エクセル・サーガ
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エクセル・サーガ | |
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ジャンル | ギャグ漫画 |
漫画 | |
作者 | 六道神士 |
出版社 | 少年画報社 |
掲載誌 | ヤングキングアワーズ |
発表期間 | 1996年 - 連載中 |
巻数 | 既刊20冊 |
テレビアニメ: へっぽこ実験アニメーション エクセル♥サーガ |
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監督 | ワタナベシンイチ |
シリーズ構成 | 地獄組 |
脚本 | 倉田英之 / 黒田洋介 |
キャラクターデザイン | 石野聡 |
アニメーション制作 | J.C.STAFF |
製作 | ビクターエンタテインメント |
放送局 | テレビ東京 |
放送期間 | 1999年10月7日 - 2000年3月30日 |
話数 | 全26話(TV未放送1話) |
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『エクセル・サーガ』(EXCEL SAGA)は、六道神士によるギャグ漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。「ヤングキングアワーズ」(少年画報社)において、1996年から連載されている。単行本は、2008年5月時点では20巻(2008年6月2日発売)が最新刊となっている。1999年にはテレビ東京でテレビアニメ化された。
目次 |
[編集] 概要
腐った世界を是正すべく世界征服を目論む理想推進機関『アクロス』に所属するズッコケ少女エクセルを主人公として、愚民と地球に配慮した無理なき征服の第一歩「市街征服」を目指してF県F市で任務に勤しむ彼女の日々を軸に、アクロスの対抗勢力である市街安全保障局との微妙に激闘にならない対決の模様を描く、楽屋オチなど何でも有りのパロディーがちりばめられたギャグ漫画である。
治安機関と秘密結社の対立と言う使い古された構図でありつつも、両勢力の活動は一国の一地方都市に限定されており、スケール狭小且つローカル色濃厚。こうした大枠自体が、既存の勧善懲悪物のパロディだと受け取れる。
なお多くの登場人物は福岡市内に実在する地名や商業ビルが名前の元ネタとなっている。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] 主な登場人物
漫画版のみ、アニメ版のみの登場人物も含む。
[編集] アクロス関係者
- エクセル
- (声:三石琴乃)
- 秘密結社アクロスの構成員で、本編の主人公。コードカラーは黒と緑
- イルパラッツォに絶対の忠誠を誓い、日々征服活動に意欲を燃やす。
- 真面目ではあるが、単純で猪突猛進型の性格でもあるため、空回りして色々とトラブルを起こすことが多い。
- 日々の生活費と活動経費とを稼ぐため、バイト三昧の日々(経歴は3桁に及ぶ)を送ってきており、驚異的な身体能力とどんな仕事もこなす手際の良さを持つ。
- 長らくの貧乏生活のためか、質実剛健を重んじ、無駄な浪費を許さない倹約家根性が染み付いている。
- その性格のためか本来の見目の麗しさは活かされていない。
- 先端恐怖症であり(何らかの過去のトラウマに起因していると思われる)、尖った物を見ると冷や汗をかいて忌避する。
- また、温泉が苦手という描写が数度にわたってなされている。物語全体の設定に関係してくるかどうかはまだ不明瞭である。
- イルパラッツォへの心酔度は3人中随一である。エクセルは作中で何度か、自身の過去か前世を匂わせる不思議な夢を見ているが、その中にはほぼ必ずイルパラッツォが登場する。
- 「エクセル小林」「ドスコイ花子」などの偽名を持つが、普段は「エッちゃん」で通している。
- 失敗するたびにイルパラッツォに落とし穴(よく嫌なものが入っている)に落とされ、そのシーンは本作の名物の一つとなっている。
