」の後、ゴーシュは母親の記憶を失った。政府の発表では「人工太陽の調査および調整を行った日」とされている。また、ラグとシルベットの生まれた日でもある。
[編集] アンバーグラウンド(AG)
四方を海に囲まれた一日の全てが夜という国。様々な人種・種族が暮らしている。本島は海から繋がる川で3つに分断されており、階級別に「アカツキ」「ユウサリ」「ヨダカ」という地区に分かれている。
[編集] 区域(エリア)
- アカツキ
- AGの首都であり人工太陽に照らされている。特級・上流階級の人間が暮らす都会。
- ユウサリ
- 中流階級の人々が暮らす地域。郵便館という「テガミバチ」の拠点がある。
-
- 祈りの丘
- ユウサリ中央の町で人工太陽の「光」を一番近くに感じることが出来る、ゴーシュとアリアのお気に入りの場所。
- ヨダカ
- 労働者・下等階級の人々が主に暮らす地域。主な鎧虫が生息し、ほぼ全ての地域が危険地帯と言える。住民たちの利益は、そのほとんどが政府に吸い上げられてしまうが、中には外海からの密輸により裕福な暮らしをしている地域もある。
-
- コーザ・ベル
- ラグとアヌが暮らしていた場所。ゴーシュがラグを「テガミ」として集荷した場所でもある。
- ブルー・パンプキン山脈
- 鎧虫ダイキリが生息している。
- ジョゼの白砂漠
- 美しい綿毛を飛ばすチップ花が咲いている。鎧虫ブッカーズが生息している。
- キャンベル・リートゥス
- ラグが配達後育てられた港町。ヨダカの最南端にあり、外海から海賊も立ち寄る違法港である。
- ブッコロリの森
- 鎧虫フォア・ローゼスが生息している。
以上でテガミバチに関する核心部分の記述は終わりです。
[編集] 外部リンク
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