屍鬼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
---|
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
『屍鬼』(しき)は小野不由美作のホラー小説。1998年に新潮社から単行本(上・下巻)が、2002年に新潮文庫から文庫本(全5巻)が発行された。これを原作とした藤崎竜の漫画作品についてもこの項で解説する。
目次 |
[編集] 内容
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
小野のホラー小説の真骨頂とも言える、どうしようもなく「こちら側」に所属しながらも自らの居場所に違和感を感じ、「あちら側」への恋焦がれるような憧れを持っている者と、「こちら側」とは相容れない本質を持ちながらも「こちら側」に居場所を作らざるを得ない立場に置かれた者の心理的交流と葛藤が主軸となっている。その中で「こちら側」と相容れない者が居場所を作ろうとする足掻きと、「あちら側」からの干渉を排除しようとする「こちら側」の世界の反撃が悲惨な悲劇を引き起こしていく。こうした構図は、『魔性の子』や『東亰異聞』といった小野の他のホラー小説とも共通したテーマを扱っているとも言えるが、破滅を通じて、「あちら側」に恋焦がれる者が平穏な居場所を見出していく過程をつぶさに描いている点が、この作品の特徴と言えよう。又、登場人物は150人を超える。
上下巻合わせて1000ページを超えるボリュームを誇る本作は後の様々なホラー作品に影響を与えた。特にPS2用ゲームソフト『SIREN』は本作が原作であると間違えられるほど強い影響を受けている。小野本人が後書きで明かしている通り、本作自身もまた、スティーヴン・キングの『呪われた町』へのオマージュである。
また、京極夏彦は連作小説集『どすこい』内で、本作のパロディとして『脂鬼』を発表している。
[編集] あらすじ
周りから隔絶された集落、外場村(そとばむら)。昔から変わることの無いこの村では、今でも土葬の習慣が根強く残っていた。
平和だった村に最初に起こった小さな変化。それはどこからか移築された古い洋館だった。なかなか越して来ない洋館の住人。ある日壊されていた村中の神像。次々と増える死因不明の死者。
そして、村の住人達は気付く、「この村は死によって包囲されている」と……。
[編集] 登場人物
[編集] 外場村の人々
[編集] 寺院
- 室井 静信(むろい せいしん)
- 信明と美和子の息子。兄弟はいない。村の人々からは「若御院」と呼ばれている。本業は僧侶であるが、副業として小説を書いている(ワープロに抵抗感があるため未だに原稿用紙を使う)。尾崎敏夫と安森幹康とは幼馴染みの仲。性格は温厚だが、繊細で理想主義なところもある。学生時代に自殺未遂を起こしたことがある。32歳、独身。
- 室井 信明(むろい しんめい)
- 静信の父。脳卒中で倒れて以来、四肢に麻痺を生じ、寝たきりの生活を送っている。
- 室井 美和子(むろい みわこ)
- 静信の母。旧姓・山村。
- 田所 光男(たどころ みつお)
- 寺で雑務をしている。
- 田所 克江(たどころ かつえ)
- 光男の母。
- 池辺(いけべ)
- 信明の弟子にあたる人物。村外から通勤。
- 角(すみ)
- 信明の弟子にあたる人物。実家は同宗派の寺。村外から通勤。
- 鶴見(つるみ)
- 信明の弟子にあたる人物。既婚。
[編集] 尾崎医院
- 尾崎 敏夫(おざき としお)
