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グレート・ウェスタン鉄道3700型蒸気機関車 - Wikipedia

グレート・ウェスタン鉄道3700型蒸気機関車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

動態保存中の3440号機「シティ・オブ・トルーロー」
動態保存中の3440号機「シティ・オブ・トルーロー」

グレート・ウェスタン鉄道3700型蒸気機関車(3700 Class)はイギリスのグレート・ウェスタン鉄道(Great Western Railway:GWR)が製造した旅客用テンダー式蒸気機関車の1形式である。各車の固有名から、シティ型(City Class)とも呼ばれる。軸配置はアメリカン(4-4-0あるいは2B)。

目次

[編集] 概要

1902年にGWRの技師長(Chief Mechanic Engineer:CME)であったジョージ・チャーチウォード(George Jackson Churchward:在任期間:1902年~1922年)の手によって設計された。

基本となったのは、ブルドッグ型(3300 Class)の急行列車牽引用派生形式として、チャーチウォードの前任者であったウィリアム・ディーン(William Dean:在任期間:1877年~1902年)によって1900年に設計された、アタバラ型(4120 Class)であり、これにチャーチウォード自らが設計した新型のNo.4形(Type No.4)ボイラーを搭載して高速性能の向上を実現したモデルである。

アタバラ型からの改造と新造で各10両、計20両が揃えられた。

[編集] 設計

搭載ボイラーの形式からも明らかなように、既に次代の主力となる強力なテンホイラー機であるセイント型(Saint Class:Nos.2900-2955・2971-2990・2998)の開発が進行する中で設計された。

これは、本形式が後述するロンドン・アンド・サウス・ウェスタン鉄道(London and South Western Railway:LSWR)との熾烈な速度競争に対処するため、次世代機関車完成までの中継ぎとして当座必要な性能の機関車を得る目的で計画された[1]ためと見られている。

それゆえ足回りはアタバラ型の設計をそのまま継承しており、2基のシリンダとスティーブンソン式弁装置を車輪間に搭載、板台枠構造の2軸先台車[2]、アウトサイドフレーム構成でサイドロッドとカウンターウェイトだけが外に露呈する主台枠など、超広軌時代にダニエル・グーチ(Daniel Gooch)が設計したシングルドライバー[3]の面影を残す、明らかに古い基本設計が継承された。これに対し、ボイラーについては前述の通り、本形式のためにチャーチウォードがNo.4形ボイラーと称する新型高性能ボイラーを設計した。これは、異径缶胴をつなぎ合わせて円錐形のケーシングで覆い、ベルペア式の狭火室を備えるなど、チャーチウォードの代表作となったセイント型に搭載されたNo.1形ボイラーの影響が色濃く出ており、当時最新のデザインにまとめられた高性能ボイラーである。

建前として、カタログ上の牽引力はアタバラ型と同一として取り扱われていたが、新設計のNo.4形ボイラーはアタバラ型のNo.2形ボイラー(長煙管仕様へ改装後)と比較してボイラー長や煙管長、それに火床面積などが増えており、これによりボイラーの熱効率が向上し、蒸気発生量が増大したことで連続高速運転時の走行性能も向上[4]している。

[編集] 製造

アタバラ型の改造で1902年9月に1両(No.3405)が試作され、1903年に10両(Nos.3433-3442)をGWRスウィンドン工場で新造、更に1905年から1907年にかけて9両(Nos.3400-3404・3406-3409)についてアタバラ型からの改造が実施された。

なお、車番は1912年にNos.3700-3719に整理改番されている。

[編集] 運用

本形式は大西洋航路に連絡する郵便列車の牽引など、GWRを代表する高速列車の牽引に充当された。

中でも、No.3440シティ・オブ・トルーロー(City of Truro)は1904年5月9日にプリマスパディントン"オーシャン・メールズ" スペシャル("Ocean Mails" special)と呼ばれる大西洋航路連絡速達郵便列車の運行中にホワイトボールの下り勾配区間で当時としては未曾有の、時速102.3マイル(164.6km/h)という速度記録を達成[5]し、公認されうる状況下での世界初の時速100マイル突破機関車となった。

当時GWRは同様にプリマス-ロンドン間を結ぶLSWRとの間で競合状態にあり、大西洋航路との連絡列車についてはGWRが郵便、LSWRが旅客という棲み分けが一応なされていた。もっとも、そのような紳士協定がいつまでも守られ続けようはずが無く、その速度競争は次第にその熾烈さを増してゆくばかりであった。

そもそも、このオーシャン・メールズ" スペシャルという列車自体が、LSWRの旅客列車に先に到着されてGWRが老舗の面子を潰された形になったことへの対策として計画されたものであり、軌道と車両の徹底した整備、最優先での信号取り扱いの実施、客車5両で荷重150tと非常に軽負荷の編成、それに特別に選抜された乗員、と人事を尽くして運行が実施されたものであった。

この列車の運行に当たっては、目標とされた3時間54分運転を実現するためにありとあらゆる手段が講じられた。建設費削減のために海岸線に沿って丘陵地帯に敷設され、最大27‰の勾配と急曲線が連続する見通しの悪い線形でGWRでも有数の難所であった、プリマスからエクセター(Exeter)までの約80kmを、各所に設定された速度制限をほぼ無視して全力で走破し、続くホワイトボールの峠越え区間では線形の良さを利して下り勾配でブレーキを極力かけない、という安全性を無視した危険な方針の下に全速力での走行が実施された[6]のである。

