ジェフ・フランシス
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ジェフ・フランシス Jeff Francis コロラド・ロッキーズ No.26 |
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ジェフ・フランシス |
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基本情報 | |
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国籍 | カナダ |
出身地 | ブリティッシュコロンビア州バンクーバー |
生年月日 | 1981年1月8日(27歳) |
身長 体重 |
6' 5" =約195.6cm 205 lb =約93kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 左投左打 |
守備位置 | 投手 |
プロ入り | 2002年 MLBドラフト1巡目(全体9位)でコロラド・ロッキーズから指名 |
初出場 | 2004年8月25日 ブレーブス戦 |
年俸 | 750,000ドル(2007年)[1] |
経歴 | |
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■Template ■ウィキプロジェクト 野球選手 |
ジェフ・フランシス(Jeff Francis, 1981年1月8日 - )は、カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー出身の野球選手。フルネームはジェフリー・ウィリアム・フランシス(Jeffrey William Francis )。投手、左投左打。MLBコロラド・ロッキーズに所属している。
ロッキーズのエース。ツーシームとフォーシームの2種類の速球を87 - 91mph(約140.0 - 146.4km/h)の球速で上下左右にコントロールし、大きく斜めに曲がるカーブやチェンジアップと組み合わせて、打者のバランスを崩す頭脳的なピッチングが持ち味[2]。
目次 |
[編集] 経歴
父親の影響を受け幼少時から物理学に興味を持っており、カナダの国技であるアイスホッケーよりも野球を好んだのも「野球は頭を使うスポーツ」だと考えているからだった[3]。地元のブリティッシュコロンビア大学でも物理学と天文学を専攻する一方、野球部でも活躍。2002年のドラフト1巡目(全体9位)指名でロッキーズに入団する[4]。
2004年、フランシスはマイナーリーグAA級タルサで球団史上初めて開幕から10連勝を記録し、AAA級コロラドスプリングス併せたトータルで16勝3敗・防御率2.21・196奪三振・29四球という成績を挙げ、勝利数と奪三振数は全マイナー選手の中で1位となった[5]。アテネ五輪カナダ代表のエースとして期待されていた[3]が、ロッキーズがフランシスをメジャーへ昇格させることになったため五輪出場は見送られた。
五輪の3位決定戦でカナダ代表が日本代表に敗れメダル獲得を逃した8月25日、フランシスはブレーブス戦でメジャーデビュー。5回で三振を8個奪うも6失点を喫し、敗戦投手になる。9月5日のパドレス戦で5.1回を無失点に抑え、メジャー初勝利。この年は全て先発で7試合に登板し3勝2敗・防御率5.15だった。マイナーリーグでの活躍は高く評価され、ベースボール・アメリカ誌とUSAトゥディ紙の両方から「マイナーリーグ年間最優秀選手賞」を受賞。2賞の同時受賞はアンドリュー・ジョーンズ(1995年・1996年)、リック・アンキール(1999年)、ジョシュ・ベケット(2001年)に次ぐ史上4人目・5度目だった[5][6]。
2005年には先発ローテーションに定着し、防御率5.68ながらリーグ最多の9イニング当たり6.37もの得点の援護があった[7]。そして14勝・128奪三振・14クオリティ・スタートはいずれもチームトップの数字を残した[7]。勝利数はメジャー新人選手中1位で、先発登板数・投球回数・奪三振数はナリーグ新人選手中1位で新人王投票で6位に入った[7]。
2006年は、MLBレギュラーシーズン前に開催されたワールド・ベースボール・クラシックにカナダ代表として出場したが、メキシコ戦でホルヘ・カントゥに本塁打を打たれるなど炎上し、カナダ代表は1次リーグ敗退した。レギュラーシーズンではツーシームと2年連続2桁勝利となる13勝を挙げ、防御率は4.16と前年より1.50以上改善させ、球団史上4位となった[8]。10月22日、4年総額1,325万ドル、5年目はオプションで700万ドルで契約延長した。
2007年にはリーグ4位・球団タイ記録となる17勝を記録[9]。6月14日から8月8日にかけて球団新記録となる8連勝をマークし[9]、ロッキーズは終盤の快進撃で12年ぶりのポストシーズン進出を果たした。そこでフランシスは「ポストシーズン史上初のカナダ人先発投手」「ワールドシリーズ史上初のカナダ人先発投手」など、カナダ人史上初の記録を次々と作った。しかしレッドソックスを相手に先発したワールドシリーズ初戦では、4回6失点と結果を残せず敗戦投手になり、チームはその後も1勝もできないまま4連敗で世界一を逃した。
[編集] 年度別投球成績
年度 | 球団 | 勝利 | 敗戦 | 試合 | 先発 | 完投 | 完封 | 完了 | セーブ | ホールド | 投球回 | 被安打 | 失点 | 自責点 | 被本塁打 | 四球 | 奪三振 | 死球 | 暴投 | 打者 | 防御率 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2004 | COL | 3 | 2 | 7 | 7 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 36.2 | 42 | 22 | 21 | 8 | 13 | 32 | 1 | 2 | 164 | 5.15 | 1.500 |