- 村で唯一の病院の院長。先代である敏夫の父が病で亡くなった為、大学病院を辞めて尾崎医院の院長に就いた。「若先生」とも呼ばれる。専門医は内科だが、必要とあればどんなことでも診てくれる。不用意な憎まれ口をすることが多く、看護婦らから度々注意されている。尾崎家の地位・権勢を第一と考える父を嫌っており、その父同様の考えを持つ母・孝江にも嫌気がさしている。室井静信と安森幹康とは幼馴染みの仲。ヘビースモーカー。32歳、既婚。
- 尾崎 恭子(おざき きょうこ)
- 敏夫の妻。子供はいない。村での生活を嫌っており、村外の市街部のマンションに1人で暮らしている。また、アンティーク・ショップを経営している。月に2、3回ほど村に戻ってくる。姑の孝江とは折り合いが悪い。30歳。
- 尾崎 孝江(おざき たかえ)
- 敏夫の母。恭子のことを好いていない。尾崎家の地位・権勢を第一と考えるが、尾崎医院の業務には一切関わろうとしない。「大奥さん」とも呼ばれる。
- 国広 律子(くにひろ りつこ)
- 尾崎医院で働く看護婦。「太郎(たろう)」という名前の柴犬の子犬を飼っている。生まれ育ったこの村から離れることを拒んでいる。母と妹の3人暮らし。通称・律ちゃん。28歳、独身。
- 永田 清美(ながた きよみ)
- 尾崎医院で働く看護婦。既婚。小学校6年生の娘がいる。
- 橋口 やすよ(はしぐち - )
- 尾崎医院で働く看護婦。看護婦の中では最年長。
- 汐見 雪(しおみ ゆき)
- 尾崎医院で働く看護婦。村外から通勤している。
- 井崎 聡子(いさき さとこ)
- 尾崎医院で働く看護婦。
- 高野 藤代(たかの ふじよ)
- 尾崎医院でパートとして働いている。孫がいる。
- 関口 ミキ(せきぐち - )
- 尾崎医院でパートとして働いている。
- 武藤(むとう)
- 尾崎医院の医療事務の事務長。息子の徹がまだ幼かった頃に村に引っ越してきた。既婚。妻と子供3人の5人家族。
- 十和田(とわだ)
- 尾崎医院の医療事務をしている。
- 下山(しもやま)
- 尾崎医院のレントゲン技師。村外から通勤している。既婚し、子供もいる。
- 森(もり)
- 尾崎医院の薬剤師。薬局も経営。村外から通勤している。
[編集] 兼正
- 桐敷 正志郎(きりしき せいしろう)
- 沙子の父。元は会社社長であった。40代半ば。
- 桐敷 千鶴(きりしき ちづる)
- 沙子の母。外見は20代後半~30代前半だが、実年齢は不明。SLEを患っている。
- 桐敷 沙子(きりしき すなこ)
- 正志郎と千鶴の娘。13歳、中学1年生。小柄な体型。室井静信の小説のファン。母と同じくSLEを患っており、夜になると度々、静信の元を訪れる。本を読むことが好きで、父・正志郎の所持する本までも読破している。また、ちゃん付け等の敬称を付けられることを嫌う。
- 辰巳(たつみ)
- 桐敷家の使用人の男性。辰巳は名字。外見は20代だが、実年齢は不明。
- 江渕(えぶち)
- 桐敷家の医者。初老の男性。沙子の家庭教師でもある。楠ガソリンスタンドの隣の空き家に奇妙な診療所を建て、話題になる。
- 倉橋 佳枝(くらはし よしえ)
- 桐敷家の使用人の中年の女性。
[編集] 山入
- 村迫 秀正(むらさこ ひでまさ)
- 三重子の夫。後藤田ふきの兄。8月6日、変わり果てた姿で発見される。享年75。
- 村迫 三重子(むらさこ みえこ)
- 秀正の妻。8月6日、秀正と共に遺体で発見される。享年68。
- 大川 義五郎(おおかわ ぎごろう)
- 大川富雄の伯父。高血圧の為、尾崎医院から薬を処方されている。1人暮らし。8月6日、変わり果てた姿で発見される。享年77。
[編集] その他の村民
- 大川 富雄(おおかわ とみお)
- 「大川酒店」を経営。消防団の1人。豪放な性格で、一度激昂してしまうと手がつけられない。
- 大川 かず子(おおかわ かずこ)
- 富雄の妻。
- 大川 浪江(おおかわ なみえ)
- 富雄の母。篤たちの祖母。篤に対しては口うるさく、何か起こる度に富雄に言いつける。
