つぐみ (映画)
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つぐみは、1990年に公開された市川準が監督した映画。松竹製作。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
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[編集] 解説
よしもとばなな原作の小説『TUGUMI』を市川準の脚本・監督で映画化された。 生まれつき体が弱くわがままに育てられたつぐみと周囲の人々のひと夏の出来事が描かれている。 静岡県賀茂郡松崎町で撮影が行われ、本作で主演映画2作目となった牧瀬里穂は本作品で毎日映画コンクール新人賞など各映画賞を受賞した。
[編集] あらすじ
旅館を営む両親の娘のつぐみは、生まれつき体が弱くわがままに育てられてきた18歳の少女。つぐみに心を引きつけられていた従姉妹のまりあが夏休みに西伊豆に渡り、つぐみとつぐみの姉の陽子と一緒にひと夏を過ごす事になる。
西伊豆で穏やかな日々を送るさなか、恭一という青年が現れる。つぐみと恭一は自然に惹かれあうが、つぐみに好意を持っていた不良少年とそのメンバー達は恭一に暴行を加え、さらにつぐみの愛犬のピンチまで殺してしまう。つぐみは不良少年達への復讐のため、ある廃屋に大きな落とし穴を掘った。だが、最後の力を振り絞ったつぐみはその場で倒れてしまう。
夏も終わり、つぐみの事を心配しつつ東京に戻ったまりあはしばらくしてつぐみからの電話を受け取り、つぐみは「よっ!ブス」と明るく語りかけ、毒舌ぶりが健在だった事にホッとするのだった。
[編集] 備考
- ロケが行われた旅館梶寅はこの映画以前にも数々の映画、ドラマに登場しているが、実名で登場するのはこの映画が初めてである。残念ながら現在は営業していない。
- つぐみが不良グループと対決する為に落とし穴を掘りに通ったディーゼル工場跡地、実は梶虎のすぐ隣にある。
- ロケ地である西伊豆の松崎は最近では「世界の中心で、愛をさけぶ」テレビ版のロケ地となった。
- 劇中にある燈籠流しの祭りのシーン、実際の祭り8月に行われるが、撮影はスケジュールの都合で6月であり、地元の人々がエキストラとして参加し祭りを再現したものである。
[編集] キャスト
- 牧瀬里穂 -つぐみ
- 中嶋朋子 -まりあ(つぐみの従姉妹)
- 白島靖代 -陽子 (つぐみの姉)
- 真田広之 -恭一
- 安田伸 -正 (つぐみの父)
- 渡辺美佐子 -政子 (つぐみの母)
- あがた森魚 -まりあの父
- 高橋節子 -まりあの母
- 財津和夫 -恭一の兄
- 高橋源一郎 -ケーキ屋店長
- 下條正巳 -医師
- 吹越満 -不良グループのリーダー
[編集] スタッフ
- 原作 -よしもとばなな
- 監督・脚本 -市川準
- 製作者 -奥山和由、後藤亘、鍋島壽夫
- プロデューサー -久保修、吉田多喜男
- 撮影 -上川皓市
- 助監督 -月野木隆
- 音楽 -板倉文
- 主題歌 -小川美潮「おかしな午後」
- 製作 -松竹富士、全国FM放送協議会、山田洋行ライトヴィジョン