2005 | COL | 14 | 12 | 33 | 33 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 183.2 | 228 | 119 | 116 | 26 | 70 | 128 | 8 | 2 | 828 | 5.68 | 1.623 |
2006 | COL | 13 | 11 | 32 | 32 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 199.0 | 187 | 101 | 92 | 18 | 69 | 117 | 13 | 0 | 843 | 4.16 | 1.286 |
2007 | COL | 17 | 9 | 34 | 34 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 215.1 | 234 | 103 | 101 | 25 | 63 | 165 | 7 | 1 | 922 | 4.22 | 1.379 |
通算 | 4年 | 47 | 34 | 106 | 106 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 634.2 | 691 | 345 | 330 | 77 | 215 | 442 | 29 | 5 | 2757 | 4.68 | 1.428 |
※数字は2007年までのもの。
[編集] 脚注
- ^ "Colorado Rockies 2007 Salaries," ESPN.com. 2007年12月1日閲覧。
- ^ Lindy's, "Preview 2008: Colorado Rockies," FOX Sports on MSN, March 21, 2008. 2008年3月22日閲覧。
- ^ a b 福島良一 「FACE IN THE CROWD」 『週刊ベースボール』2005年1月3日号、ベースボール・マガジン社、2004年、雑誌20441-1/3、85頁。
- ^ この年のドラフトでは、オリオールズも1巡目全体4位でカナダ出身のアダム・ローウェンを指名している。上位指名10選手の中にカナダの選手が2人いるのは史上初だった。
- ^ a b "Jeff Francis 2004 Career Highlights (英語)" 2008年4月30日閲覧.
- ^ ベースボール・アメリカ・マイナーリーグ年間最優秀選手賞は1981年、USAトゥディ・マイナーリーグ年間最優秀選手賞は1988年に創設された
- ^ a b c "Jeff Francis 2005 Career Highlights (英語)" 2008年4月30日閲覧.
- ^ "Jeff Francis 2006 Career Highlights (英語)" 2008年4月30日閲覧.
- ^ a b "Jeff Francis 2007 Career Highlights (英語)" 2008年4月30日閲覧.
[編集] 外部リンク
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube
- A Magnus Force on the Mound - Major league pitcher Jeff Francis brings an educated insight to the physics of baseball.
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投手 | 41 アルベルト・アリアス / 44 マイカ・ボウィー / 35 テイラー・バックホルツ / 28 アーロン・クック / 60 マニー・コーパス / 29 ホルヘ・デラロサ / 26 ジェフ・フランシス / 40 ブライアン・フエンテス / 49 ジェイソン・グリーリ / 34 マット・ハージェス / 48 ジェイソン・ハーシュ / 38 ウバルド・ヒメネス / 56 フランクリン・モラレス / 52 フアン・モリーヨ / 45 ジョシュ・ニューマン / 55 マーク・レッドマン / 54 グレッグ・レイノルズ / 37 エスマイル・ロジャース / 32 グレンドン・ラッシュ / 23 ライアン・スパイアー / 68 ペドロ・ストロープ / 51 ルイス・ビスカイーノ / 16 キップ・ウェルズ |
捕手 | 15 エドウィン・ベイオリーン / 20 クリス・イアネッタ / 8 ヨービット・トレアルバ |
内野手 | 27 ギャレット・アトキンス / 12 クリント・バームス / 1 ダグ・バーニアー / 17 トッド・ヘルトン / 62 ジョナサン・エレーラ / 47 ジョー・コシャンスキー / 6 オマー・クィンタニーヤ / 24 イアン・スチュワート / 2 トロイ・トゥロウィツキー |
外野手 | 10 ジェフ・ベイカー / 11 ブラッド・ホープ / 5 マット・ホリデー / 22 スコット・ポドセドニク / 25 セス・スミス / 19 ライアン・スピルボーズ / 3 ウィリー・タベラス |
監督・コーチ | 13 クリント・ハードル(監督) / 00 ブラッド・アンドレス(体力コーチ) / 36 ボブ・アポダカ(投手コーチ) / 58 アラン・コックレル(打撃コーチ) / 7 マイク・ガレゴ(三塁コーチ) / 30 グレナレン・ヒル(一塁コーチ) / 53 リック・マシューズ(ブルペンコーチ) / 9 ジェイミー・カーク(ベンチコーチ) / 59 マーク・ストリットマター(ブルペン捕手) |
公式サイト(英語)より 40人ロースター 監督・コーチ一覧 2008年6月18日更新 |