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長野県方言 - Wikipedia

長野県方言

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

長野県方言(ながのけんほうげん)、または信州弁(しんしゅうべん)は長野県で話される方言の総称である。方言区画上の分類としては、東海東山方言に属しているとされる。山梨県方言(甲州弁)や静岡県方言(静岡弁遠州弁)とあわせて「ナヤシ方言」と総称されることもある(都竹通年雄(1949年)の説)。

目次

[編集] 特徴

長野県は南北に長く、隣接する多くの地域からの言葉の流入、また各平・盆地における文化の違いがみられるため、それぞれの地域に特有の方言と、県全域で通じる方言とに二分される。

県内の方言区画は、一般的な地域区画とは多少異なった区分が用いられる。

平叙文におけるコピュラ形容動詞の語尾は東日本方言の特徴である「だ」である。

動詞の否定形では「未然形+ない(ねえ)」のみの地域(東信・北信・奥信濃)と、前者に「未然形+ん」を併用する地域(中信・南信)がある。

動詞の進行形では「連用形+てる(ている)」となる地域(後記以外)と「連用形+とる(ておる)」となる地域(南信の一部)がある。「とる」は西日本方言の特徴でありアスペクト表現として「継続態」と「結果態」を語形で区別するものが多いが、県内においては木曽地域の一部に見られるのみで、残りの部分はどちらも「とる」で統合されている。一方の「てる」にはもともと継続態と結果態の区別がない。

動詞の未然形に可能の助詞「られる」がつく場合、能力的可能表現であれば「ら」が脱落するが、条件的可能表現であればそのままとなる。 参照:ら抜き言葉

話者の方言観として「信州弁はごく一部の語彙を除けば、共通語や東京周辺の首都圏方言とほぼ同じだ」と錯覚している者の多いことは、県内各地の共通項として挙げられる。実際には後述するアクセントに違いがあるほか、文の抑揚(イントネーション)が共通語に比べてやや大きい。また、共通語や他県の方言に同じ語彙がありながらも用法がドメスティックであるために、県外で伝わらなかったり混同されやすいものがある。

[編集] 県内共通の方言

注意:ここで挙げられている例は、地域的・世代的な差異があるので、ニュアンスなども含めて、必ずしも長野県全域・もしくは各地方であまねく通じるものではありません。また、県外に共通のものも含まれます。