- 元々は『市立戦隊ダイテンジン』の一キャラである。連載誌が成人向け雑誌であったため、そこでは色々な意味でヒドい目に遭っていた。
- 偽エクセル(六本松一式)の方が優秀である。
- 現在は記憶を無くし、四王子研究所で遠縁の“四王子照葉”として生活している。
- ハイアット
- (声:南央美)
- イルパラッツォが出した新聞広告に応じて参入したアクロスの構成員。エクセルの後輩に当たる。
- 初登場時は腹黒い言動が目立ったが、現在は、ぼんやりと儚げでありながらもたまに黒い発言をするキャラとして定着している。コードカラーは赤と黒。
- 極度の虚弱体質であり、常人なら普通にこなす程度の日常行為ですぐ倒れ、完全な死亡状態になる。そのさい大量吐血・心停止・チアノーゼ・半乾燥状態の脱水症状などを起こし、見ている方が心臓に悪い有様を呈して周囲をパニックに陥れるが、当人はやがて平然と蘇生する。
- またガス爆発などの外的障害にも耐えられる様子。健康体であれば100M11秒台らしい
- 常備薬を山ほど持ち歩いているが、他人が服用すると幻覚を見たり、場合によっては死の危険に晒されたりする代物である。ちなみに酒を飲むと少しも酔わずに体調が良くなる。
- また、彼女の吐血した血液などにはなにか得体の知れない毒性があるらしくエクセルがバイオハザードマークを記して処分していたりしていた。
- なお、彼女の虚弱体質・再生能力には不自然な点が多い。作中のイルパラッツォの言動を見る限り、物語全体の謎にも関連しているようである。
- 何でもできるエクセルのことを尊敬している。作中での描写はないが、当人は射撃が得意らしく、本編中では「ゴルゴ13なみ」と言われている。
- 同じアパートの住人の渡辺通に惚れられているが、ハイアット自身は隣人以上の感情は抱いておらず、なかなか彼の名前を覚えない。
- エクセルからは「ハッちゃん」と呼ばれることが多い。日常生活を営む際の偽名は「綾杉千早(あやすぎ ちはや)」。
- 作者の六道神士は自身の同人誌で、作品中では一番の美人キャラとして設定したと述べている。
- エルガーラ
- ハイアットの後、だいぶ遅れて参入してきたアクロスの戦闘員。紫色で縦ロールの髪型が特徴。別任務を受けて単独で行動することもある。コードカラーは黄色。
- 社交的で愛嬌のある性格だが、価値観はドライであり、仲が良いはずのメンチを非常食として使うことにも抵抗がない。
- 思考内容を気づかないうちに声に出してしまう癖を持つ。エクセルに負けず劣らず器用であり、バイト先のホテルやマグロ漁船で重宝されていた。
- 服・装飾品・ぬいぐるみなどを好み、体型を気にするなど、一般的な女性らしい趣味をしているが、そのぶん浪費家でありエクセルによく怒られている。
- エクセル同様イルパラッツォに心酔しており、若干エクセルに対して対抗意識を持っている。
- 特技は剣技で、殊に居合いを好む。本人曰く、濡れ藁五本くらいなら一刀両断らしい。作中では「封印してた奥義」を使用して熊を斬殺していた。
- エクセルからは「エル」と呼ばれることが多いが、The・かぼちゃワインみたいなので嫌がっている。日常生活を営む際の偽名は宗像香住(むなかた かすみ)。
- 作者の六道神士は自身の同人誌で、エルガーラの登場によってこれまで築いてきたエクセル&ハイアットの掛け合いが崩れてしまい、構成を組みなおすのに苦労したと述べている。結局「3人の中におけるエルガーラの発言力を激減させる(奴隷以下)」という力技で事なきを得たという。
- エルガーラがレギュラー化したのは単行本8巻 MISSION2 からだが、確かに8巻中は立ち位置が今ひとつ定まらず、9巻全編を通して徐々にエクセルにコキつかわれるようになっていき、10巻ラストの「大金紛失事件」で3人組の中での彼女の発言力は地に堕ちたという流れがあることが分かる。
- イルパラッツォ
- (声:子安武人)
- 秘密結社アクロスの総帥。「この世界は腐っている」と宣言し、市街征服を目論む。
- 聡明さと冷酷さを併せ持つ支配者だが、計画の目的や内容がいまだ不明瞭である。出自の知れぬ超ハイテク技術を持っているなど、とにかく謎が多い。
