サムライガン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウィキポータル |
漫画作品 |
日本の漫画作品 |
漫画家 |
日本の漫画家 |
漫画原作者 |
漫画雑誌 |
カテゴリ |
漫画作品 |
漫画 - 漫画家 |
プロジェクト |
漫画作品 - 漫画家 |
『サムライガン』は、1996年から2002年にかけて集英社の漫画雑誌「週刊ヤングジャンプ」に連載された熊谷カズヒロの時代劇風漫画作品。または作品中に登場する戦士の名前。
2004年10月4日から12月20日にかけてテレビ朝日とその系列局の一部でテレビアニメも放送された。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] あらすじ
幕末を迎えようとする1800年代の日本のような世界。この荒んだ時勢に暗躍する謎の集団があった。連発銃などの武器を装備し、鉄仮面の如き武装のもと、常人とはかけ離れた行動をとるその集団はサムライガン。彼らは、「光の下 影のもと その悪を討て」という使命を受け、善と悪との戦いを繰り広げていく。
[編集] 主な登場人物
()内はアニメの声優。ただし牧史郎衛門と花田正蔵はサウンドトラック兼ドラマCD「サムライガン SOUND ACTION FILE」のみの出演。
[編集] サムライガン
弱者を虐げる悪党どもを人知れず抹殺する、最先端の銃で武装した仮面の戦士。「評議会」の命を受けて行動するが、サムライガンたち自身にもこの組織の全貌は知らされていない。市松を含めた初期養成型サムライガンは「○号丸」と番号で呼ばれ「一号丸~十一号丸」が存在する(ただし厳密には四号丸は欠番扱い)。初期養成型は何らかの理由で幼い頃に評議会に連れてこられ、徹底的に戦闘技術を叩き込まれている。東洋式鍼灸術を始めとした処理が施されているためか、これら初期型はいずれも隻眼である。初期養成型は性本能を強制的に戦闘本能へつなげているため、男性型サムライガンは性的に不能。その分、戦闘時の反応や思考能力は常人を遥かに超える物となる。また恋愛感情等(おそらくは性欲も?)は存在する模様。初期養成型でも女性型サムライガンは男性型とは違い、生殖能力は働く。また、一部の初期養成型サムライガンが持つ「肉親の死亡の記憶」は、何らかの操作により作られた可能性がある。初期養成法には様々な問題があったらしく、以後の養成には西洋技術を折衷した「量産型」が使用されているが、戦闘力は著しく劣る。
- 一号丸 - 浙江(せっこう)
- 褐色の肌、縮れ毛が特徴のサムライガン。描写が少なく、性格などはあまり分かっていない。初登場時既に対評議会チームに属していた。
- 二号丸 - 強太(ごうた) (声優:子安武人)
- 初期養成型サムライガンの一人で最強(凶)のサムライガン。悪人(女子供は除く)を殺す事が堪らなく好きだと語る。それ故の凶暴さを警戒され、任務中に仲間に(粛清として)殺されそうになり、評議会の存在に疑問を持ち反旗を翻す。そのメンバーを募るため初期型の一人である市松に会いに行くが・・・。
- 妹を虐待の末死亡させた母親と愛人を殺害した過去を持つ。
- 三号丸 - 牧史郎衛門(まき しろうえもん) (声優:平田広明)
- 普段の温厚な表情・性格とは裏腹に、時々鬼神のような形相になる。隻眼ではあるが他の者とは異なり、刀傷が走っている。茜、正蔵とチームを組んでいが、楓と組んでいた時期があり、「つがいの狼」と呼ばれていた。後に友の死などをうけ、初期型サムライガンを敵視するようになりつつあった評議会を抜ける。常に佐吉への償いを模索している。一番思いやりのあるサムライガンでもあり、結果それが仇となってしまった。