あいさ
「あいだ(間)」の転訛。
あっこ、あすこ
「あそこ」の転訛。
あすぶ
「遊ぶ」の転訛。
あめんぼう
「つらら」の意。
あんじょさん
「あまそう(尼僧)」または「あんじゅ(庵住,庵主)」の転訛。さらに敬称をつけたもの。
いきあう
「出くわす」、「遭遇する」の意。
いいからかん(いいからかげん)
「いい加減」の意。
うつかる、うっつかる
(机やテーブルに)「突っ伏す」の意。(柱などに)「もたれかかる」の意味で使う地域もある。
えぼ(いぼ)をつる
「すねる」の意。アクセントは「え」や「い」にある。
おえ
呼びかけの「おい」の意。
おつくべ/おつくばい/おつくわり
「正座」の意。動詞形は「つくばう」または「つくべる」。
おっしゃん、おっさま
「和尚さん」、「和尚様」の転訛。「お」にアクセントのある頭高型。同様に頭高型で「ごぼうさま」とも。
おっぽしょる
「折れる」の意。おっぽしるで「折る」。
おった(おっこった)
「落ちた」「おっこちた」が促音便化したもの。用例:「試験に落ったらどうしよう?」。また南信に限り「居た」の意も。
おめ(さん)
「あなた」、「お前」の意。複数形は「おめ(さん)たち」。
かや?
疑問文の語尾につく。「かな?」の意。 用例:「おら、方言なんかせったかやー?覚えねーけんども、女しょに聞いてみたい?」(俺、方言なんか言ったかな?覚えてないけど、かみさんに聞いてみたら?)
かんじる
「寒さが身にしみる」、「全身がかじかむ」の意。身体の一部がかじかむ場合には使わない。「凍(し)みる」と言う地域もある。
くれる
(物を)「あげる」、「くれてやる」の意。用例:「花に水をくれる」
ごしたい
「疲れた」、「しんどい」の意。
こすい
「ずるい」、「卑怯」の意。
こわい
「硬い」の意。本来の意味であり、固いことを「こわい」とよぶ表現は共通語にも「おこわ」という単語の中に生きている。恐怖心を表す「こわい」は「おっかない」を使う。
こん
「こと」の転訛。用例:「そんなこんねーだろ」
しょう
「衆」の転訛。「人たち」の意。用例:「あそこのしょうは…」
~じゃん(じゃんか)
「~じゃないか」の意。東海東山方言から全国に伝播したものとして知られるが、県内でも大正時代頃から使われ始めた。全国区の「じゃん」には無い用法として、県内では勧誘の意味を併せ持つ。用例:「いいじゃん」、「そろそろ行くじゃん」
しわい
「吝嗇である」の意。
~ず
「~しましょう」の意。動詞の未然形語幹につく。「する」につく場合は「せず」ではなく「しず」になる。例:「そろそろ行かず」(そろそろ行きましょう)。(古語の「むず」に由来する。碓氷峠は「べ、べぇ」を使う西関東方言との境界なので「鳴くべ鳴かずの峠」と呼ばれた)
ずく
しばしば共通語による定義ができないとされる名詞。強いて言うならば、億劫がってなにかをやりだそうとしない状態を「(あなたは)ずく無しだ」などと形容するが、その逆になにか面倒なことを敢えてするようなときに「ずくを出す」と用いられることもある。
その構造分析に於いては、「ずく(主語)-が-無い(述語)」がひとつのセンテンスである、と見る者もあれば、「ずく無し(だ)」が一語の形容動詞である、と見る者もある。また、県内の高校には「ずく出せ修行」なるものがあるところもある。
たたる
「建つ」の意。用例:「あそこに新しい家(店)がたたった。」
~だけん(だけんど)
「だけど」の意。四国・中国・九州地方で使用される、理由をあらわす「だから」の意味とは正反対になる。
~だで
「だから」の意。
とぶ
走る、駆ける。「とびっくら」は「かけっこ」の意。
なから
「半ば」ではなく、「ほとんど」、「ほぼ」の意。
ぬくい/ぬくとい/のくとい
「あたたかい」の意。東海地方での使用例もある。
ねこのしっぽ
「末っ子」の意。
へえ
話題や行動の転換時に使う間投詞。「へ」の部分にアクセントがある。「さあ」、「さてと」の意。用例: 「へえ、昼飯にすっか」
「へぇ昼だ」と言われ「屁をひる」と誤解し「なぜ屁をこくことまで、いちいち断るのだろう」と思われることがある。アクセントは頭高型で「へ」にある。
へら
「べろ」の意。「へ」にアクセント。岐阜県でも使用されるがそちらでは「ら」にアクセントが置かれる。
ぶちゃる・うちゃる/びちゃる/べちゃる
「捨てる」の意。
ふんづぶす(ふんぶす)
「踏み潰す」の転訛。用例:「靴のかかとをふんづぶすなよ」
ほう
何か物を指し示すとき等に用いられる間投詞。「ほ」の部分にアクセントがある頭高型。「ほら」「ほれ」の意。用例:「その書類ってどこ?」「ほう、これ」
ほぅ
「~の方」の意。 用例:「おらほぅ」、「おめったほぅ」
ぼける/ほける
水分が抜け始め、歯ごたえが無く、不味くなる。りんご、或いはについて用い、「ぼけりんご」などと連語的にも使う。
まえで
(位置的に)手前・前方。「前で○○する。」という用法とは異なる。「えで」にアクセントがある平板型。
まる
「排泄する」の意(古語に由来)。
むりと
「故意に、わざと」の意。
やのあさって/しあさって[1]
あさっての次が「やのあさって」になる地域は奥信濃・北信・東信及び中信の一部(筑摩・安曇)、「しあさって」になる地域は南信及び中信の一部(上伊那北部・諏訪)
現在は共通語に合わせて後者が主流となっている。
やらかす
「しでかす」の意。
よせる
(洗濯物を)「取り込む」の意。または「仲間に入れる」の意。

[編集] 地域別の主な方言

[編集] 奥信濃地域

新潟県の魚沼方言にきわめて類似し、信州方言の語彙、音韻、アクセントの特徴が当てはまらないことが多い。そのため平山輝男越後方言に分類している。[2]

[編集] 北信地域(飯山弁/中野弁)

