スリランカ
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- スリランカ民主社会主義共和国
- ශ්රී ලංකා ප්රජාතාන්ත්රික සමාජවාදී ජනරජය (シンハラ語)
இலங்கை சனநாயக சோஷலிசக் குடியரசு (タミル語) -
(国旗) (国章) - 国の標語 : なし
- 国歌 : Sri Lanka Matha
-
公用語 シンハラ語、タミル語 註1 首都 スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ 註2 最大の都市 コロンボ 独立
- 日付イギリスより
1948年2月4日通貨 スリランカ・ルピー(LKR) 時間帯 UTC (+5:30)(DST: なし) ccTLD LK 国際電話番号 94 - 註1 : 憲法上、「連結語」(link language)として英語が指定されている。
註2 : 旧首都はコロンボ
スリランカ民主社会主義共和国(スリランカみんしゅしゃかいしゅぎきょうわこく)、通称スリランカは、南アジア、インド半島の南西にポーク海峡を介して存在する島国。首都はスリジャヤワルダナプラコッテ。1972年までは、セイロンと称していた。現在もこの国がある島は、セイロン島という。
国名をスリランカに改称したシリマヴォ・バンダラナイケは世界初の女性首相。大半が仏教徒である。
目次 |
[編集] 国名
正式名称はシンハラ語で、Sri Lankā Prajathanthrika Samajavadi Janarajaya。タミル語で、Ilangai Jananayaka Socialisa Kudiarasu。
公式の英語表記は、Democratic Socialist Republic of Sri Lanka (デモクラティック・ソーシャリスト・リパブリック・オブ・スリ・ランカ)。通称、Sri Lanka(スリ・ランカ)。
日本語の表記は、スリランカ民主社会主義共和国。通称は、スリランカ。
漢字ではセイロン島を指す錫蘭とも書き、略語は錫。
国名はシンハラ語で、「光輝く島」を意味する。
[編集] 歴史
- 紀元前5世紀、シンハラ人が北インドから移住して王国をつくった。
- 紀元前3世紀、アショーカ王の王子マヒンダが仏教を伝えて以後、スリランカは上座部仏教(小乗仏教)の中心地として、現在までその信仰を守ってきた。
- 紀元前2世紀以来、ヒンドゥー教徒タミル人の侵攻に対し、シンハラ人は仏教を守り、文化を育てた。首都は、11世紀後半から中部のポロンナルワにおかれた。
- 5世紀にアヌダダブラを治めていた父王を殺した王子カッサパ1世がシーギリアロックの岩山の頂に宮殿を築いた。
- 13世紀からタミル人の侵入が激しくなった。
- 15世紀初頭に鄭和が来島し、明の朝貢国となった。
- 1505年、ポルトガル人がコロンボに商館を建設し植民地化。
- 17世紀、ポルトガルに代わりオランダが植民地化。
- 18世紀末からイギリスが植民地化を始める。
- 1815年のウィーン会議でオランダからイギリスへの譲渡が正式決定。
[編集] 独立後
- 1948年、イギリスのインド撤退政策の一環として、イギリス連邦内で英国王を元首に頂く自治国(コモンウェルス)として独立。国名はセイロン。
- 1951年、国連で蔵相のジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナが対日賠償請求を放棄する演説を行い日本の国際社会への復帰に道筋をつける。
- 1972年、共和制に移行し、国名をスリランカ共和国に改称。
- 1978年、議院内閣制から大統領が執行権を行使する大統領制に移行し、現国名に改称。
- 1984年、コロンボからその南東に位置するスリ・ジャヤワルダナプラ・コッテへ遷都したが、行政庁舎は旧首都に留め置かれる。
- 1987年、反政府組織LTTE(タミル・イーラム解放のトラ)が独立宣言し、内戦が続いた。インドの介入を受けたり、ノルウェーの調停で一時停戦したりするが、散発的なテロが続いたので再び戦いが起こる。途中停戦や少数民族の自治権を認める法制定の動きもあるが結局白紙になる。
- 2002年 LTTEとの停戦合意。
- 2008年 LTTEとの停戦合意を正式に破棄すると発表。
[編集] 政府軍と反政府ゲリラとの戦い再燃
- 北東部で断続している政府軍と反政府ゲリラとの戦闘は、2006年7月、再燃した。
- ロイター通信は、政府軍による空と陸からの攻撃で民間人が少なくとも50人が死亡、200人以上が負傷したと、LTTEの幹部からの話として伝えた。北東部では港湾都市トリンコマリー南方にある農業用水路の水門の支配権を争って政府軍とLTTEが7月下旬から交戦している。死者は既に300人を超えているという。
