ジャック・ライアン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
---|
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
ジャック・ライアン (Jack Ryan) はトム・クランシーの小説の主人公で、架空の人物である。行動力、決断力があり家族を愛する理想的な人物として描かれている。彼が主人公の小説シリーズや、映画化シリーズを「ジャック・ライアン・シリーズ」と呼ぶ。
目次 |
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] プロフィール
本名:ジョン・パトリック・ライアン
- アメリカ合衆国前大統領。
- ロシア名:イワン・エメトビッチ
日本との戦争では、賢い作戦で手堅く勝利するものの、副大統領になった直後国会議事堂が攻撃され大統領に昇格する。大統領になったライアンは、国の体勢を立て直しつつ、イランとの生物兵器を使った戦争に、妻でジョンズ・ホプキンス大学病院眼科医の医学博士キャシーと力をあわせて戦う。ロシアと中国との戦争ではロシアを支持し、NATOを参加させるという歴史的行動をとる。
また元CIA情報分析官であるが現場工作をすることもしばしば。世界各国で作戦に携わった。代表的なものは「レッドオクトーバー事件」と「コロンビア麻薬事件」。
海兵隊員時代にイギリスを訪れた際、英国皇太子を狙ったテロに偶然出くわして間一髪で救い、功労で大英帝国ビクトリア勲位二等勲爵士(ナイト)を授与された。よって旧大英帝国領では名前の前に『サー』がつく。英国王室とは非常に仲がいい。
大学院で博士号を取得しており、作品では「Dr.Ryan」と呼ばれる。
現在(最新刊・国際テロの時点)は引退し自伝を執筆中の模様。
[編集] 経歴
- 父エメット・ウィリアム・ライアン(Emmet William Ryan)は第2次世界大戦で第101空挺師団に所属、復員後は警官。母のキャサリン・バーク・ライアン(Catherine Burke Ryan)は看護婦だった。
- ボストンカレッジを経済学専攻と歴史学副専攻で卒業。
- 海兵隊将校。海軍兵学校首席。23歳の時、クレタ島でのヘリコプター事故で背骨を痛め退役。
- メリル・リンチ証券入社後、証券トレーダー。
- アナポリス海軍兵学校助教授
- CIAコンサルタント「カナリ・トラップ」を考案。
- 英国で皇族の暗殺事件を阻止
- CIA入局、英国SIS出向。教皇暗殺阻止。
- ソ連新型ミサイル原潜「レッドオクトーバー」入手で主要な役割
- CIA情報本部高級分析官
- KGB議長の亡命を成功させる
- CIA情報担当次官補佐官
- CIA情報担当次官代行
- CIA情報担当次官。
- イランとの核戦争を阻止。
- CIA辞任。
- シリコン・アルケミー社のIPOで成功し一財産。
- 大統領補佐官(国家安全保障担当)
- 日本の核ミサイルを無力化。グアムを取り戻す(対日本戦争)
- 副大統領。
- 副大統領就任式中に航空機テロによって大統領死亡。大統領に。
- 大統領
- イスラム連合共和国ダリアイ師の攻撃を防ぐ(対イラン戦争)
- ロシアと中国との紛争に介入(ロシア側同盟国として参戦。対中国戦争)
- CIA情報殊勲賞3回
- 妻はキャロライン・「キャシー」・ライアン、眼科医、バージニア大学准教授。レーザー医療の権威。後にジョンズ・ホプキンス大学準教授。実際にある米国最高の医学賞ラスカー賞を獲得
- 著書「闘う水兵 Fighting Sailor」ハルゼー提督の伝記。
*新潮文庫出版のジャック・ライアンシリーズのライアンは"CIA情報担当副長官"等と書かれているがCIAには副長官は居らず、次官だけが居る。
[編集] 登場作品
※各作品の内容は記事、または「トム・クランシー」を参照
- レッド・オクトーバーを追え(「レッド・オクトーバーを追え!」として映画化)
- 愛国者のゲーム(「パトリオット・ゲーム」として映画化)
- クレムリンの枢機卿
- いま、そこにある危機(「今そこにある危機」として映画化)
- 恐怖の総和(「トータル・フィアーズ」として映画化)
- 日米開戦
- 合衆国崩壊
- 大戦勃発
- 教皇暗殺
- レインボー・シックス(脇役として登場)
- 国際テロ
[編集] シリーズの主な登場人物
[編集] アメリカ
- “ジム”ジェームズ・グリーア提督 - 情報担当CIA次官だったが、コロンビア麻薬作戦のときに病死。ライアンの父的存在。退役海軍中将。
- “ボブ”ロバート・リッター - 工作担当CIA次官。
- ライアンが分析官としてCIA入りしたときから次官になった直後の時点までのCIA次官。
- ジェイムズ・カッター - 国家安全保障担当補佐官