~さけぇ
~だから。「さ」にアクセント。アクセントを「け」に置くと「境」の意味になる。
~しまに
~がけに。動詞の連用語幹につく。用例:「帰りしまに」
ちゃんしる
正座する。
ふんがしげる
踏み違える、足をくじく。
べちゃ、びちょ
お風呂。元は幼児語。
へんぼ
蝿の意。

[編集] 長野地域(長野弁)

おくじゃ
「奥者」。新潟県・越後の人々を指すが、蔑称とも解される。信濃を通り過ぎて、奥地に行くよそ者。
きなし
無意識に。気づかずに。発音は「な」にアクセントの平板形。用例:「きなしでいたわ」「きなしに捨てちまったわ」
ごったく
色々・ゴミ・ガラクタなどの意味合いがある。用例は「"ごったく"にしておく」意味は散らかしておく。また、悪ガキに対しても「ごったく」(「があたく」「がったく」とも)と呼ぶ
~しない?(するしない?)
「~じゃない?」「~だよね(よね)?」という意味の新方言。動詞または形容詞の終止形に「しない?」をつけ、誘い言葉、同意を求めるときに使う。名詞の後につく場合は「~だしない?」となる。年齢層の若い人がよく使う。用例:「これってかわいいしない?」(これってかわいくない?)「映画に行くしない?」(映画に行かない?)「あいつってバカだしない?」(あいつってバカじゃない?)
しょうしい
恥ずかしい。
せう
「言う」の意。せう、せった、せわね等、変化する。用例:「せったせえばせわねせうし、せわねせえばせったせうし、せったかせわねかせってみろ!」(意:「言ったって言えば言わないって言うし、言わないって言えば言ったって言うし、言ったか言わないか言ってみろ!」)
だれぇ?
相手の言葉を否定する際に反語的に用いられる。「誰がそんなこと言った/した?(誰もしてないだろ?)」の意。アクセントは「れ」にある中高型である。
ちゅうっくらい(ちょっくん)
「中くらい」の転訛だが、意味は「真ん中ぐらい」ではなく「大したことない」「適当な」。用例:「あいつはちゅうっくらいなこんしか言わね」
なな~と
動詞の活用語幹につき禁止を表す。用例:「ななやっと」「なな構っと」
ふきったま
ふきのとうのまだ開いていない状態。
ぼこ
子供。老人以外はほとんど使わない。
もうらしい
かわいそう。
やむ
痛む。
よいと
余裕。
わにる
はにかむ、人見知りする。主に幼児に対して用いる。

[編集] 上田地域

ぞ(ぉ)ざえる
「甘える」の意。
おじょうこ
「生意気」の意。
になう
(神輿や箪笥などの大きなものを)「ふたりで担ぐ」の意。
やぶせってぇ
「うざったい」の意、髪の毛がのびて気になるときに「あぁ髪の毛やぶせってぇ」などと使う。
べど
「土」の意。
ほとばす
「水に浸す」の意。
わんだれ
「お前たち」の意。