- 大川 篤(おおかわ あつし)
- 富雄の長男。気が荒く、配達のバイクの運転も荒い。コンプレックスが強く、父親と祖母とは対立ばかりしている。20代。
- 大川 瑞恵(おおかわ みずえ)
- 富雄の長女。篤の妹。
- 大川 豊(おおかわ ゆたか)
- 富雄の次男。篤と瑞恵の弟。
- 大川 長太郎(おおかわ ちょうたろう)
- 茂の父。
- 大川 規恵(おおかわ のりえ)
- 茂の母。
- 大川 茂(おおかわ しげる)
- 長太郎と規恵の息子。会社員。33歳、独身。
- 前田 巌(まえだ いわお)
- 勇の父。
- 前田 登美子(まえだ とみこ)
- 勇の母。元子との折り合いが悪い。医者嫌い。
- 前田 勇(まえだ いさみ)
- 元子の夫。JA勤務。
- 前田 元子(まえだ もとこ)
- 勇の妻。心配性のせいかヒステリックになりがち。ドライブイン「ちぐさ」でパートとして働いている。矢野加奈美と仲が良い。
- 前田 志保梨(まえだ しおり)
- 勇と元子の娘。茂樹の姉。
- 前田 茂樹(まえだ しげき)
- 勇と元子の息子。
- 前田 時夫(まえだ ときお)
- 勇の年上の従兄弟。消防士。
- 前田 利香(まえだ りか)
- 時夫の妻。元子と同い年。
- 結城(ゆうき)
- 夏野の父。工房を経営している。都会生れの都会育ちで、田舎暮らしに憧れて1年前に村に引っ越してきた。喫茶店「クレオール」の常連のひとり。30代後半。
- 小出 梓(こいで あずさ)
- 結城の同居人で、夏野の母。夫と同じ都会生れの都会育ち。結城と共に工房を経営。改姓を拒んだ為、入籍はしていない。
- 小出 夏野(こいで なつの)/結城 夏野(ゆうき なつの)
- 結城と梓の息子。15歳、高校1年生。普段は結城姓を名乗る。また、女性のような名前だという理由で、下の名前で呼ばれることを嫌う。両親と共に暮らしているが、都会育ち故に村での生活を嫌っており、都会の大学を志望している。度々勉強を教わるために武藤家を訪れており、武藤徹と仲が良い。清水恵とはクラスメイト同士だが、付きまとってくる彼女を鬱陶しく思い忌み嫌っている。しかし、徹の死より対決を決意する。
- 武藤 静子(むとう しずこ)
- 尾崎医院で働く武藤の妻。
- 武藤 徹(むとう とおる)
- 武藤と静子の長男。結城(小出)夏野と仲が良い。就職し、現在は研修活動中。20歳。
- 武藤 葵(むとう あおい)
- 武藤と静子の長女。徹の妹で、保の姉。商業科の高校に通う3年生(18歳)。
- 武藤 保(むとう たもつ)
- 武藤と静子の次男。村迫正雄とは同級生。結城(小出)夏野とは別の高校に通う高校2年生。
- 安森 義一(やすもり ぎいち)
- 徳次郎の兄で、一成の父。パーキンソン病で寝たきり。74歳。
- 安森 一成(やすもり かずなり)
- 義一の息子。「丸安工業」を経営。
- 安森 厚子(やすもり あつこ)
- 一成の妻。
- 安森 和也(やすもり かずや)
- 一成と厚子の息子。「丸安工業」を経営。
- 安森 淳子(やすもり じゅんこ)
- 和也の妻。奈緒と仲が良い。
- 安森 徳次郎(やすもり とくじろう)
- 義一の弟で、節子の夫。檀家総代のひとり。「安森工務店」を経営。
- 安森 節子(やすもり せつこ)
- 徳次郎の妻。
- 安森 幹康(やすもり みきやす)
- 徳次郎と節子の息子。奈緒の夫。「安森工務店」を経営。尾崎敏夫と室井静信の幼馴染み。28歳。
- 安森 奈緒(やすもり なお)
- 幹康の妻。6歳の頃に両親に捨てられた過去を持つ。淳子と仲が良い。村外から嫁いできた。26歳。
- 安森 進(やすもり すすむ)
- 幹康と奈緒の息子。3歳。
- 安森 誠一郎(やすもり せいいちろう)
- 米子の夫。
- 安森 米子(やすもり よねこ)