- まれに言動の食い違いが見られる。どうやら2つの人格を宿している模様で、肝心の征服計画について、一方は行動的な性質を持ち、もう一方は受動的である。エクセル達はまだそのことに気付いていない。
- 遅れて参入してきたエルガーラは、主に行動的な方のイルパラッツォが従わせている。受動的なイルパラッツォは彼女の存在を知らない、あるいは目の前に居ても存在を気に留めていないふしがある。相互の人格間において記憶が共有されていない様子である。
- 部下が失敗すると、粛清と称して落とし穴に落とす。
- 作者の六道神士は自身の同人誌で、マントを身に付けている時の彼が、基本的に受動的な方であると述べている。
- メンチ
- (声:こおろぎさとみ)
- エクセルらに非常食として飼われている動物。いつ食われるかと戦々恐々の日々を送っている。性別はメス。
- 作中では犬として扱われており、外見もただの白い犬そのものだが、作中のTVニュースではメンチと同じ外見の生物が「非常な希少動物」であると報道されていた。密輸されて高値で取引されており、非常に高い知能を持っているらしいが、エクセル達はその事実を知らない。
- エクセルたちが日々の食事に困るたび、身の危険を覚えてストレスを溜めている。何度も脱走を試みるがそのたびに必ず連れ戻され、捕獲された際には自暴自棄になって、食ってくれといわんばかりの態度を取る。
- 事故で記憶障害を起こして知能が後退していた時期など、普通の仔犬として無邪気に振舞っていたこともある。
[編集] 市街安全保障局(市立戦隊ダイテンジン)関係者
- 渡辺通(わたなべ とおる)
- (声:置鮎龍太郎)
- 市街安全保障局に勤める若者その1。基本的に真面目で小心者だが、激しい妄想にとらわれる機会も多い。
- 岩田とはケンカ友達。綾杉(ハイアットの偽名)に惚れているが、押しが足りず相手にされていない。
- 作中では数少ない常識人にして小市民ぶりだが、大抵は周囲に良いように弄りまわされ、しばしば暴走している。
- アクシデントによって記憶喪失となった綾杉千早と、一時同棲しておりプロポーズまで行った。なおその際にキスまでは到達している。
- しかし、その後イルパラッツォに彼女を奪取され人格崩壊し、その際に博士に洗脳されたらしく、現在は鬼畜系ギャルゲーを愛好する歪んだキャラと化した。
- 住吉とは保安局が出来る前からの付き合いらしい。
- 岩田紀國(いわた のりくに)
- (声:森久保祥太郎)
- 市街安全保障局に勤める若者その2。癌で死亡した後は「三越」としてサイボーグとなり復活。基本的にバカで能天気な性格。
- 雰囲気を無視して直情的に露骨な行動を取るなど、他人の配慮を台無しにする人で、ほぼ日常的に暴走状態である。
- 六本松二式を「ロボ子」と呼んで毛嫌いするが、コア部分が同じ六本松一式は丁重に扱う「偏ったフェミニスト」。
- 美咲とは大学時代同じゼミに所属し、惚れて猛アタックをかけ続けるものの冷徹にあしらわれている。
- 実家は医学系大組織だが、どうやら幼少の頃に奇行が過ぎたためか疎外されている。
- 住吉大丸(すみよし だいまる)
- 市街安全保障局に勤める若者その3。パソコンと美少女ゲームに造詣が深い。
- 吹き出しのない字幕調の独特な喋り方をし、アニメ版でもそれは引き継がれた。四王子と同志として仲が良い。また美咲とは対戦格闘ゲーム友達である。
- 仲の良い両親と歳の離れた妹を持つ(全員口調は同じ)
- 常識的なものの考え方で非常識な周囲を突き放して居るが、余り我を主張しないため、なし崩し的に巻き込まれている。
- 放って置いても自分の道を進んでいるマイペースタイプ。
- 松屋美咲(まつや みさき
- (声:今井由香)
- 市街安全保障局に勤める紅一点。クールな性格で、そのため周囲から距離を置かれることも多い。格闘ゲームに造詣が深い。
- 岩田とは大学時代同じゼミに所属し、素直になれず複雑な感情を抱いている。
- 両親と弟がいる。
- 卓越した行動力を持っており、目を離した隙に与えられた仕事をソツなくこなし、ついでに自分の用事も済ませている。
- その他驚異的な洞察力をもっていたり、何故か戦闘慣れしていたり(ヨーロッパを放浪した時期がある)する。
- ただ、真顔でとんでも無い事を口走るなど、微妙に台無しっぽい行動をごく稀にやる。