[編集] 佐久地域

県内においては諏訪地域の言葉に類似性が見られる。また中仙道を経由した群馬弁などの西関東方言も流入している。

だれさ
「そうじゃなくって」言葉の先頭に付け加えられて左記の意味になる。
おこよ参り
「トイレ」に行くこと。いまではほとんど使用されていない。
まぁづ
「まったく」「ほんとうに」の強調の意。用例は「おやげねぇ」を参照。
きんな
「昨日」の意
おやげねぇ
「かわいそう」の意。「まぁづ、おやげねぇんな。」などと使う。
きもいる
「腹が立つ」漢字を当てると『肝煎る』か。
かんます
「かき回す」国道254号線の内山峠の向こう側、群馬県(下仁田町、藤岡市等)でも使う模様。
しょうしい
「恥ずかしい」漢字を当てると「笑止い」広辞苑の前の版に出ていた。
おらほ
「俺たち」「わたしたち」 おらほの村では…、おらほのクラスじゃ…
東御市にはその名も「おらほビール(OH!LA!HO BEER)」がある。
しんの
「疲れる」「疲れた」
こてさんね
「居心地がいい」「楽だ」の意
めた
(否定的なニュアンスで)「どんどん」「好き勝手に」
「めたやってくれや」(好きなようにどんどんやってみればいいじゃん。本当は賛成できないけどね)と使う。
ずら
同意、確認の語尾の一種。「~でしょう?」の意。県内では諏訪と佐久で特に頻出。
ダダ
強調の語尾の一種。説教時に頻出「オメ、この成績は一体なんダダ」
おやすみなさい
「さようなら」の意。高校生が帰りの挨拶に使う。(明るくても、昼前でも!)早口で言う場合「おやっさい」となることがある。
いたかいや
「ごめんください」の意。南佐久郡の老人がよく使う。
さかる
「繁盛する」の意。「こんだあっこにできた店はさかってるだかい?」(今度あそこにできた店は繁盛しているかい?)。
じゃんぼん
「葬式」の意。じゃんぼん回りは「左回り」。
こんねんまく
「こんなにも」の意。「あんねんまく」もある。(あんなにもの意)
「あんねんまくあったのにもうなくなっちまっただかい!?」
ずで
「まったく」「最初から」「発想から」の意。「あの計画はずでダメだった。」
そべえる
「ふざけている」の意。しばしば強調語の「さら」と合体して「さらそべえる」
用例:「まぁづおめたは俺があんねんまく注意したのになんで言った通りにできねぇだ。さらそべえてるぞ!」(不明な語はこの項目内を参照のこと)
でえじんこ
「金持ち」を揶揄する語。「お大尽」のこと。「あっこのうちはでえじんこだわ」
とんびね
「でっぱり」の意。特に高い所を指す。「山の左っかわのとんびねの所」など
ぼっち
「釦」の意。「そのぼっちを押してっからでねぇと動かねぇぞ」
~まし
「~ごと」の意。「みかんを皮まし食べる」
ももっかい
「くすぐったい」の意。
おじゅうく、おじゅうこ
「生意気」の意。親や先生が子供に「おじゅうくすんな!」
ちょびちょびしてる
「落ち着きがない」の意。特に子供に対して使う。諏訪出身者にも通じたことから諏訪でも使うようだ。
用例:「まぁづあっこの子供はいつもちょびちょびしてるわ」

[編集] 松本地域

いただきました
学校給食の場に於ける「ごちそうさまでした」の挨拶。「いただきます」と対応させているが、文意よりも文法を優先させたものである。近年はそれを反省し「ごちそうさまでした」へのシフトも進んでいる。
おぞい
良くない。粗悪な。
おんじょ
文句、泣き言。
かんます
「かき回す」
こく
「言う」の意。特に文句などをいう場合に使う。用例:「文句をこくな!」
ささらほうさら
「無秩序な」「ふんだりけったりで」(静岡弁にも同じ語彙があるが、意味は「無駄遣い」である。)
だ,だだ
念を押すときに使う。語尾を上げると疑問。下げると断定。若い人でも多用。用例:「これ貰っていいだぁ(↑)?」「いいだ(↓)」
だで
語尾につく終助詞。「だぜ」「ですよ」。東筑摩で「だじ」とも。
たっこねえ
不器用の意。(稲核地区)
つもい
きつい。用例:「この靴つもい」
てきない
疲れた。「てきねー」ともいう。
はか(が)いく
捗る。「は」にアクセント。
ひとっきら
少しの間。用例:「ひっときら買い物行ってくる」
ひやかす
水に浸す。
~しましょ、~しまし
動詞の連用形語幹につく。「ま」にアクセント。軽い命令形「~しなさい」
わにる
人見知りする。照れる。

[編集] 南北安曇地域(大町弁/安曇弁)

南部は松本地域と通じる言葉が多い。北部に於いては語彙の面で若干、北信方言や日本海沿岸の要素が混ざる。

っか?
~ないか?。動詞の未然形語幹につき、勧誘を表す。用例「行かっか?」
(~する)が?
疑問系の語尾。(北安曇北部)
かんます
「かきまわす」「かき混ぜる」の意。
きのうな(おっといな)
「昨日には(一昨日には)」
しゃら
形容詞の前について意味を強調する。「しち~」に同じ。用例:「しゃらっきたない(とてもきたない)」
ずら
同意、確認の語尾の一種。「~でしょう?」の意。
できぃない、やれぇない
能力的に不可能であること。
せっぺせっぺと
「懸命に」の意。
ま(ぁ)んず
「ほんとうに」の意。
~もしっかす
「~もしないくせに」の意。(北安曇北部)
もす
「燃やす」の意。
もおる
(雨などが)「漏れる」の意。
よいと
「ゆっくりと」の意。
われ
「おまえ」の意。(北安曇北部)

