アルボムッレ・スマナサーラ
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アルボムッレ・スマナサーラ(Ven.Alubomulle Sumanasara nayaka Thera 1945年-)は、現代日本で活動しているスリランカの上座部仏教(テーラワーダ仏教)の僧侶であり、スリランカ上座仏教シャム派の日本大サンガ主任長老である。日本において上座部仏教の教義、およびヴィパッサナー瞑想を普及させる上で、中心的な役割を果たしている。
目次 |
[編集] 略歴
1945年、スリランカに生まれる。13歳で沙弥出家、1965年に具足戒を受けて比丘となる。
スリランカの国立ケラニア大学で仏教哲学の教鞭を執ったのち、1980年に国費留学生として来日。大阪外語大学語学コースを経て駒澤大学大学院人文科学研究科仏教学専攻博士後期課程に進学し、道元の思想を研究する。
その後、スリランカと日本両国での活動を経て、1991年1月に再来日。上座仏教修道会にて仏教講演や瞑想指導を本格的に開始する。
1994年11月、日本テーラワーダ協会(のちの日本テーラワーダ仏教協会 初代会長、鈴木一生)を設立する。
2001年5月、東京都渋谷区幡ヶ谷にゴータミー精舎幡ヶ谷テーラワーダ仏教センターを開基する。
2005年8月、スリランカ上座仏教シャム派総本山アスギリヤ大寺にて日本大サンガ主任長老(Japan Mahasanghanayaka Thera)に任命される。
2006年4月、アスギリヤ大寺管長らを招聘し、国内三ヶ所に上座部仏教の戒壇を設立する。
[編集] 思想・活動
- 長く大乗相応の地とされてきた日本では、明治時代にスリランカ留学僧の釈興然(グナラタナ)によって上座部仏教の移植が試みられたことがあったが、社会的にはそれほど認知されてきたわけではない。戦後は在日タイ人、スリランカ人、ミャンマー(ビルマ)人などの求めで来日した各国僧侶による活動はあったが、一般の日本人への上座部仏教の普及は、スマナサーラ長老の力によるところが大きい。
- 大乗仏教優位論が顕著な日本仏教界において、大乗仏教を「ブッダ本来の教えからの逸脱」として強く批判する言説は異彩を放っている。
- 因縁論を根幹に据える仏教の立場から、唯一神・絶対神・主宰神の概念に基づくキリスト教など諸宗教の教えを明確に否定している。
- スマナサーラ長老は「初期仏教長老」と紹介されることもあるが、初期仏教とは一般的に、釈迦牟尼在世の時代を含み、釈尊の死後およそ100年から200年までの間の仏教のことを指す。
[編集] 著作リスト
- 『知恵のこころ 上座仏教入門』(鈴木一生との共著、中山書房仏書林、1996年)
- 『人生はゲームです―ブッダが教える幸せの設計図』(大法輪閣、1997年)
- 『運命がどんどん好転する―慈悲喜捨の瞑想法』(シリーズ自分づくり“釈迦の瞑想法”1、国書刊行会、1998年)
- 『意のままに生きられる―ヴィパッサナー瞑想法』(シリーズ自分づくり“釈迦の瞑想法”2、国書刊行会、1998年)
- 『自分につよくなる―サティ瞑想法』(シリーズ自分づくり“釈迦の瞑想法”3、国書刊行会、1998年)
- 『ついに悟りをひらく―七覚支瞑想法』(シリーズ自分づくり“釈迦の瞑想法”4、国書刊行会、1998年)
- 『人に愛されるひと 敬遠されるひと―テーラワーダの知恵で人間をよく知る本』(国書刊行会、1998年)
- 『初めての本 上座仏教―常識が一変する仏陀の教え』(大法輪閣、1998年)
- 『上座仏教 悟りながら生きる―今“ブッダ”の英知がこころの支えになる』(鈴木一生との共著、大法輪閣、1999年)
- 『恐れることは何もない―ブッダ永遠の真理 嘘のない自分で生きていくために』(泉書房、2000年)
- 『人生を100%活かす―ブッダが教える幸せの設計図』(サンマーク出版文庫、2000年)大法輪閣1997年を改題・文庫化
- 『ヴィパッサナー瞑想―教えとその方法』(アルマット、2000年)
- 『賢い人 愚かな人―人生を克服する34の智慧』(大法輪閣、2000年)
- 『仏教の基礎がよくわかる本―宗教に頼り信仰に縋る弱い自分よ、さらば』(アルマット、2000年)
- 『仏教の智慧 人づきあいがうまくいく』(アルマット、2000年)
- 『こういう大人になってはいけない―ぼくたちの生きる道に水を差さないで…』(アルマット、2000年)
- 『ブッダが幸せを説く―人の道は祈ることより知ることにある』(シリーズ心を育てる本22、日本テーラワーダ仏教協会、2001年)
- 『なぜ悟りを目指すべきなのか―無常を知って無限の自由を獲得する』(シリーズ心を育てる本23、日本テーラワーダ仏教協会、2001年)
- 『苦しみを乗り越える悲しみが癒される怒り苛立ちが消える法話選』(国書刊行会、2001年)
- 『仏教の智慧 希望をかなえるこころの秘訣―運命が好転する「慈しみ」実践法』(アルマット、2001年)