- 岩田・渡辺・住吉・松屋の4人とエクセル&ハイアット&エルガーラは同じアパートに住んでいるが、
- 元々蒲腐博士を監視するため一箇所に集まっていた4人にエクセルが紛れ込んだためである。
- アパートが火事で全焼した後も、全員同じマンションに移って暮らしている。
- 作者の六道神士は自身の同人誌で、松屋美咲の両親は不仲であり、そのため彼女には恋愛不信の気があると述べており、直情的な本来の性質を抑えて冷徹に振舞うのはそのためだと説明している。
- 蒲腐博士(かばぷはかせ)
- (声:大友龍三郎)
- 独特の髪型とヒゲをもつ、自称超古代文明の生き残り。政財界に大きな影響力をもっており、オーバーテクノロジーにも通じている。
- 局員に博士と呼ばせたり、自己紹介や秘書の様式美にこだわるなど、独特の感性で動いている。
- 夜は眠らない・数十年程度では容姿が変わらないなどの謎の一面をもっている。イルパラッツォとは古い友であるが、今は敵対している。
- 彼が創設した市街安全保障局は、実は隠れ蓑にすぎない。その実態は、蒲腐博士がアクロスの市街征服に対抗するために事情を隠して若者を集めて結成させた、自称「正義の戦隊」である。
- 長らくまともな活動を行わず、局員には書類の清書や検算など、やりがいのない仕事ばかりあてがっていた。その後、ようやく正義の味方としての活動の場を得ても、自滅的な展開により撤退ばかりしていた。
- 加えて、蒲腐博士提供の安全装置など微塵も考慮されていない危険な武器のお陰で、市民からは悪の権化扱いされている。また蒲腐博士のエキセントリックな行動は、しばしば同組織を混乱させ、周囲に大迷惑を誘発させている。
- 百道秘書(ももちひしょ)
- (声:中西裕美子)
- 蒲腐の秘書を務める。下の名前は不明。
- 普段はあまり目立たず秘書の仕事をこなすが、美咲達には隠れた有能ぶりから一目置かれている。
- 壊滅危機にあった市街安全保障局をほぼ一人で立て直すなど色々と謎の多い女性。
- 四王寺五条(しおうじ ごじょう)
- (声:井上和彦)
- 六本松の生みの親である天才科学者。蒲腐博士との個人的な関係で六本松開発などの仕事を請け負っている。
- 父の天満宮は五条を凌ぐ天才科学者だったが、現在は行方不明である。夫の失踪後、性格が下劣になった母親に過剰な愛情を押し付けられて育ち、反動でロリコンとなった。
- 従姉妹の連歌屋宇美(れんがや うみ)を助手としている。初めて出会ったとき、彼女に何事か感銘を受けた様子であったが、時が経つにつれ彼女も成長し、苦手とする母に嫌なところが似てしまったため敬遠している。
- 研究所近くの公園で、女児達が遊んでいる姿を眺めるのが趣味で、気に入った少女たちの映像記録を膨大にファイリングしている。
- 六本松一式・二式(ろっぽんまついちしき・にしき)
- (声:雪乃五月)
- 市街安全保障局に配備されたアンドロイド。開発者は四王寺五条。コアは一つだが、搭載される機体によって一式と二式に分かれる。
- 一式は、成人女性の姿で、オールインワンタイプの万能型(蒲腐博士の要求)だが、そのため機体重量は数百キロにおよび、情操面も人間味に欠ける。
- 二式は、五条の趣味性が如実に反映された幼女タイプ。機能を絞って軽量化されており、性格も表情豊かで明るい(でも腹黒い)。
- 目的によって機体を入れ替えて運用がなされる…筈だが、しばしば逆の状態で無理やり運用されるため、しょっちゅう壊れている。
- 壊れても大して周囲からは心配されておらず、修理を押し付けられる五条の悩みの種となっている。
- 一式はイルパラッツォに連れ去られている。
[編集] その他
- 岩田積文(いわた せきふみ)
- (声:鈴木琢磨)
- 医療の大手岩田グループの三世で、岩田のいとこ。親の七光りでやりたい放題している。
- また、岩田にカッターナイフで顔に、デ○ジ・エンドを決められた過去があるため、復讐の機会を狙っている。
- 岩田の癌に際しほぼでたらめなカルテを書くなど、医師としては不謹慎極まりないが、腕は悪い訳ではないようだ。
- 看護婦さん
- (声:水谷優子)
- 本名は福家四季(ふくや しき)。先代の遺言で積文のお目付け役をしており、積文が暴挙に走るたびにゴルフクラブでぶん殴って止めている。