[編集] 諏訪地域(諏訪弁)

地理的、歴史的にも山梨県の影響を受け、甲州弁に類似性がみられる。長野県方言としては言葉が荒い方で、年輩者同士が普通に会話していても、周囲には喧嘩しているように聞こえる事がある(女性が自分のことを「おれ」と言うこともある)。 ※用例等については前述の佐久地域も参考にされたい。

おいでなして
「いらっしゃい」の意。
おおちょうだい
招待された家の食卓にたくさんのご馳走が並んでいたときに使う。
おてしょ
小皿
おらほ
「俺たち」「わたしたち」
かう
「かける」の意。「ボタンをかう」「鍵をかう」
きびしょ
急須
くるう
暴れる
~け・~だけ
「~なの?」「~ですか?」の意の終助詞。「宿題やったけ(宿題やっただけ)?」(宿題やったんですか?)
ごた
やんちゃ、いたずらといったような意味。連語的に「ごたっこぞう」(やんちゃ坊主、いたずら小僧)としても使われる。
~さら
~ごと(全部)。「それごと取って」という意味で「それさら取って」という。
~じゃあ
同意・感動の終助詞「~だね」の意。「大きくなったじゃあ」(大きくなったね)
~ずら
同意の要求、事実の確認の終助詞。「~でしょう?」「~じゃないの?」の意。「た」で終わる言葉などに「ずら」をつける場合、「つら」に変化することがある。例)「学校行ったずら?」→「学校行っつら?」(学校へ行ったんでしょ?)
ぞぜえる
「甘える」の意。「おめさんはなにぞぜえてるだえ」(お前はなに甘えてるんだよ)
~だえ・~でえ・~どう
「だよ」の意の終助詞。「何やってるだえ(何やってるでえ)」(何やってんだよ)、「平気どう」(平気だよ)
ほう
「そう」をこう発音することが多い。「ほうずら?」(そうでしょう?)「ほうするじゃあ」(そうしようね)
ぼっち
「蓋」の意。「ぼっちする」で「蓋をする」の意。
まぁづ
「まったく」「ほんとうに」の強調の意。
めた
(どちらかというと否定的なニュアンスで)「どんどん」「好き勝手に」
やいやい
感動詞。「あらあら」「おいおい」の意。
よいてこしょ
御柱祭での掛け声。「よいしょ」とほぼ同意。御柱の方向を調整する「てこ衆」について「よいてこ衆」が訛ったものという説もある。
よばれる
「ご馳走になる」の意
~わえ
「ですよ」の意の終助詞。「今、来たとこだわえ」(今、来たところなんですよ)

[編集] 上伊那北部地域(伊那弁)

あいく
「歩く」の転訛。歩いていくは「あいってく」。
おっぽる、おっぽれる
「折る」「折れる」の意。(前者は西関東方言にも同じ語彙があるが、意味は「放置する」である。)
けなるい
「うらやましい」の意。
こずむ
「沈澱」するの意。
だにぃ
語尾につく終助詞。「だよ」「ですよ」の意。
ほかる
「捨てる」の意。
らんごく
「乱雑な」の意。

[編集] 飯伊地域(飯田弁/下伊那弁)

地理的に三河遠州に近いためか、長野県内では比較的東海地方遠州弁三河弁)・近畿地方など西日本方言との間に類似性がみられる。

いってきました
ただいま
うら
後ろ(の方)
おいでないしょ/おいでなんしょ
いらっしゃい
おかしま
正座
おやげない
みっともない
~だにぃ
~だよ
~だで/~だもんで
~だから
~だら
~でしょ
つる
手で持って運ぶ
~ないよ
(勧誘/軽い命令) ~してみたら?/~しなさい。 〈用例〉「食べないよ。」(食べてみたら?/食べなさい)
おる(いるという意の方言)と組み合わせて「おいないよ。」とすると(来てみたら?/来なさい)となる。
みやましい
(物が)整っている/(人の性格が)しっかりしている、品行方正な
やいやい
(感動詞) あらあら、おいおい
よだめる
曲げる