- 『幸福に至るYESとNOの法則―智恵が湧き出る善悪論』(アルマット、2001年)
- 『ブッダは最高の治療をする』(スタープレス、2002年)
- 『頭が突然鋭くなる瞑想法』(スタープレス、2002年)
- 『充実感こそ最高の財産―今この瞬間を生き切ればいい』(シリーズ心を育てる本24、日本テーラワーダ仏教協会、2002年)
- 『逆境をはね返すブッダの智恵―こころを元気にする鍵はすぐそこにある』(アルマット、2002年)
- 『原訳「法句経(ダンマパダ)」一日一話』(佼成出版社、2003年)
- 『何が平和を壊すのか?―争いの世界を乗り越えるブッダの智慧―』(日本テーラワーダ仏教協会出版広報部(編)、日本テーラワーダ仏教協会、2003年)
- 『慈経(Metta sutta)―ブッダの「慈しみ」は愛を越える―』(シリーズ「パーリ仏典を読む」vol.1、日本テーラワーダ仏教協会、2003年)
- 『一生役立つ ブッダの育児マニュアル』(シリーズ心を育てる本25、日本テーラワーダ仏教協会、2004年)
- 『自分を変える気づきの瞑想法』(サンガ、2004年)
- 『人生力をつける本』(サンガ、2004年)
- 『ブッダの智慧で答えます 生き方編』(創元社、2004年)
- 『希望のしくみ』(養老孟司との共著、宝島社、2004年)
- 『怒りの無条件降伏―中部経典「ノコギリのたとえ」を読む―』(シリーズ「パーリ仏典を読む」vol.2、日本テーラワーダ仏教協会、2004年)
- 『なぜ、悩む!』(玄侑宗久との共著、サンガ、2005年)
- 『中学生から学べるブッダの人間関係術 人づきあいにはコツがある』(シリーズ心を育てる本26、日本テーラワーダ仏教協会、2005年)
- 『死後はどうなるの?』(国書刊行会、2005年)
- 『ブッダの実践心理学 物質の分析』(アビダンマ講義シリーズ vol.1、藤本晃との共著、サンガ、2005年)
- 『原訳「法句経(ダンマパダ)」一日一悟』(佼成出版社、2005年)
- 『無常の見方 「聖なる真理」と「私」の幸福』(お釈迦さまが教えたこと1、サンガ、2006年)
- 『ブッダの実践心理学 心の分析』(アビダンマ講義シリーズ vol.2、藤本晃との共著、サンガ、2006年)
- 『希望のしくみ』(養老孟司との共著、宝島社新書、2006年)宝島社2004年を新書化
- 『平和の生滅 生存の矛盾を超えて』(お釈迦さまが教えたこと2、サンガ、2006年)
- 『怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉』(サンガ新書、2006年)
- 『心は病気―役立つ初期仏教法話〈2〉』(サンガ新書、2006年)
- 『ブッダ―大人になる道』(筑摩書房ちくまプリマー新書、2006年)
- 『ブッダの道の歩き方』(立松和平との共著、サンガ、2006年)
- 『有意義な生き方 幸福に生きるとは?』(お釈迦さまが教えたこと3、サンガ、2006年)
- 『仏教は心の科学』(宝島社、2007年)
- 『仏弟子の世間話』(玄侑宗久との共著、サンガ、2007年)『なぜ、悩む!』サンガ2005年を増補新書化
- 『パワー・アップ・ユア・ライフ―力強く生きるためにブッダが説いたカルマの法則』(サンガ、2007年)『人生力をつける本』サンガ2004年を改訂改題
- 『わたしたち不満族―満たされないのはなぜ?』(国書刊行会、2007年)
- 『自殺と「いじめ」の仏教カウンセリング』(宝島社新書、2007年)
- 『苦しみをなくすこと―役立つ初期仏教法話〈3〉』(サンガ新書、2007年)
- 『ありのままの自分―アイデンティティの常識を超える』(お釈迦さまが教えたこと4、サンガ、2007年)
- 『ブッダの実践心理学 心所(心の中身)の分析』(アビダンマ講義シリーズ vol.3、藤本晃との共著、サンガ、2007年)
- 『迷いと確信―大乗仏教からテーラワーダ仏教へ』(山折哲雄との共著、サンガ、2007年)
- 『般若心経は間違い?』(宝島社新書、2007年)
- 『現代人のための瞑想法―役立つ初期仏教法話〈4〉』(サンガ新書、2007年)
- 『「やさしい」って、どういうこと? 』(宝島社、2007年)
- 『心の中はどうなってるの―役立つ初期仏教法話〈5〉』(サンガ新書、2007年)
- 『人生は美しく清らかに―潔癖vs清浄』(お釈迦さまが教えたこと5、サンガ、2007年)
- 『いまここに生きる智慧―シスターが長老に聞きたかったこと』(鈴木秀子との共著、サンガ、2007年)
- 『ブッダの青年への教え―生命のネットワーク「シガーラ教誡経」』(国書刊行会、2008年)
- 『結局は自分のことを何もしらない―役立つ初期仏教法話〈6〉』(サンガ新書、2008年)
- 『ブッダの幸福論』(筑摩書房ちくまプリマー新書、2008年)
- 『まさか「老病死に勝つ方法」があったとは―ブッダが説く心と健康の因果法則』(サンガ、2008年)
- 『あべこべ感覚―役立つ初期仏教法話〈7〉』(サンガ新書、2008年)