アイ (チンパンジー)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アイ(1976年10月-)は、アフリカ生まれのメスのチンパンジーである。
1977年11月10日、彼女が1歳の時、愛知県犬山市にある京都大学霊長類研究所にやってきた。 名前の由来は、梶原一騎原作・ながやす巧作画の劇画、『愛と誠』のヒロイン早乙女愛に基づくといわれている。絵を描くことができる。
1978年より「アイ・プロジェクト」の一環として、文字や数の学習を始めている。 そのプロジェクト・リーダーであるのが、同研究所の松沢哲郎教授である。
1989年10月3日にアキラとともに檻の鍵を開けて脱走。オランウータンの檻の鍵まで開けて逃がしてやったという。この事件で一躍、天才チンパンジーとして話題になった。
2000年4月24日午後10時49分、人工授精によってアイとアキラとの間にアユム(歩)と名付けられた子どもが産まれている。
研究の模様は、民放の各テレビ局でも紹介され、NHKでは『NHKスペシャル』の枠で、1997年5月4日に「ことばを覚えたチンパンジー アイちゃん19年の記録』、2001年5月5日に「ことばを覚えたチンパンジー アイちゃんの子育て日記」と2度に渡ってドキュメンタリーを放送した。
講談社からは松沢哲郎が執筆した『おかあさんにあったアイ』『アイとアユム母と子の700日』が刊行されている。