インターナショナル (社会主義)
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インターナショナル(英:International(e)、International(e) Workingmen's Association、仏:Internationale、Association Internationale des travailleurs)は、プロレタリア国際主義に基づく労働者・労働運動・社会主義運動の国際諸組織の通称。インターともいい、次のものがある。
[編集] 古典的インターナショナル
- 第一インターナショナル(国際労働者協会) - (1864年 - 1876年):ロンドンで社会主義者・社会民主主義者・無政府主義者が協同して結成。カール・マルクスは結成後、しばらくして参加したのであり、結成メンバーではない。
- 第二インターナショナル - (1889年 - 第一次大戦):社会主義者・社会民主主義者が協同してパリで結成。
- 第二半インターナショナル(国際社会主義党行動同盟・ウィーン・インターナショナル・ウィーン連合) - (1921年-1923年)第二インターナショナルと合流した。
- 第三インターナショナル(共産主義インターナショナル・国際共産党・コミンテルン、Comintern) - (1919年 - 1943年):レーニンらがモスクワで結成。スターリン台頭・大粛清以後、次第にソ連共産党の下部組織化が進む。
- 第四インターナショナル - 1938年にレフ・トロツキーが結成。スターリン治世以降、旧ソ連を中心に共産圏諸国の大部分で支持されていた一国社会主義を否定する国際社会主義・世界革命を支持し、信奉する。
[編集] 新たなインターナショナル
- 黒色インターナショナル - 第一インターナショナルで事務局のマルクスから謀略的に除名されたが、現実では多数派だったバクーニン派を中心に、その後継者のアナキストにより第二インターナショナルとは別のインターナショナルとして形成された。
- アムステルダム・インターナショナル(国際労働組合連盟)
- 赤色労働組合インターナショナル(プロフィンテルン、Profintern) - 1921年 - 1938年。
- 社会主義インターナショナル - 1951年に第二インターナショナルを継承して結成。社会民主主義の国際組織。
現在では社会主義インターナショナルが社会主義の主流とされ、世界の130の政党を組織し、欧州連合15か国中13か国(1998年現在)の政権与党であった。日本からはかつては日本社会党・民社党、現在は社会民主党が参加。
[編集] 参考文献
- 西川正雄『社会主義インターナショナルの群像 1914-1923』、岩波書店、2007年1月。ISBN 978-4-00-023429-0