- コロンビア麻薬作戦失敗で失脚。自殺。海軍中将。
- アーサー・ムーア判事 - CIA長官。(米国で判事は終身の肩書きとして扱われる)
- ライアンが分析官としてCIA入りしたときから次官になった直後の時点までのCIA長官
- ハンス・E・トフテ(実在人物)と共同で秘密工作(実在)経験。
- ジョン・クラーク(ジョン・テレンス・ケリー) - レインボー長官。
- 伝説的CIA秘密工作員。海軍特殊部隊員だったが作戦で負傷し退役。ダイバー教官や水中工作をしていたが、ある作戦でCIAにリクルートされ「クラーク」のコードネームを与えられる。通称"ミスター・C"とも。
- 多国籍対テロ組織「レインボー」を立案、長官(准将待遇)に就任する。
- “ディング”ドミンゴ・シャベス(サンチェス) - レインボー・セカンドチーム隊長。
- CIA工作要員でクラークの歳の離れた"相棒"。合衆国陸軍レンジャー・スクール終了後の第7歩兵師団第17歩兵連隊第3大隊"ニンジャ"所属時は2等軍曹、経歴の優秀さからクラークの目に留まる。クラーク同様にある作戦をきっかけにCIAへリクルートされる。CIA入局後にはジョージ・メイスン大学で国際関係論を専攻し修士号を取得。在局中はクラークの相棒として、多くの准軍事的工作活動に従事。レインボー設立後は、隊長(少佐待遇)に着任する。クラークの娘と結婚。
- “エド”エドワード・フォーリ - CIA長官。
- CIAモスクワ支局長のとき、ライアンと協力し、教皇暗殺防止に一役買った。ライアンが大統領就任後CIA長官に。ライアン政権下での長官就任以前は、妻であるメアリ・パット(工作担当次官)の工作担当次官補として働いていた。工作員としての能力はメアリ・パットのほうが上だが、猪突しがちな妻に比べバランス感覚に優れ調整力に長ける。長官職にあるとき、合衆国のインテリジェンス・コミュニティー全体を指揮する許可を与えられる。
- “パット”メアリー・フォーリ - CIA工作担当次官。
- CIAモスクワ支局員のときに夫エド・フォーリとともに実施した作戦が成功。教皇暗殺防止に一役買った。親しい者からは通称"MP"とも。現地工作指揮の能力に長け、「カウ・ガール(CowGirl)」ともあだ名される。エドとともに、クラークから現場工作の指導を受けていた。
- “ダン”ダニエル・E・マリー - FBI長官。
- FBIロンドン駐在官のときに、皇太子を救ったライアンと友達になる。航空機テロによってビル・ショーFBI長官が死亡した後、ライアンによってFBI長官に。
- ロバート・ジェファーソン・「ロビー」・ジャクソン海軍退役中将 - 中将で退役後副大統領。
- 空母艦載機パイロット、少佐。第6航空団司令、大佐。統合参謀本部作戦部長、中将を歴任。ライアン引退後、大統領選に出馬、選挙活動中にKKKに暗殺される。
- ライアンの親友、黒人。妻はワシントン交響楽団のシシー・ジャクソン。
- J・ロバート・ファウラー - 元大統領。
- デンヴァー核爆発事件に伴う、核ミサイル発射未遂事件の2日後に辞任する。夫人とは死別し、独身。
- エリザベス・エリオット - ファウラー大統領の国家安全保障担当補佐官、愛人。
- ベニントン大学教授。ライアンの敵。
- “チェット”チェスター・ノムラ - 日本企業(実在)の中国駐在販売主任。実は日系CIA秘密工作員。(英語版ではNomuri)。カリフォルニア出身。
- 対日、対中戦争で決定的情報を入手。
- マーク・ガント - ライアン政権でウィンストン財務長官の補佐官。
- コロンブスグループ(ウィンストンの会社)の最優秀トレーダーだった。ウィンストンと行動を共にする信頼できる最優秀の部下。
- ジョージ・ウィンストン - ライアン政権の財務長官。
- コロンブスグループ(投資会社)会長だった。マーク・ガントはそのころからの部下。
- スコット・アドラー - ライアン政権の国務長官。
- 国務省の官僚。もともと次官だったが、日航機の攻撃で長官が死亡したため昇格。
- “ジョシュ”ジョシュア・ペインター海軍大将 - 大西洋統合軍総司令官。
- ベトナムで400回以上出撃し、ミグ2機撃墜。空母ケネディ司令官、中将で航空作戦担当海軍作戦部長補などを歴任。
- 著書「水田攻撃(パディ・ストライクス)」。バーモント州出身。
- “アーニー”アーノルド・ヴァン・ダム - ファウラー大統領より3代にわたる大統領首席補佐官。後に有名大学総長。
- アラン・トレント下院議員 - 下院情報監視特別委員会委員長。
- ゲイ。ワシントンでの社交的集まりでライアンに公然と「ホモ」と呼ばれる。実はライアンの作戦であり、ライアンの政治的庇護者。
- トニー・ブリターノ - ライアン政権の国防長官。
- かつてTRW社(実在)(*1)社長だった。その経営手腕を買われて閣僚入りした。