[編集] 木曽地域

地理的・歴史的に(かつて美濃国の一部であったことや、名古屋藩領地であったことから)東海地方(名古屋弁美濃弁)の要素が濃い。

いんね
いいえ。
おぞい
古い。汚い。
おっさま
お坊様。「お」にアクセント。
おんし
おまえ、あなた(「お主」が変化したもの)
きんの、きんのう
昨日
ござらっしゃる
いらっしゃる。
~だら
語尾につく終助詞。「~だよ」「~ですよ」
にすい
情けない。

[編集] 音韻とアクセント

  • 母音の音素数は一部の地域を除いて[a],[e],[i],[o],[ɯ]の5つであるが、奥信濃方言では[ɯ]の代わりに[u]を用い、このほかに越後方言(魚沼方言)に見られるような[ɛ],[ɔ]があり計7つとなる。例:用事→[jo:dʒi]/楊枝[jɔ:dʒi]、姪→[me:]/前[mɛ:]
  • 「が行」が鼻濁音[ŋ]になる傾向があるが(「が行」が語頭に来た場合のみ破裂音)、奥信濃方言や東信方言の一部(群馬県境)では破裂音の[g]のみとなる。また奥信濃方言や北信方言の一部(下水内・下高井)、中信方言の一部(北安曇北部)では語中に来る「か行」が有声化(濁音化)して「が行」になることがある。
  • 助詞「を」を文字通り[wo]と発音し、「お」[o]とは明確に区別される。
  • 奥信濃方言、北信方言を中心に、かつては「か行」[ka]と合拗音の「くゎ行」[kwa]の区別もあったようであるが、現在では「か行」に統一されつつある。
    例:家事→[kaʒi]/火事→[kwaʒi]、観音[kwan on] 参照:字音仮名遣#日本語で「同音」になっている漢字、熟語の例
  • 東信方言(特に北佐久)においては「ひ」が「し」に転訛しやすい。例:左の人が(しだりのしとが)
  • 連母音[ai][ae]は県内の多くの地域で融合して[e:]になる。南信方言では地域によって[e:]、[ja:]、[æ]になる。但し木曽地方や下伊那地方のそれぞれ岐阜県境では融合が起きずにそのまま残る。連母音[oi]も同様に多くの地域で[e:]になる。また[e]は木曽地方の大部分で[je]になる。
  • アクセント体系は、ほぼ全域が中輪型東京式アクセント(乙種アクセント、第2種アクセント)に分類され、新潟県境や静岡県境に於いて、わずかに外輪型東京式アクセントがみられるが(金田一春彦、1977年)、ひとつひとつの語彙アクセントには県内各地でばらつきがあり、全体が同じもので統一されているわけではない。全国の方言の中では比較的、共通語に近い部類に属すといわれるものの[3]、細部においては異なるものが少なくない。
  • しかし、全国的に見られる語彙とアクセントの共通語化の流れは県内においても顕著で、若年層では伝統的なアクセントはだいぶ喪失しつつある。一方で若年層のあいだに、本来は県内にも共通語にも存在しなかった新たなアクセントが生まれ、共通語化の流れに逆行する現象もわずかながら散見される[4]
    例:「2月」、「4月」の尾高型から頭高型への変化。
  • 県内の大部分ではアクセントの「遅上がり」はなく、1拍目と2拍目は必ず高低が違うため、1・2拍目がともに低く3拍目以降にアクセントが置かれるというパターンはないが、南信方言の一部(木曽地方)では主に尾高型や平板型の名詞に「遅上がり」が見られる。例:友達が(ともだちが)、頭が(あたが)