- 元は一揆で役人に斬り殺された農民の子。半野生児化していたが勝海舟の身代わりとしてスカウトされる。
- 四号丸(欠番) - 牧佐吉(まき さきち)
- 三号丸-牧の弟。サムライガンへの養成過程で神経を痛めてしまったため欠番となったが、卓越した頭脳の持ち主。後に反評議会チームにおいて暗号解読等で活躍する。
- 五号丸 - 露台(ろだい)
- 評議会の対初期型サムライガン対策として、特殊な音響で人を操る装置「イントナルモーリ」で洗脳され、「対サムライガン用サムライガン」となっていた。洗脳を受けていた時は無表情・無感情だったが、元来は気が弱く大人しい性格だったようだ。後に親友を殺してしまい、正気に戻り自害。
- 六号丸 - 捨吉(すてきち) (声優:高橋広樹)
- 初期養成型サムライガンの一人。右目に眼帯を着用。市松曰く、リーダーには一番向いているらしい。サムライガンとしての活動を休止していた時期は見世物小屋のピアニストをしていたようだ。戦いに疲れ評議会でも橙を失い、全てに対してやる気を失ってしまった。後に評議会を抜け薩摩へと身を寄せる。
- 七号丸 - 市松(いちまつ) (声優:森久保祥太郎)
- 初期養成型サムライガンの一人。白髪なのはハーフであるため。ぶっきらぼうだが根は優しい。正義のためとはいえサムライガンとして人を殺める事に内心苦悩し、その行為を自分が楽しんでいるのでは、と疑っている。任務以外の時は居酒屋で歌い手を務めている(原作では紅が弦を引きつつ歌を歌い、市松は料理を運んだりするだけ)。お花に惹かれつつも、自身の立場を考え表立ってそれを見せることはない。
- 目の前で姉を陵辱・惨殺されたという過去を持つが・・・。
- 九号丸 - 巽(たつみ)
- 非常にマイペースなサムライガンで、自分が助かれば周りはどうでもいいと思っている。イントナルモーリの洗脳途中に脱走したため、イントナルモーリの音に影響されやすくなっている。共に脱走した研究者の自己犠牲で助けられたことで、評議会に積極的に立ち向かう感情が芽生えた。
- 十一号丸 - 楓(かえで)
- 昔の牧の相棒の女性型サムライガン。勝ち気で姉御肌。マキと別れた後も牧の事を思っていた模様。幕府を倒す事が出来るなら手段は選ばないと豪語している。後に半ば巻き込まれる形で反評議会チームに入る事になる。
- 家族を「切り捨て御免」で失った過去を持つ。
- 十四号丸
- 牧の回想に登場。市松に惚れていた女性型サムライガン。隻眼など、初期養成法を受けていたような印象あり。現在は不明。
- 十九号丸
- 牧の回想に登場。楓に性的悪戯をしようとして牧に再起不能にされる。
- 五十九号丸
- 捨吉と行動を共にしていた量産型サムライガン。実はロシアの諜報部から送られてきた二重スパイ。後に捨吉によって殺された。
- 定吉
- 番号不明の量産型サムライガン。幕府に毒物試験場にされたという村に共に忍び込むが、その偽情報を餌に待ち伏せしていたアルキメデス達の攻撃で死亡。
- 力丸
- 番号不明の量産型サムライガン。幕府に毒物試験場にされたという村に共に忍び込むが、アルキメデスの重機関砲による攻撃で恐慌状態に陥りながら死亡。
[編集] 評議会
- 松崎春海(まつざき しゅんかい) (声優:中井和哉)
- 市松に評議会からの指令を伝える。彼自身もサムライガンである。任務に関しては冷酷となるが、市松の苦悩や人々の悲しみも十二分に理解している。後に反評議会メンバーの中心となる。
- 代門(だいもん) (声優:小西克幸)
- 市松の親友。表の顔は寺子屋の先生。艶本収集と釣りが趣味。後に市松と決別する事になる。
- 紅(くれない) (声優:氷上恭子)
- サムライガンとしては希少な女性メンバーの一人。任務以外の時は市松と同じ居酒屋で弦の弾き語りを務めている。
- 蜜(みつ) (声優:中原麻衣)