- (*1)TRW社は2002年7月に米ノースロップ・グラマン社へ吸収合併
- アンドリア・プライス - 大統領警護隊隊長。
- ふつうのシークレット・サービス警護官だったが、日航機の攻撃によりライアンが大統領警護隊長に昇格させた。
- FBIのパトリック・オデイと結婚。妊娠中。
- ニコラス・エディントン陸軍大佐 - バージニア州兵指揮官。
- 本職はバージニア大学軍事歴史学教授。専門はネイサン・ベッドフォード・フォレスト将軍(南軍)。著書「敏捷な剣」
- マリオン・ディグス陸軍少将 -第10騎兵連隊《用意、前進》長、大佐。陸軍訓練センター長、准将。 第1機甲師団長、少将。
- ロジャー・ダーリング - 元合衆国大統領
- ファウラー政権の副大統領、同政権後に大統領。ジャック・ライアンを自らの副大統領に推した人物。テロにより死亡。
- “エド”エドワード・J・キールティ - 大統領。
- ダーリング政権下の副大統領。
- セクハラスキャンダルで副大統領辞任後、ライアンが副大統領になり恨む。ライアン任期満了後の大統領選において、ジャクソン暗殺後、大統領に。
- “バート”バートロメオ・ヴィト・マンキューソ - 海軍大将 太平洋統合軍総司令官。
- 少佐で攻撃型原子力潜水艦ダラス艦長(ロサンゼルス級原子力潜水艦:SSN-700)としてライアンと組み、レッドオクトーバー獲得作戦に参加。少将で太平洋海軍潜水艦隊司令官を歴任。
- イリノイ州シセロの床屋の息子、イタリア系。
- ロナルド・ジョーンズ - 上等兵曹 原潜ダラス
- 天才的ソナー員でダラス常務時、レッドオクトーバーを発見。カリフォルニア工科大学中退(退学処分)後、海軍に。海軍退役後カリフォルニア工科大学復学、博士号取得。海軍のコンサルタント。
- アラン・グレゴリー陸軍少佐 - ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校卒。国防省SDI局の最高の科学者。核ミサイルを迎撃する。
[編集] ロシア
- ミハイル・セミョーノビッチ・フィリトフ陸軍大佐 - カーディナル(枢機卿)という暗号名のCIAスパイ。ライアンがコロンビア作戦中死亡。
- 元戦車将校、ソ連邦英雄3回(存命中で唯1人)。ドミトリー・ウスチノフ国防相・政治局員の特別補佐官。
- マルコ・アレキサンドロビッチ・ラミウス海軍大佐 - ソ連ミサイル原子力潜水艦レッド・オクトーバー艦長。
- ソ連海軍最高の潜水艦乗り。アメリカに亡命後マーク・ラムジーを名乗る。
- ユーリ・V・アンドロポフ - ソ連共産党書記長。
- KGB議長、ハンガリー大使を歴任。実在人物・実名。
- ゲンナジー・イオーシフォビッチ・ボンダレンコ陸軍大将 - 極東軍管区司令官。中国のシベリア侵攻を阻止。
- 通信将校、大佐。陸軍参謀本部作戦本部長、中将、を歴任。
- セルゲイ・ニコーラエヴィッチ・ゴロフコ - ロシア対外情報局SVR長官。
- 元KGB局員。かつてライアンに銃を突きつけたこともあるが、今は良き同志。アメリカとロシアの情報交換の窓口となっている。
[編集] イギリス
- サー・バージル・チャールストン - イギリスSIS(MI6)長官。ライアンの友達。
- チャールズ英国皇太子 - ライアンが襲撃から救った。
[編集] 中国
- 張寒山(チャン・ハンシャン)大臣 - 中国無任所大臣(ただし最高幹部)。対米謀略の黒幕。
[編集] 映画
- 1990年「レッド・オクトーバーを追え!」…アレック・ボールドウィンがジャック・ライアンを演じた。
- 1992年「パトリオット・ゲーム」…ジャック・ライアン役はハリソン・フォードに交代。
- 1994年「今そこにある危機」…引き続きハリソン・フォードが演じる。
- 2002年「トータル・フィアーズ」…ジャック・ライアン役はベン・アフレックに。時系列はキャシーとの結婚前。
|
|
---|---|
レインボーシックス | ローグスピア - ロックダウン - 3 - レイブンシールド - アテナソード - ブラックアロー - ロックダウン - ベガス - ベガス 2 |
ゴーストリコン | 1 - デザートシージ - アイランドサンダー - ジャングルストーム - 2 - アドバンスウォーファイター - アドバンスウォーファイター2 |
スプリンターセル | パンドラトゥモロー - カオスセオリー - 二重スパイ |
その他 | トータル・フィアーズ - エンド ウォー - エアーコンバット |
書籍 | レッド・オクトーバーを追え! - 愛国者のゲーム - レインボーシックス - ネットフォース |
映画 | トータル・フィアーズ - パトリオット・ゲーム - 今そこにある危機 |
登場人物 | ジャック・ライアン - サム・フィッシャー |