[編集] 音韻の特徴がアクセントに及ぼす影響

  • 奥信濃、北信、東信の各方言や、中信方言の一部(北安曇北部)においては、無声子音に「[i]母音」や「[ɯ]母音または[u]母音」がつく場合など、特定の条件下で母音が無声化する現象が起こるが、中信方言の大部分や南信方言においてはそれがみられない。そのため前者(こちらは共通語に同じ)と後者で名詞や動詞のアクセントの位置が異なることがある。
    例:機械(無声化あり→[ki ̥kai]/無声化なし→かい[kikai])、不必要(無声化あり→ふよう[ɸɯçi̥ʦɯyo:]/無声化なし→ふつよう[ɸɯçiʦɯyo:]
    新しさ(無声化あり→あたら[ataraʃi ̥sa])/無声化なし→あたらし[ataraʃisa])、来た時(無声化あり→とき[ki ̥tatoki]/無声化なし→たとき[kitatoki]
  • 連母音にアクセント核が置かれる場合、共通語においては前の母音に置かれることが多いが、県内においては後ろの母音に置かれる。そのため、主に以下の場合で共通語アクセントとの間に差がでる。
    • 連母音を持つ名詞 例:思い(おもい[omoi] /oi/ 共通語:おい)
    • 平板型形容詞終止形(3拍以上)に助詞が接続する場合 例:軽いぞ(かるい[karɯidzo] /ui/ 共通語:かいぞ)
    • 活用語尾「ない」がついた平板型動詞未然形に助詞が接続する場合 例:眠らないです(ねむらないです[nemɯranaidesɯ] /ai/ 共通語:ねむらないです)
      • さらにこの法則により、共通語において頭高型で発音する動詞が中高型になることがあるが、この点は上記と違い県内でも地域差が出る。
        例:参った(まった[maitta] /ai/ 共通語:いった)、帰った(かった[kaetta] /ae/ 共通語:えった)

[編集] 県内におけるアクセントの相違

  • 県内同士において、あるいは共通語との対比において、アクセントのパターンが異なるものは多いが、逐語的な列挙では膨大な数にのぼる上に地域差が大きいので、品詞や類ごとに特徴のあるものを取り上げる。
  • 特筆しない限り、共通語化が進む以前の伝統的なアクセントの傾向を載せる。
品詞 共通語と共通のもの 共通語と相違あるもの
アクセント アクセント 該当する方言 用例
名詞 2 2 尾高型が優勢 平板型が優勢※1 奥信濃
北信の一部(新潟県境
南信の一部(静岡県境
石<が>(いしが
3 5 頭高型が優勢 中高型が優勢 東信、中信
南信の大部分(除:静岡県境
姿(すた)
3 6,7 平板型が優勢 頭高型が優勢 奥信濃方言と、以下の山間地
北信の一部(西山
中信の一部(北安曇北部
南信の一部(木曽北西部
兎(さぎ,6類)
芥子(らし,7類)
4 A,B※2 本来A型(尾高型)だった語は
B型(2・3拍目が高い中高型)に
移行している
依然としてA型が優勢 以下の地域を除く
奥信濃
北信の一部(新潟県境
南信の一部(飯伊の岐阜・静岡県境)
年寄り<が>
(A型:としよりが)
(B型:としよりが)
疑問詞 全て頭高型 (1)一部を除き平板型※3 南信の一部(下伊那)以外全域 何処(ど)、誰(だ
(2)上記を含め全て平板型 奥信濃、北信 何(な)、何時(い
動詞 3 2B 中高型が優勢 頭高型が優勢 北信の一部(西山
中信の一部(安曇
出来る(きる)
4 2B 2・3拍目が高い中高型 2拍目のみ高い中高型 北信の一部(下水内
中信の一部(安曇・筑摩
南信の一部(静岡県境
答える(こえる)
動詞+活用語尾「ない」 起伏型:「な」の直前まで高い
平板型:全体が平板型
語幹2拍目から「な」にアクセント
(語幹が1拍のものは中高型)
東信以外全域 出来ない(できない)
複合動詞 動詞+「出す」、「立つ」 全て平板型 (1)頭高型が優勢 中信、南信 逃げ出す(げだす)
(2)2・3拍目が高い中高型 全県的に若年層に多い 逃げ出す(にげだす)
平板型動詞
+助詞「に」+「行く」
(1)「に」の直前まで高い 東信、中信、南信 買いに行く(かにいく)
(2)「に」の2拍前まで高い 奥信濃、北信 買いに行く(いにいく)
平板型動詞
+助詞「て」+「おく」
語幹2拍目から「お」にアクセント 全域 買っておく(かっておく)
形容詞 3,4 1 全て平板型 全て起伏型 南信の一部
木曽南部・西部の岐阜県境
赤い(あい)
明るい(あかるい)
平板型(1類)形容詞
+活用語尾「かっ」
+過去の助動詞「た」
「か」の直前まで高い※4 (1)語幹2拍目から「か」にアクセント 東信、南信
中信の一部(諏訪・上伊那北部
赤かった(あかかった)
(2)全体が平板型 奥信濃、北信 赤かった(あかかった
平板型(1類)形容詞
+推量の助動詞「らしい」
語幹2拍目から「し」にアクセント 全体が平板型 奥信濃、北信 赤いらしい(あかいらしい
起伏型(2類)形容詞
+活用語尾「く」
+「なる」
全て頭高型 語幹2拍目から「な」にアクセント 全県的に若年層に多い 白くなる(しろくなる)
接尾辞 「のに」、「けど」
「かも」、「にも」
平板型の用言についても
アクセント核を持たない
平板型の用言につくと
1拍目まで高い
全域 るのに、するに
「しか」、「たち」 平板型の体言についても
アクセント核を持たない
平板型の体言につくと
1拍目まで高い
れしか、おれた