- 誠一郎の妻。
- 安森 弘二(やすもり こうじ)
- 誠一郎と米子の息子。母親の米子には頭が上がらないマザコン。
- 安森 日向子(やすもり ひなこ)
- 弘二の妻。姑の米子とは折り合いが悪い。
- 田中 良和(たなか よしかず)
- 佐知子の夫。役場に勤める公務員。
- 田中 佐知子(たなか さちこ)
- 良和の妻。専業主婦。口うるさく、少々短気。
- 田中 かおり(たなか - )
- 良和と佐知子の娘。中学校3年生で、昭の姉。清水恵とは幼馴染みで親友(だと彼女は思い込んでいる)。「ラブ」という名前の長毛種の雑種犬を飼っている。お下げが特徴。野暮ったく、怖がりな性格。
- 田中 昭(たなか あきら)
- 良和と佐知子の息子。中学校1年生。かおりの弟だが、結城(小出)夏野を実の兄のように慕っている。好奇心旺盛な性格。
- 清水 徳郎(しみず とくろう)
- 武雄の父。恵の祖父。熱血漢で激昂しやすい。
- 清水 武雄(しみず たけお)
- 恵の父。JA勤務。冷静で理論家。喫茶店「クレオール」に度々訪れる。
- 清水 寛子(しみず ひろこ)
- 恵の母。
- 清水 恵(しみず めぐみ)
- 高校1年生(15歳)。結城(小出)夏野のクラスメイトで、夏野に一方的な好意を抱いている。田中かおりとは幼馴染みだが、彼女の田舎臭い行動に対してうんざりしている。兼正の家に興味がある。生まれ育った村での生活を嫌っているため、夏野と同様、都会の大学を志望している。
- 清水 雅司(しみず まさじ)
- 隆司の父。「清水園芸店」を経営。
- 清水 隆司(しみず りゅうじ)
- 雅司の息子。41歳。
- 清水 裕美(しみず ゆみ)
- 隆司の妻。
- 清水 祐(しみず ゆう)
- 隆司の息子。雅司の孫。
- 村迫 宗秀(むらさこ むねひで)
- 良子の夫。「村迫米穀店」を経営。
- 村迫 良子(むらさこ りょうこ)
- 宗秀の妻。故人。
- 村迫 正雄(むらさこ まさお)
- 宗秀と良子の三男。高校2年生。武藤保とは同じ高校に通う同級生。よそ者であるためか結城(小出)夏野を毛嫌いしている。博巳も気に食わないらしく度々いじめている。兄弟と年が離れていたために甘やかして育てられ、少々わがままで底意地が悪い性格。
- 村迫 英輝(むらさこ ひでき)
- 宗秀と良子の次男。遠方に出ている。 33歳。
- 村迫 宗貴(むらさこ むねたか)
- 宗秀と良子の長男。35歳、既婚。
- 村迫 智寿子(むらさこ ちずこ)
- 宗貴の妻。息子の博巳が正雄からいじめられていることに気付いており、正雄のことを嫌っている。
- 村迫 博巳(むらさこ ひろみ)
- 宗貴と智寿子の息子。正雄に度々いじめられている。9歳。
- 村迫 智香(むらさこ ちか)
- 宗貴と智寿子の娘。小学校2年生(7-8歳)。
- 加藤 義秀(かとう よしひで)
- 澄江の夫。
- 加藤 澄江(かとう すみえ)
- 義秀の妻。
- 加藤 ゆきえ(かとう - )
- 実の母。裕介の祖母。
- 加藤 実(かとう みのる)
- 裕介の父で、妻は故人。電気店を経営。喫茶店「クレオール」に度々訪れる。大人しく、物静かな性格。30代半ば。
- 加藤 裕介(かとう ゆうすけ)
- 実の息子。人見知りが激しく、兼正の家を不審に感じている。小学校1年生。
- 矢野 妙(やの たえ)
- 加奈美の母。後藤田ふきと仲が良い。
- 矢野 加奈美(やの かなみ)
- 妙の娘。女手ひとつでドライブイン「ちぐさ」を経営している。夫と2人の子供がいたが離婚(親権は夫に渡った)。前田元子と仲が良い。38歳、独身。
- 後藤田 ふき(ごとうだ - )
- 秀司の母。山入に住んでいる村迫秀正の妹。矢野妙と仲が良い。67歳。
- 後藤田 秀司(ごとうだ しゅうじ)
