イヴ・ナット
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イヴ・ナット(Yves Nat, *1890年12月29日 ベジエ - †1956年8月31日 パリ)はフランスのピアニスト。あまり知られていないが、ピアノ曲や室内楽、オラトリオの作曲家でもある。
[編集] 略歴
パリ音楽院に学び、1907年に首席を獲得してピアニストのルイ・ディエメによる上級ゼミに進級。当初は室内楽に熱中し、ヴァイオリニストのジャック・ティボーやジョルジュ・エネスコらと各地で演奏旅行を行い、ウジェーヌ・イザイとも頻繁に演奏旅行に乗り出した。
ナットは、シューベルトやヴェーバー、シューマン、ブラームスといった、とりわけドイツ・ロマン派音楽を得意とした。1937年以降は作曲活動と母校パリ音楽院での教育活動に邁進している。1950年代の半ばに、ベートーヴェンのピアノ・ソナタの全曲録音を実現させた。
一度大病を患って演奏活動から退いていたが、カムバックして演奏活動に復帰し、さらなる大成が見込まれた後に病没した。
[編集] スタイル
非常に精緻なアゴーギク、計算されたルバート、タッチの節制など多くのフランス人の演奏スタイルとはかけ離れている。アルフレッド・コルトーのように長い指を生かした芳醇な音色で攻めるのとは、正反対のアプローチのシューマンが聴き物である。残されたLPから指捌きに難のあることが確認できるが、ナットの指は短く本人も特別な運指で対応していたためやむを得なかったことを語っている。(cf.ラルース事典)残された録音は残念ながら保存状態が良好ではなく、彼がどのような音色を描いていたかについてはあまりよくわかっていない。
[編集] エピソード
高弟であった井口基成に、「ぜひ私のピアノ協奏曲を日本初演していただくように」と念を押された。しかし、井口は趣味が合わないせいか、なぜか演奏することはなかった。