- 技術部に所属する女性メンバー。親の敵討ちの際に窮地に陥るが、強太によって助けられ評議会入りする。
- 花田正蔵(はなだ しょうぞう) (声優:山口勝平)
- 牧の相棒であり悪友。出世欲がある。牧を利用しての出世に葛藤を抱いて牧に相談したが、盗み聞きをされ「粛清」される。
- 茜(あかね) (声優:清水香里)
- 牧の相棒。牧にほのかな想いを寄せている。生田の鳥に何回も遭遇する。滅多に戦わないが、銃を持って実戦に出ることも。
- 橙(あかり)
- 捨吉と行動を共にする。実は五十九号丸と一緒で二重スパイ。常に人をだます人生に嫌気がさしており死ぬ願望が強かった。五十九号丸に不要人材の廃棄処分として撃たれ、最後は思いを寄せていた捨吉に見取られて死亡。
[編集] 幕府
幕府はその威信に関わる問題としてサムライガンの排除をもくろみ、特殊部隊を置いて対抗する。しかし、幕府内部の人間たちにも様々な思惑が存在し、一枚岩という訳ではないようだ。
- 話頭光宗(わとうみつむね) (声優:杉田智和)
- 対サムライガン特別捜査部隊、通称「対サ特捜」の一人。不敵な性格。敵の弾道を読み取るという能力の持ち主で、市松とも互角に戦う凄腕の男。左目の下にマーキング(入れ墨、ペイント、シール等のいずれかなのかは不明)をしているのが特徴。
- 勝海舟(かつかいしゅう) (声優:てらそままさき)
- 江戸城の深奥でバベッジ型と思わしき蒸気コンピュータ「大蒸気機関」の運用を統括する幕府の巨魁。一方の雄、西郷隆盛と異なり、その実像はかなり具体的に描かれている。ただし、史実において関係の深い坂本龍馬との接点は全くといってよいほど空白となっている。
- 虎山正英(こざん まさひで) (声優:江川央生)
- 話頭の上司。
- 烈界(れっかい) (声優:金尾哲夫)
- 幕府と深く関係している謎の男。市松の過去に関する重大な秘密を握っており、原作の最終回で全てが明かされることになる。本名はヴィクター・ライノ。
[編集] その他
- お花(おはな) (声優:茅原実里)
- 遊女だったが、後に市松と同じ居酒屋で働くようになる。市松に想いを寄せるが、彼が危険な裏の仕事に就いていることに薄々感づいており恋心を心中に押し込めている。
- 西郷隆盛
- 薩摩藩(本作においていわゆる薩長土肥の中でほぼ唯一最大の存在感を示している。)を代表する人物で後に西南戦争を起こす。捨吉が最後に辿り着いた先で、後にとある計画を起こす事となる。
- 坂本龍馬 (声優:佐々木望)
- 原作では名乗ることが無いが、独白や土佐弁、そして「『近江』に落ち着くまで全力で走らなければならない」予言などでその人と分かる幕末最大の志士の一人。昨今の「操られていた龍馬」説に近い人物設定だが、任務中にサムライガンたちと邂逅し、相通ずる個性・技量を見せる好漢。史実上縁の深い勝海舟との関係は不明。アニメにおいて自ら名乗り、当人であることが確定した。なおアニメのクレジットは司馬遼太郎が採用して以来多用される「坂本『竜馬』」である。
[編集] テレビアニメ
[編集] スタッフ
- 原作:熊谷カズヒロ
- 監督:菊池一仁
- シリーズ構成:園田英樹
- キャラクターデザイン:大貫健一
- 音楽:多田彰文
- アニメーション制作:エッグ
- 製作:エイベックス
[編集] 主題歌
[編集] サブタイトル
- 侍銃を持つ男
- 実験鉄道
- 眠れる花
- 稲妻
- 天敵
- 血と歌
- 代門戦線
- 野望の谷
- 水際を走る
- 人形の家
- 血と慰み
- 実体
[編集] 放送局
[編集] 続編
サムライガンより数十年先の舞台を描いたサムライガン月光がある。また、サムライガンとサムライガン月光を繋ぐ「ロッテルダムバーニン」(市松のその後)のプロローグこそは存在するが未だ連載には至っていない。