- オーナー
- (声:長嶝高士)
- スキンヘッドに強面の元傭兵だが、穏やかな人物。時折傭兵時代を思い出して遠い目をする。本名はイカミ。
- ホテル経営を目指していて、度々エクセル達の雇い主となるが、エクセル達や自身の無茶によって悉く壊滅させられている。
- 支配人
- オーナーのもとで働く、たくましくてサバサバした女性。単独でもいたるところで商売に精を出している。
- 「銀河鉄道999」のメーテル若しくはエメラルダスにそっくり。
- 連歌屋宇美(れんがや うみ)
- 五条のいとこで、高校に通いながら五条の助手をしている。五条に淡い恋心を抱く、優しく健気な少女。かなりの巨乳。
- オタクな一面もあり、趣味はコスプレと同人活動で、メイド喫茶でアルバイトをしていた過去を持つ。
- よく転んでお茶をこぼしたり物を壊したりする。
- 四王寺美和(しおうじ みわ)
- 五条の母親。旧姓は連歌屋で、宇美の叔母である。父親は生体工学の権威で、彼女も同じ分野を専攻している。
- 当初は清楚な女性だったが、夫が失踪した直後に性格が激変。
- 大胆で自由奔放になり、だれかれかまわず抱きついたり、豊満な乳房を押し付けたりして五条に嫌がられている。
- また物語の重要な秘密を知っているようで、いろいろと謎が多い。
[編集] アニメオリジナルキャラクター
- ナベシン
- (声:ワタナベシンイチ)
- 本名ワタナベシンイチ。アニメ版の監督であるワタナベシンイチをモデルとしており、本人が声を当てている。監督なのにやたら目立ち、何の脈絡も無く各場面に出没。ハードボイルドな活躍を見せ付ける。
- 六道神士(りくどう こうし)
- (声:高木渉)
- 原作者。アニメ版のオープニング前に現れ、毎回へっぽこな「実験」を許可する。本編第1話でいきなり抹殺されそうになったりと受難が多い。
- 大宇宙の大いなる意思(だいうちゅうのおおいなるいし)
- (声:水谷優子)
- アニメ版オリジナルの、名前の通りの存在。都合の悪い事態が起こると、時間を巻き戻し全てを無かったことにする。他の登場人物とは次元を異にする超越的存在の筈が、第2話の時点でペドロと肉体関係を結んでしまい、あっと言う間に俗物化・擬人化が進行。果ては交際相手の存在が発覚したり、自分は一人の女であると主張したり、ペドロの妻と同化したり、子供を出産したりと、当初の存在意義が薄らいでいく。原作にも一瞬コマの片隅に登場している。
- ペドロ
- (声:長嶝高士)
- アニメ版に登場する外国人。当初はエクセルのバイト先の工事現場で働く外国人労働者だったが、事故死した後は大宇宙の大いなる意志に寵愛され次元を彷徨う。故郷には妻と息子がいる。単なる脇役のハズが、ナベシン同様シリーズ化して毎回のように登場することになった。漫画でも、遠洋漁業船が嵐に遭うコマで名前が叫ばれており、その不幸ぶりは健在らしい。
- プチュウ
- 地球侵略を企む異星人の一派。二頭身。普段は愛らしい姿だが、身体に衝撃を受けるとゴルゴ系劇画調の憤怒の形相に変ずる。但し上流階級者の場合は、衝撃を受けずとも、ただ発言をするだけで表情が変化。巨大な某エイリアンな奇形生命体の産卵により大量発生する場面が確認されている。
- エクセルガールズ
[編集] 名称の元ネタ
六道作品には、地元福岡のネタが満載である。特にこの『エクセル・サーガ』は、作品の舞台はもちろん、ほとんど全ての登場人物名が実在の地名や建物名を元ネタにしている(市立戦隊『ダイテンジン』はタイトル自体「天神」地区が元ネタである)。グループによって、どの分野の名称を元ネタとするかには、一定のルールがあるようだ。
[編集] 「理想推進機関アクロス」関連の固有名詞
- アクロス - 福岡市内の文化施設「アクロス福岡」
- アクロス配下の企業ILLのビルは、アクロス福岡と外観が酷似している。
- イルパラッツォ - ジャスマックグループの「ホテル イル パラッツォ」
- エクセル - 東急グループの「博多エクセルホテル東急」
- 「エクセル(EXCEL)」は「優れた」の意。
- ハイアット - ハイアットグループの「ハイアット・レジテンシャルスイート・福岡」