- ふきの息子。末っ子で、兄達は結婚して村を出ている。内向的だが激昂しやすい性格。39歳、独身。
- 後藤田 久美(ごとうだ くみ)
- 響子の母。衣装店経営。
- 後藤田 響子(ごとうだ きょうこ)
- 久美の娘。40歳。
- 田茂 定市(たも さだいち)
- キヨの夫で、定次の兄。実質上の村長。
- 田茂 キヨ(たも - )
- 定市の妻。
- 田茂 定文(たも さだふみ)
- 定市とキヨの息子。中学校教師。
- 田茂 広也(たも ひろや)
- 定文の息子。高校2年生、陸上部所属。
- 田茂 定次(たも さだじ)
- 聡美の夫で、定市の弟。「スーパーたも」を経営。
- 田茂 聡美(たも さとみ)
- 定次の妻。「スーパーたも」を経営。
- 田茂 悠子(たも ゆうこ)
- 定次と聡美の娘。既婚。
- 松尾 誠二(まつお せいじ)
- 高志の父。弔組の世話役。
- 松尾 有香子(まつお ゆかこ)
- 誠二の妻。
- 松尾 康志(まつお やすし)
- 高志の父。
- 松尾 高志(まつお たかし)
- 康志の息子。静と潤の父。
- 松尾 静(まつお しずか)
- 高志の娘。潤の姉。
- 松尾 潤(まつお じゅん)
- 高志の息子。
- 小池 昌治(こいけ まさはる)
- 弔組の世話役。痩躯だが頑健な身体つきをしている。
- 小池 保雄(こいけ やすお)
- 昌治の息子。NTTに務める電話技師。
- 小池 董子(こいけ とうこ)
- 保雄の娘で、昌治の孫。田中かおりの同級生。
- 小池 郁生(こいけ いくお)
- 保雄の息子で、昌治の孫。
- 国広 康恵(くにひろ やすえ)
- 尾崎医院で働く国広律子の母。田畑からわずかな収穫を得ている。夫は律子らが幼い頃に他界。
- 国広 緑(くにひろ みどり)
- 康恵の次女。律子の妹。保育士。
- 楠 正也(くすのき まさや)
- 村で唯一のガソリンスタンドを経営。既婚。2人の息子がおり、長男は既婚。
- 楠 章二(くすのき しょうじ)
- 正也の次男。
- 広沢(ひろさわ)
- 中学校の教師。担当は英語。既婚、4歳の娘がいる。喫茶店「クレオール」の常連のひとり。
- 広沢 豊子(ひろさわ とよこ)
- 高俊の母。
- 広沢 高俊(ひろさわ たかとし)
- 豊子の息子。28歳。
- 広沢 麻由美(ひろさわ まゆみ)
- 以前は村外の信用金庫で働いていたが、結婚を機に「スーパーたも」のレジで働きだした。三世代同居で、子供はいない。既婚(旧姓は「大川」)。
- 広沢 武子(ひろさわ たけこ)
- 「タケムラ文具店」で井戸端会議に興じるひとり。
- 広沢 隆文(ひろさわ たかふみ)
- 林業と農業を営んでいる。既婚。
- 竹村 源一(たけむら げんいち)
- 金物屋を経営。
- 竹村 美智夫(たけむら みちお)
- 村に住む男性。
- 竹村 ムネ(たけむら - )
- かつて木工所を開いていた。後に引越しし、その場に一風変わった葬儀社が建つ。
- 竹村 タツ(たけむら - )
- 村外に嫁いでいたが、夫が戦死し、死別した為に村に戻ってきた。現在は「タケムラ文具店」を営んでいる。
- 佐藤 笈太郎(さとう おいたろう)
- 「タケムラ文具店」で井戸端会議に興じる老人のひとり。都会に息子がいる。趣味はカメラ(フィルムが入っているかは不明)。
- 大塚 弥栄子(おおつか やえこ)
- 「タケムラ文具店」で井戸端会議に興じる老人のひとり。
- 大塚 吉五郎(おおつか きちごろう)
- 隆之の父。家業の「大塚製材」で働いている。
- 大塚 隆之(おおつか たかゆき)
- 吉五郎の息子。家業の「大塚製材」で働いている。
- 大塚 浩子(おおつか ひろこ)
- 隆之の妻。
- 大塚 康幸(おおつか やすゆき)
- 隆之と浩子の息子。家業の「大塚製材」で働いている。内気な性格。35歳、独身。
