キリンホールディングス
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種類 | 株式会社 | |||||||||||||
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市場情報 |
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略称 | キリンHD | |||||||||||||
本社所在地 | 104-8288 東京都中央区新川二丁目10番1号 |
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設立 | (創業は1870年:「スプリング・バレー・ブルワリー社」) | |||||||||||||
業種 | 食料品 | |||||||||||||
事業内容 | ビール等酒類・飲料品・医薬品等の製造・販売の各事業会社を統括する持株会社 | |||||||||||||
代表者 | 代表取締役社長 加藤壹康 | |||||||||||||
資本金 | 1,020億4,579万3,357円 (2007年12月31日) |
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売上高 | 連結1兆8,011億64百万円 (2007年12月期) |
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従業員数 | 単体251人(2007年7月) | |||||||||||||
決算期 | 毎年12月31日 | |||||||||||||
主要子会社 | 麒麟麦酒 キリンビバレッジ キリンディスティラリー 永昌源 キリン ヤクルト ネクストステージ メルシャン |
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関係する人物 | ウィリアム・コープランド T・グラバー J・ドッズ 岩崎弥之助 渋沢栄一 |
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外部リンク | http://www.kirinholdings.co.jp | |||||||||||||
特記事項:2007年7月1日付で純粋持株会社に移行し、現社名に商号変更 | ||||||||||||||
キリンホールディングス株式会社は、麒麟麦酒(キリンビール)を中核とする、キリングループの持株会社(ホールディングカンパニー)である。三菱グループの一員である。
目次 |
[編集] 概要
1870年ノルウェー系米国人ウィリアム・コープランド(William Copeland)が横浜居留地・山手123番(現在の横浜市中区・北方小学校付近)に設立した、日本で初めて大衆向けにビールを醸造・販売した企業「スプリング・バレー・ブルワリー(コープランドビール)」を起源としている。そのため、日本のビール産業の草分け的存在として認知されている。
その後、日本初のビアガーデンの開業、経営破綻(工場の一時閉鎖)、トーマス・ブレーク・グラバーや岩崎弥之助らによる企業再建(「ジャパン・ブルワリー(二代目)」を設立)などの変遷を経て、1907年に三菱財閥傘下の日本国籍会社「麒麟麦酒」として新発足し、第2次世界大戦後は、国内ビールのシェアの首位を獲得。アサヒビールのスーパードライの台頭までは、継続的に首位を守った。現在は、アサヒビールに首位を譲っているが、創業以来の独特の苦みとコクをウリにしたビールの固定ファンの存在と、新商品の投入合戦で、熾烈なシェア争奪戦を繰り広げている。ただし、最近ビールや低アルコール飲料の新商品を大量投入しており、ビール系飲料の種類とビール系飲料以外も含めた酒類の販売高は業界一となっている。
近年は、酒類事業とバイオ事業を基軸にした総合企業を標榜し、永昌源との業務・資本提携、武田薬品から調味料事業を買収する(現キリンフードテック)などの多角化を行い、2007年7月1日、それまでの事業持株会社から、純粋持株会社へ移行し、キリンホールディングスと社名変更した。
それと前後して、会社分割を行い、事業子会社として、国内酒類事業会社の麒麟麦酒(旧・キリンホールディングス)、医薬品事業会社のキリンファーマ、経理・人事など間接業務を取りまとめる会社のキリンビジネスエキスパートなどを設立。また、2006年10月1日に飲料事業を担当するキリンビバレッジを完全子会社化し、同年12月にメルシャンを友好的な株式公開買い付け(TOB)によって子会社化し、2007年4月1日からは、メルシャンとの営業の共同展開を開始。また、RTD(低アルコール飲料)・焼酎などの研究開発機能をキリン醸造研究所に集約。2007年7月1日からは、RTD、焼酎、梅酒、洋酒(一部商品を除く)、合成清酒の販売を麒麟麦酒へ移管し、逆に麒麟麦酒のワイン販売事業をメルシャンへ移管。物流部門ではメルシャンから移管を受けたRTDは麒麟麦酒の物流網(キリン物流)に統合し、ワイン、梅酒、洋酒、中国酒、合成清酒はメルシャン物流網に統合した。なお、メルシャンからキリンへ移管された商品のブランド名は、順次メルシャンからキリンへ変更されている。