- 偽名の「綾杉千早」は、福岡の銘酒「綾杉」と「福岡市 東区 千早」。ちなみにアクロス福岡の向かい側に建つオフィスビルは「綾杉ビル」といい、屋上に「綾杉駐車場」という大きな看板も掲げられている。
- エルガーラ - 天神のイベントホール「エルガーラホール」
- 偽名の「宗像香住」は、「福岡県 宗像市」と「福岡市 東区 香住ヶ丘」
- アクロス構成員中エルガーラのみがイベントホールの名称のコードネームなのは伏線らしい。エクセルおよびハイアットが「ぬるいイルパラッツォ」の元に集ったのに対して、エルガーラだけが「厳しいイルパラッツォ」の部下であることを示すと考えられる(ただし、本人たちはイルパラッツォの多重人格に気付いていない)。
[編集] 「市街環境安全保障局」関連の固有名詞
- 蒲腐博士 - 「第18回ユニバーシアード1995福岡」のマスコットキャラクター「カパプー」より。百道浜に人形が展示されていた。
- コミックスにアレンジした形のカバプーがさりげなく登場している。コミック5巻EXTRA MISSION「春の番組」でカバプー大王が脱出するシーンで使っていたものである。
- 百道秘書 - 福岡市内の地名「早良区 百道」より。
- また、百道浜という地名もあり「ハイアット・レジテンシャル・スィート・福岡」や福岡タワーが建っている。
- 百道浜で開催されたアジア太平洋博覧会の通称は「よかトピア」。コミックス5巻のEXTRAMISSION「春の番組」で、百道は蒲腐博士に「ヨカトピア」と呼ばれていた。
- 渡辺通 - 天神の主要幹線道路「渡辺通り(福岡県道602号後野福岡線)」
- 岩田紀國 - 福岡市内のデパート「岩田屋」、紀國は書籍チェーン「紀伊國屋書店」より。
- 住吉大丸 - 福岡市内の地名「博多区 住吉」と大丸百貨店の「博多大丸」より。
- ちなみにその東館に「エルガーラホール」があり、福岡市役所を挟んだ位置に「アクロス福岡」がある。
- 松屋美咲 - 福岡中央郵便局の隣に建つ天神のファッションビル「マツヤレディス」(現在は「ミーナ天神」)と福岡県下の地名「筑紫野市 美咲」
- 四王寺五条 - 福岡県下の地名「糟屋郡 宇美町 四王寺」と「太宰府市 五条」
- 四王寺天満宮 - 福岡県内の神社「太宰府天満宮」
- 四王寺美和 - 福岡市内の地名「東区 美和台」
- 四王寺照葉(エクセル) - 博多湾内の人工島・福岡アイランドシティにある分譲住宅地「照葉(てりは)のまち」より。
- 六本松 - 福岡市内の地名「中央区 六本松」
- 連歌屋宇美 - 福岡県下の地名「太宰府市 連歌屋」と「糟屋郡 宇美町」
- 住吉かなる - 福岡市内の地名「博多区 住吉」と博多区にあるショッピングモール「キャナルシティ博多」
- 古代都市ソラリア - 福岡市内のホテル「ソラリア西鉄ホテル」
- 岩田日和子 - ひよ子本舗吉野堂より。全国展開するお菓子屋。福岡銘菓および東京銘菓として有名なお菓子の製造元。本社は福岡市南区向野1丁目16-13。
- 千代 - 福岡市内の地名「博多区 千代」より。福岡では古くからある地名である。5巻MISSION1「白いアルバム」の一番最後に名前だけチラッと出てきたキャラクター。美咲の友人であるという以外はすべて不明。
- 山崎 - 蒲腐博士と次期市長の椅子を争った候補者。連載当時の福岡市長・山崎広太郎(1998年12月7日~2006年12月)から。
- なお、山崎は2006年11月19日投開票実施の選挙で、吉田宏に2万票余りの差で敗れた。
[編集] 漫画
1996年より、『ヤングキングアワーズ』にて連載中。単行本は2007年9月現在、18巻まで発売されている。以下続刊予定。
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[編集] アニメ
ワタナベシンイチが監督となり、1999年10月7日から2000年3月30日まで木曜25:15 - 25:45で全25話が、テレビ東京でテレビアニメとして放映された。なおVHS版およびDVD版にはテレビ放映されなかった第26話が収録されている。正式名称は『へっぽこ実験アニメーション エクセル♥サーガ』。正式名称の「へっぽこ実験アニメーション」という副題が示すとおり、毎回「実験」と称し特定のテーマに沿ったへっぽこな物語が製作された(アニメや文化現象の広い流れの中で見ると、ポストモダン的作品として位置づけられる)。毎回冒頭で原作者名義で「実験」を許可する旨の宣誓が行われる。