- トリンコマリー県北部のムトゥールでも激しい戦闘が行われ、総攻撃の結果、8月5日に市内全域を政府軍が掌握したという。国防省の発表によると、この戦闘でLTTE側は152人が死亡、124人が負傷したとされる。この戦闘の最中、LTTEは避難民100人以上を銃で殺害したという。また、同市内では犯行勢力は不明だが、NGOスタッフ17名が殺害される事件も発生している[1]。
- 11日から12日にかけてジャフナ半島とトリンコマリーで激戦し、LTTE側は少なくとも109人が死亡したと国防省が発表。AFP通信は双方の死者127人と伝えた。
- 2006年8月17日、スリランカの情報メディア相は、北部のジャフナ半島で政府軍が反政府武装勢力(LTTE)に大規模な反撃を加え、少なくともLTTE98人が死亡、約100人が負傷したと語った。
- 2006年8月26日、スリランカ軍筋によると、北部のジャフナ半島のムハマライにある同軍の防衛線で、LTTEが仕掛けた手製爆弾が爆発し、政府軍兵士6人が死亡、11人が負傷した。同半島では11日間にわたって激戦が続き、双方に計約650人の死者が出た。
- 2007年11月2日、政府軍のスリランカ北部キリノチで空爆により、LTTEのナンバー2で政治部門トップであり、和平交渉の窓口であったタミルセルバン氏を含む6人が死亡。
- 2008年1月3日、北部アヌラダプラで、軍用トラックを狙った爆弾テロが起き、2人が死亡した。政府の停戦破棄発表に対して、LTTEのテロ攻撃強化が予想されるとして、警察と治安部隊はスリランカ全土で厳戒態勢に入った。
[編集] 地方行政区分
詳細はスリランカの州を参照
9つの州に分かれる。カッコ内は、州都。
- 西部州(Colombo)
- サバラガムワ州(Ratnapura)
- 北西部州(Kurunegala)
- 北中部州(Anuradhapura)
- 中部州(Kandy)
- ウバ州(Badulla)
- 南部州(Galle)
- 北部州(Jaffna)
- 東部州(Trincomalee)
[編集] 地理
[編集] 位置
南アジア、インド半島の南西、ポーク海峡を隔てた位置にある、セイロン島が国となっている。赤道のすぐ北で、北緯5〜9度のインド洋に浮かぶ。
[編集] 気候
気候は熱帯性であり高温多湿で、海岸部・低地では年平均気温26℃。高地では気候は冷涼である。ヌワラエリア(標高約1890m)では年平均気温16℃と一年中常春のような気候である。ほとんどの地域は5月~10月が多雨期で、北部・北東部では12月の多雨期を除いては乾燥している。モンスーンの影響が強い。
[編集] 農業
畑作中心である。特に茶の生産が盛んで世界生産量第3位であり、セイロンティーと呼ばれ、名産品である。しかし、この茶栽培は、虫害によって壊滅的打撃を受けたコーヒー栽培の代替であったことはあまり知られていない。
[編集] 経済
主要な産業は、農業と繊維産業である。主要な農作物として、茶、ココナッツ、天然ゴム、米などが生産されている。近年工業化の進展と共に繊維産業が発達し、衣料品が最大の輸出品目となっている。
2004年12月のスマトラ島沖地震による津波では3万人以上が死亡するなど、海岸部に大きな被害があり、また民族紛争の再燃もあって観光業などが悪影響を受けている。
[編集] 国民
[編集] 民族構成
住民の74%はシンハラ人、18%はタミル人、7%がムーア人、1%がバーガー人(Burghers)などとなっている。
[編集] 言語
シンハラ語とタミル語は国語にして公用語であり、連結語として英語も憲法上認められている。日常的にはほとんどの国民がそれぞれの民族語(シンハラ人はシンハラ語、タミル人はタミル語)を使っているが、英語を母語にする人が国民の一割おり、これらの英語話者はコロンボに集住している。この人々はスリランカ社会において指導的役割を担っている。
[編集] 宗教
仏教が70%、ヒンドゥー教が15%、キリスト教が8%、イスラム教が7%となっている。また、ヒンドゥー教徒のタミル人と仏教徒のシンハラ人の対立が深まっている。
[編集] 文化
[編集] 世界遺産
スリランカ国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が6件、自然遺産が1件ある。
詳細はスリランカの世界遺産を参照
日付 | 日本語表記 | 現地語表記 | 備考 |
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[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 政府
- スリランカ民主社会主義共和国政府 (英語)(シンハラ語、タミル語)
- 在日スリランカ大使館 (日本語)(英語)
- 日系機関
- 旅行
- 現地情報
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