タイム・リープ あしたはきのう
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『タイム・リープ あしたはきのう』は、高畑京一郎の小説(1995年発表)。
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[編集] 概要
ライトノベルに分類される小説であるが、タイムトラベルもののSF小説としても高い評価を受けた作品。タイムパラドックスの問題に正面から取り組み、意識内時間移動現象「タイム・リープ」という設定と、緻密な論理構成により、時間SFとして十分な戦果を挙げた。90年代の『時をかける少女』と評されたこともある。
1999年に発表されたエッセイ「『タイム・リープ』に至るまで」で、作者は本作の下敷きになった作品として以下のものを挙げる。
- 小説『時をかける少女』(筒井康隆)
- 小説『夏への扉』(ロバート・A・ハインライン)
- 小説「ここがウィネトカなら、きみはジュディ」(F・M・バズビイ、新潮文庫『タイム・トラベラー』所収)
- 漫画「時をかける学園(ねらわれた少女)」(ゆうきまさみ『ぱろでぃわぁるど』所収)
- ドラマ「タイムマシーンにお願い」
- アニメ「ゴッドマジンガー」EDテーマ曲「時間(とき)の誘惑」(作詞:荒木よしひさ/作曲:矢野立美/歌:遠藤晴美)
- 本作品より以前に「タイム・リープ」という概念が出てきた作品で、"タイムリープ"という言葉がサビに出てくる。
本作はハードカバーでメディアワークスから発表後、文庫(電撃文庫)・ラジオドラマ・映画と多方面へ移植された。しかし、文庫版は新規に追加されたイラストがキャラのイメージに合っておらず、逆にイラストがないハードカバー版に希少価値が生じるという皮肉な結果になっている。[要出典] また、文庫版は劇場公開に合わせ、実写とイラストの2種類の表紙が存在する。
[編集] あらすじ
ごく普通の女子高生・鹿島翔香は、ある日自分が昨日の記憶を喪失していることに気づく。そして、自分の日記を調べると、昨日の自分が書いたと思しき、見覚えのない文章があった。「あなたは、今、混乱している…若松くんに相談しなさい。最初は冷たい人だと思うかもしれないけど、彼は頼りになる人だから。」
学校でも秀才の噂高い若松和彦は、翔香が一種の時間移動現象「タイム・リープ」に陥ったことを突き止め、時間のパズルと格闘していく。
[編集] ラジオドラマ
1996年に文化放送の電撃大賞で放送された。ストーリーは映画版とは違い原作に沿った形で進められた。その後ポリグラムからドラマCDとして発売された。
[編集] キャスト
- 鹿島翔香 (声:久川綾)
- 若松和彦 (声:緒方恵美)
- 鹿島若子 (声:達依久子)
- 鹿島英介 (声:遠藤守哉)
- 水森優子 (声:永島由子)
- 関鷹志 (声:石川英郎)
- 若松美幸 (声:柳瀬なつみ)
- 中田 (声:幸野善之)
- 藤岡 (声:吉水孝宏)
- 西田 (声:住友優子)
- 海野 (声:中西美佐)
- 佐知子 (声:坂本円)
- 幹代 (声:小松里賀)
- 香坂 (声:井上隆之)
- ナレーション (声:速水奨)
[編集] 映画版
1997年に公開された映画版では、「池内翔香」(鹿島翔香)と「星野彰彦」(若松和彦)と登場人物名が変更されるなどの設定の変更が見られる。(主役2名の若松・鹿島という名字、若松の妹の名前が「みゆき」であることはあだち充作品の「みゆき」を連想させるものであり、そのために変更されたと推察する向きもある。) 翔香役の佐藤藍子は映画初主演であり、星野役の川岡大次郎はこの作品がデビュー作となる。なお、主題歌「タイム・リープ」を歌った声優の緒方恵美はラジオドラマ版の若松役を務めた。監修には大林宣彦があたった。
[編集] スタッフ
- 監修:大林宣彦
- 監督:今関あきよし
- 脚本:藤長野火子
- 音楽:千住明
- 出演:佐藤藍子・川岡大次郎・坂井真紀・田口トモロヲ他
- 主題歌:緒方恵美
- プロデューサー:本村好弘・小林俊一
- 製作:バンダイビジュアル、セガ・エンタープライゼス、パル企画
[編集] 作品リスト
- 『タイム・リープ あしたはきのう』(ハードカバー、ISBN 4-07-303060-4)
- 『タイム・リープ あしたはきのう<上>』(文庫、ISBN 4-07-305580-1)
- 『タイム・リープ あしたはきのう<下>』(文庫、ISBN 4-07-305596-8)
- 『タイム・リープ あしたはきのう』(ドラマCD)