- 伊藤 郁美(いとう いくみ)
- 祈祷師の真似事をして生計をたてている。奇妙な言動からか、村の人々からは神がかっていると思われ、親子で孤立している。村外から嫁いできたが、夫は既に他界している。度々「タケムラ文具店」の井戸端会議に顔を出す。
- 伊藤 玉恵(いとう たまえ)
- 郁美の娘。常に母に振り回されている。痩せた母親とは対照的な肥満体型。気が弱い。35歳前後、独身。
- 石田(いしだ)
- 役場の保険係。
- 石田 千枝(いしだ ちえ)
- 石田の妻。
- 長谷川(はせがわ)
- 商社に勤めていたが、息子を亡くしたことを機に退社。4年前に村に引っ越してきた。現在は喫茶店「クレオール」を経営。既婚。
- 長谷川 ちよみ(はせがわ - )
- 長谷川の妻。喫茶店「クレオール」を経営。
- 松村 安造(まつむら やすぞう)
- 「大川酒店」勤務。気が小さい。大川富雄より10歳年上。
- 松村 康代(まつむら やすよ)
- 安造の娘。父親に似ず、しっかり者。20代半ば。
- 田代 正紀(たしろ まさき)
- 留美の夫。村で唯一の書店である「田代書店」を経営。喫茶店「クレオール」の常連のひとり。34歳。
- 田代 留美(たしろ るみ)
- 正紀の妻。「田代書店」を経営。
- 田代 孝(たしろ たかし)
- 正紀と留美の息子。10歳。
- 太田 剛造(おおた ごうぞう)
- 健治の父。
- 太田 健治(おおた けんじ)
- 剛造の息子。高校教師。53歳。
- 行田 文吾(ぎょうだ ぶんご)
- 悦子の夫。
- 行田 悦子(ぎょうだ えつこ)
- 文吾の妻。
- 高見(たかみ)
- 駐在警察官。2人の子供がいる。
- 高見 秀子(たかみ ひでこ)
- 高見の妻。
- 前原 セツ(まえはら - )
- 村に住む独居老人。注射嫌いで、狭心症の傾向がある。
- 千代(ちよ)
- 雑貨屋を経営。寡黙で表情に乏しい老女。夫は既に他界。毎朝、勤行に訪れる。
- 支倉 糸子(はせくら いとこ)
- 勤行に度々訪れる独居老人。
- 本橋 鶴子(もとはし つるこ)
- 村に住む独居老人。
- 奈良(なら)
- JA勤務。
- 田村 弘岳(たむら ひろたけ)
- 木工所で働く老人。腰部脊椎症で、度々病院を訪れる。
- 山崎 和歌(やまざき わか)
- 村に住む女性。夫、2人の子供(娘と息子)がいる。
- 柚木(ゆずき)
- 図書館の司書。子供好きで子供のためならどんなことでもする。
- 速見(はやみ)
- 村に新しくできた葬儀社の社長。一風変わった形式での葬儀が話題になる。
- 三上(みかみ)
- 喫茶店「クレオール」勤務。
- 武田(たけだ)
- 「安森工務店」勤務。
- マコト
- 加藤裕介宅の近所に住む子供。3歳。名字は不明。
- 大沢(おおさわ)
- 郵便局の局長。既婚。
- 長田(ながた)
- 郵便局の局員。
- 佐々木(ささき)
- 高見の後任の駐在警察官。30歳前後、独身。
[編集] 外場村以外の人々
- 谷口(たにぐち)
- 尾崎敏夫の大学の7年上の先輩。村外にある国立病院に勤務。敏夫と同じく内科医。
- 津原(つはら)
- 出版社勤務。
[編集] 用語解説
- 外場村(そとばむら)
- 人口わずか1300人、三方を尾根に囲まれた村。村には尾見川(おみがわ)という河川が流れている。江戸時代初期に竹村・田茂・安森・村迫の四家が拓いたとされ、樅を育てて卒塔婆を作ってきたことからその名が付いた。外場村は、上外場・中外場・門前・下外場・外場・水口の6集落と山入の総称で、近年行われた市町村併合により外場という地名になったのだが、村民は未だに「外場村」と呼んでいる。
- 山入(やまいり)
- 山奥の過疎集落。村迫秀正と村迫三重子、大川義五郎が住む2軒の家屋しか残っていない。
- 尾崎医院(おざき いいん)