アニメ版は極端なパロディーに特化した内容で、さらに作者の六道神士や監督のワタナベシンイチ(作中ではナベシン)が事あるごとに作中に登場するなど破天荒なギャグアニメとなっている。DVD版では未放映の第26話として「やりすぎ」が追加されている。
余談だが、第04話のサブタイトルとアニメ『ラブひな』の第14話のサブタイトルが同じである。(ちなみにラブひなのその回の脚本は黒田洋介なので意図的な物と思われる。)
[編集] スタッフ
- 監督:ワタナベシンイチ
- シリーズ構成:地獄組
- 脚本:倉田英之、黒田洋介
- キャラクターデザイン:石野聡
- 美術監督:東潤一
- 撮影監督:中条豊光
- 色彩設定:丸山美江子
- 編集:西山茂(タバック)
- 音楽:増田俊郎
- 音楽制作:ビクターエンタテインメント
- 音楽ディレクター:野崎圭一
- 音響監督:田中英行
- 音響製作:オーディオ・タナカ
- 音響効果:庄司雅弘(フィズサウンド)
- 録音:小原吉男
- 録音スタジオ:タバック
- キャスティング協力:高橋正彦 (CPU)
- 協力:筆谷芳行(少年画報社)
- 番組担当:斉藤郁(テレビ東京)
- 番宣担当:伊藤淳也(テレビ東京)
- 制作担当:加藤淳
- プロデューサー:北山茂(ビクターエンタテインメント)、阿部倫久 (J.C.STAFF) 、松倉友二 (J.C.STAFF)
- アニメーション制作:J.C.STAFF
- 製作:ビクターエンタテインメント
[編集] 主題歌
- オープニング「愛(忠誠心)」
- 作詞:ワタナベシンイチ/作曲・編曲:増田俊郎/歌:エクセル♥ガールズ
- エンディング「メンチ・哀愁のボレロ~食すのね」
- 作詞:ワタナベシンイチ/作曲・編曲:増田俊郎/歌:エクセル♥ガールズ
[編集] 放送リスト
- 第01話 10月07日 六道神士殺害計画
- 第02話 10月14日 火星から来た女
- 第03話 10月21日 地獄の毒々大脱走のいけにえ
- 第04話 10月28日 ラブへな
- 第05話 11月04日 おもしろい巨塔
- 第06話 11月11日 寒が冬いぜ!! ~遭難編~
- 第07話 11月18日 地下道のメロディ
- 第08話 11月25日 視聴率強化週間
- 第09話 12月02日 ボウリング娘。
- 第10話 12月09日 メンチの大冒険
- 第11話 12月16日 ひっこめ! 青春!
- 第12話 12月23日 大市街partII
- 第13話 01月06日 新春年忘れかくし芸大会
- 第14話 01月13日 テコイレ
- 第15話 01月20日 もっと! てこいれメモリアル
- 第16話 01月27日 AIをとりもどせ!
- 第17話 02月03日 アニメーションUSA
- 第18話 02月10日 市立戦隊ダイテンジン
- 第19話 02月17日 メンチの大冒険2~80時間世界一周~
- 第20話 02月24日 よりぬきペドロさん
- 第21話 03月02日 美濡歩(ビジュアル)K
- 第22話 03月09日 侵略、おふくろ様
- 第23話 03月16日 世紀末征服者伝説
- 第24話 03月23日 きみのためなら死ねる
- 最終話 03月30日 やりにげ
- 第26話 VHS・DVD やりすぎ
テレビ東京 木曜25:15~25:45枠 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
エクセル・サーガ
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SPORTS BEAT→アルジェントソーマ
|
[編集] 関連作品
- 市立戦隊ダイテンジン:本作のたたき台となった成人向け作品。詳細はリンク先参照。
- ぷにぷに☆ぽえみぃ:本作のアニメ第17話から突如企画化されたOVA作品。監督はワタナベシンイチ、脚本は黒田洋介。魔法少女ものであるが突拍子もないギャグ作品になっている。