この危険な速度競争はシティ・オブ・トルーローの速度記録後もエスカレートを続けた。

結果、遂には1906年7月1日深夜、LSWRの急行旅客列車が通過駅であったソールズベリー(Salisbury)の急カーブ区間で減速せず、大幅な速度超過による脱線が発生、停車中の貨物列車に衝突し、双方の車両が大破して乗務員4名を含む死者28名を出す大惨事を引き起こしてしまった。

この事故の発生以降、両社は社会的な批判もあって共に時刻表の厳守を徹底するようになり、華やかな、けれども非常に危険な速度競争は幕を閉じることとなった。

一方、大記録を達成した本形式の栄光の日々も長くは続かなかった。

チャーチウォードが完全新規設計で開発しグーチ時代の旧弊と完全に決別した、より強力かつより高速なテンホイラー機であるセイント型やスター型(Star Class)、それにキャッスル型(Castle Class)などの近代的な設計を備える大型テンホイラーの増備が進むと、高速ではあるが牽引力で見劣りする本形式は鋼製客車の増加もあって次第に2線級扱いとなったためである。本形式は1911年にはボイラー煙管内に過熱管を装備して飽和式から過熱式に改造され、大きな性能向上が実現したが、この改装はテンホイラー各機種にも順次実施されており、各形式間の相対的な性能差を埋めるには至らなかった。

しかも、軽量高速列車用に特化して設計された本形式は他用途への転用が難しく、原型となったブルドッグ型はデューク型(Duke Class)と部品を組み合わせてアール型(Earl Class)として再生が図られ1960年代まで延命されたが、本形式は結局キング型(King Class)と置き換わる形で1927年から1931年にかけて全車廃車となっている。廃車後の処分は原則解体で、そのほとんどが生まれ故郷に当たるスウィンドン工場で解体されている。

[編集] 諸元

  • 全長 mm
  • 全高 mm
  • 軸配置 2B(アメリカン)
  • 動輪直径 2,044.7mm
  • 弁装置:内側スティーブンソン式弁装置
  • シリンダー(直径×行程) 457.2mm×660mm
  • ボイラー圧力 14.0kg/cm² (= 200lbs/in2 = 1.38MPa))
  • 火格子面積 m²
  • 機関車重量 t
  • 最大軸重 t
  • 炭水車重量 t

[編集] 保存車

1931年の廃車時に、速度記録を達成した記念すべきNo.3717 シティ・オブ・トルーロー(City of Truro)[7]も危うくスクラップとなるところであった。だが、幸いなことに当時のCMEであったチャールズ・コレット(Charles Benjamin Collett:在任期間:1922年~1941年)には歴史的な車両の保存に対する理解があり、同車は彼の判断で救われることとなった。

以後は偉大なるレコードホルダーとして、同じく大記録を打ち立てたLNERのクラスA4 マラードなどと共に大切に保存されてきた。同車は長く静態保存とされてきたが、1984年の大修理で動態に復帰し、現在はヨーク国立鉄道博物館に保存されている。

[編集] 登場作品

イギリスの鉄道を舞台とした『汽車のえほん』シリーズの「ダックとディーゼル機関車」に、シティ・オブ・トルーローが1コマ登場している。これは同作に登場するダックがグレート・ウェスタン鉄道から来た(モデルは5700型)という設定で、同じ鉄道の有名機関車である同機が出てきたもの。ただし、このカットは炭水車側から見た姿となっており、同シリーズの特徴でもある「顔」は実車に配慮してか描かれていない。

[編集] 脚注

  1. ^ セイント型の量産第1号機は1905年に竣工しており、工場の生産ライン変更に必要となる時間を含めて考慮すると、本形式の計画段階では即座に投入できるものではなかった。このため、より強力な高速旅客列車用機関車のすみやかな投入を求める運行現場の声に応えるには、実績あるアタバラ型をベースに改良する他に選択肢はなかった。
  2. ^ 内側シリンダー方式を採用したため、これとの物理的な干渉が最も少ない、車輪の外側に側枠を置く板台枠構造が必然的に採用された。
  3. ^ 動輪を1組だけとした機関車の総称。蒸気機関車の黎明期には動輪の大直径化で高速走行性能の向上を図ったものが多数設計されたが、やがて列車単位の増大と気筒部や弁装置の設計製作技術の進歩により、そこまで動輪を大直径化せずとも高速運転が可能となったことで衰退した。
  4. ^ 前述の通り足回りにはほとんど改修の手が入っておらず、このことからアタバラ型はその足回りの性能に対してボイラーの蒸気発生量が充分でなかったことが窺える。
  5. ^ これは公式な記録確認のために招かれ、乗車していた専門家によるストップウォッチ計測で記録達成が確認された。
  6. ^ シティ・オブ・トルーローの大記録も、そうした状況下で達成された。但し、現在の研究結果では、実際には100マイルを超えていなかった可能性が高いと考えられている。
  7. ^ 1912年に改番。記録達成時の車番はNo.3440。


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