- 村唯一の病院。専門は内科医で、現在の医院長は尾崎敏夫。ベッド数は個室を含め19床。入院施設はあるが人手が足りず、基本的に入院患者は受け付けていない。また、敏夫が医院長に就いて以降は空室のままである。
- 兼正(かねまさ)
- 代々村長の家系だった竹村家の屋号。竹村家が村を辞去した後は屋敷のある土地をさす。山の斜面にあり、現在は洋館が建ち、桐敷家が住んでいる。
- 虫送り(むしおくり)
- 村内の穢れを境目であるもりに追い立てる祭。鬼の面を付け、黒染めの衣を纏ったユゲ衆と呼ばれる人々が卒塔婆を背負って祠から祠へと練り歩き、村内部の穢れを道祖神に移し、村の境へと連れて行き祀り捨てる。また、ユゲ衆は成人男性に限られており、女性や子供は参加できない。ベットと呼ばれる藁で作られた人形も用いる。
- 弔組(とむらいぐみ)
- 村には葬儀社がない為、これに代わるもの。寺の檀家組織とは関係が深い。
- 高砂運送(たかさご うんそう)
- 夜中に度々現われる謎の引越し業者。高砂松の模様が箱型トラックの荷台に描かれている。
- 屍鬼(しき)
- 室井静信が執筆中の小説のテーマ。物語後半では、死亡後に再び甦った人間のことを指すようになる。
- 「屍鬼」は、日没後にのみ活動可能。昼間は深い眠りについているのだが、微弱であっても日光に接触すると皮膚が焼けただれてしまうため、暗室でなければ死んでしまう。しかし治癒能力が非常に高く、多少の傷であればすぐに再生してしまう。心肺機能等は停止したままなので死亡していることに変わりはないのだが、見た目は生きている人間そのもの。また、生きている人間同様に感情や感覚はある。しかし食糧は人間の血液のみで、その他のものは口に出来ない。口にしたとしても飢餓感を満たすことはできず、体が受け付けずにすぐに吐瀉してしまう。
- 屍鬼による吸血で死亡した人間は、その体質によって新たなる屍鬼として甦ることがあるが、その際ごくまれに「人狼(じんろう)」と呼ばれる存在が誕生する。屍鬼同様、見た目は生きている人間そのものなのだが、昼夜問わず活動可能。日光に接触しても変化はない。人間と同じ食事でも生存が可能だが、吸血の方がより効率よく餓えを満たせる。
[編集] 漫画版
[編集] 原作との違い
- 田中かおりの飼い犬・ラブは雑種で短毛種、国広律子の飼い犬・太郎は黒い柴犬の子犬であるように描写されている。
- 日にちに若干のズレがある。原作通りに事が起こるのではなく、その順が前後することもある。
- 漫画版では擬似的な幼馴染設定であるためか、武藤徹の年齢が18歳に設定されている。また、妹の葵と弟の保は共に17歳の設定。
- 辰巳の口癖が「や!」である。
- 桐敷沙子が寺院前に行くことは困難の筈だが、漫画版では簡単に行けている(一方通行の坂道となっている)。
- 原作では表現されてない内容が加えられている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
|
---|
ギャグマンガ日和 | CLAYMORE | テガミバチ | ロザリオとバンパイア SeasonII | エンバーミング -THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN- | Luck Stealer | TISTA | 紅 kure-nai | まつりスペシャル | 魔法の料理 かおすキッチン | 罪花罰 | 世界の中心で太陽にほえる | アキバザイジュウ | パト犬 | 屍鬼 | 放課後ウインド・オーケストラ | 貧乏神が!
小説 : 家庭教師ヒットマンREBORN! 隠し弾 | コミックエッセイ : PARマンの情熱的な日々 Web連載 : 魔砲使い黒姫 | Tales of Innocence |