なお、2007年6月30日までの「キリンホールディングス株式会社」は、持株会社の準備会社(企画部門)として設立された会社であり、2007年7月1日に麒麟麦酒株式会社(旧)が担っている国内での酒類の製造・販売事業を引き受け、事業会社として「麒麟麦酒株式会社(新)」と社名変更している。逆に、麒麟麦酒株式会社は「キリンホールディングス株式会社(新)」と社名変更し、純粋持株会社へ移行している。
[編集] 歴史
※2007年7月1日以前の麒麟麦酒グループの歴史は麒麟麦酒にて説明している。また、2007年7月1日以降の各事業子会社の詳細は、各事業会社の項目にて説明している。
- 2007年7月1日 麒麟麦酒株式会社をキリンホールディングスに商号変更し、純粋持ち株会社に移行。
- 持ち株会社の準備会社として運営されていた旧・キリンホールディングスを事業子会社の麒麟麦酒株式会社(新)に商号変更。国内酒類事業(ビール系飲料、RTD)を同社に移管し、さらに、子会社のメルシャンからは、RTD、焼酎、梅酒、洋酒(一部商品を除く)、合成清酒の販売が麒麟麦酒株式会社(新)に移管され、逆に麒麟麦酒株式会社(旧)のワイン販売事業をメルシャンへ移管した。
- 2007年10月22日 協和醗酵工業の友好的買収を公表。TOBと傘下の医薬品事業子会社キリンファーマとの統合により、協和醗酵工業を子会社化する。
- 2007年12月28日 豪州最大手の乳製品・果汁飲料会社ナショナルフーズ社を、現地法人を介して買収・完全子会社化。
- 2008年4月1日 協和醗酵工業が株式交換によりキリンファーマを完全子会社化、協和醗酵工業を連結子会社とする。
[編集] 企業活動
サッカー日本代表及びバスケットボール男子日本代表の公式スポンサーであり、日本オリンピック委員会のオフィシャルパートナーである。
[編集] 主要事業子会社
[編集] 機能分担会社
- キリンビジネスエキスパート(グループ共通の経理・人事など間接業務を取りまとめる会社)
- キリンビジネスシステム(グループの情報通信技術担当会社)
- キリンリアルエステート(グループの資産管理会社)
- キリンマーチャンダイジング(旧・キリンコミュニケーションステージ:グループ商品のマーチャンダイジング活動、および飲食店における品質推進業務)
[編集] 事業子会社
国内酒類事業
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- キリンディスティラリー(ウイスキー・焼酎・ワインの醸造)
- 永昌源(中国酒の醸造)
- ハイネケン・ジャパン(ビールの輸入・販売)
- ビアスタイル・トゥ・ワン(オリジナルビールの製造販売)
- メルシャン(ワイン事業を担当)
清涼飲料事業
- Coca-Cola Bottling Company of Northern New England, Inc.
- 上海錦江麒麟飲料食品有限公司
医薬事業
- 上記2社は2008年10月に合併し(協和醗酵工業が存続会社)、協和発酵キリンとなる予定。
- KIRIN-AMGEN, INC.
- GEMINI SCIENCE, INC.
- 第一・キリン薬品(韓国)
健康・機能性食品事業
- キリン ヤクルト ネクストステージ(ヤクルト本社との合弁)
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- キリンウェルフーズ(アガリクスの事故製品対応・残務処理専門会社)
調味料事業
- キリンフードテック(「いの一番」などの調味料を手がける)
アグリバイオ事業
- キリンアグリバイオ(花卉事業を手がける。カーネーションは世界トップシェア)
- ジャパンポテト
国際酒類事業
- ライオンネイサン(オーストラリア)
- サン・ミゲル(フィリピン)
- 麒麟(中国)投資有限公司
- Four Roses Distillery LLC
- Raymond Vineyard & Cellar, Inc.
- Kirin Europe GmbH
一般食品事業
サービス・その他事業
- キリンエンジニアリング(酒類・飲料・食品・医薬分野でのプラントエンジニアリング事業)
- キリンテクノシステム(空ビンの検査機から医薬・自動車などの業界の生産効率化に寄与するシステムの開発・製造・販売)
- キリン物流(グループおよび一般向けの物流会社)
- キリンアンドコミュニケーションズ(工場・テーマパーク施設の運営)
- キリンシティ(ビアパブチェーン運営)
- 横浜アリーナ(コンサートホール)
- 横浜赤レンガ(商業施設運営)