※1外輪型東京式アクセントの特徴とされる。
※2共通語としても「アクセントの揺れ」が多い類であるが、4拍名詞の全てがA・Bに分かれるわけではない。該当しない地域は元からB型であったか、すでに移行が完了した地域である。またA型が分布する地域でも若年層においてはB型への移行が進んでいる。
※3「何」、「いつ」などは頭高型
※4母音の無声化によって高い部分が2拍前までの語彙もある。例:「かなしかった」

[編集] 数詞・助数詞のアクセントの相違

  • xには任意の数字が入る。
  • 数詞については20まで、助数詞については月は12まで、それ以外は10までについて言及する。
語彙 共通語 長野県 備考
数詞 13 じゅうさん、15 じゅうご、19 じゅうく 13 じゅうさん、15 じゅうご、19 じゅうく 「日」※1「年」※2等がついた場合もこれに準じる
「13」「15」「19」については主に若年層のみ共通語と異なるが、
「10」「20」は中高年層でも共通語と異なる。
10 お、20 じゅう 10 と、20 にじゅ
二三日 さんにち、四五日 ごにち 二三日 にんにち、四五日 しにち 主に若年層のみ、中高年層は概ね共通語に同じ。
(2月・4月※4
2月 にがつ(尾高)、4月 しがつ(尾高) 2月 がつ、4月 がつ
1匹 いっぴき(尾高)、6匹 ろっぴき(尾高)
8匹 はっぴき(尾高)、10匹 じゅっぴき(尾高)
1匹 っぴき、6匹 っぴき
8匹 っぴき、10匹 じゅっぴき
「曲」、「足(そく)」、「冊」、「拍」、「泊」、「隻」等もこれに準じる※4
5台 ごだい(平板) 5台 だい 「艘(そう)」、「代」、「題」、「杯」、「本」、「枚」、「問」等もこれに準じる※3
3番 さんばん(平板)、5番 ごばん(平板) 3番 んばん、5番 ばん 「段」もこれに準じる※3
4巻 んかん、7巻 なかん
9巻 きゅうかん
4巻 よんかん、7巻 ななか
9巻 きゅうか
「点」もこれに準じる
2円 にえん(平板)、3円 さんえん(平板)
6円 ろくえん(平板)、8円 はちえん(平板)
2円 えん、3円 んえん
6円 ろえん、8円 はえん
3人 さんにん、4人 よ
5人 ごん、9人 く
3人 さんにん、4人 よにん
5人 ごにん、9人 くにん
名詞的用法では共通語と異なる※4
次男 なん 次男 じ 共通語では「次男」のみ「な」にアクセント核を置いてはならないが
「長男」と「三男以降」は許容される。
x回 x
但し4回、7回、9回のアクセント核は「か」より前
x回 xかい 名詞的用法では共通語と異なる※4
x畳 xじょ x畳 xじょう(アクセント核は「じょ」より前) 「合(ごう)」、「銭(せん)」もこれに準じる※4
x班 xは(ぱ)ん(頭高)
但し7班、8班のアクセント核は「は(ぱ)」の直前
x班 xは(ぱ) 「犯」、「版」もこれに準じる

※1「10日(とおか)」は平板。「14(じゅうよん)」は頭高ではないが、「14日(じゅうよっか)」は頭高になる。
※2「13年(じゅうさんねん)」は頭高にならない。
※3「5()」は共通語の伝統的アクセントにおいてはアクセント核を持たない「ご」であったとされる。[5]
※4たいていの場合、副詞的用法では平板になる。(「畳」を除く)

[編集] 地名のアクセントの相違

  • ○○郡、○○市、○○町は固有地名の末尾にアクセント核を置く中高型、○○村は平板型となる。
  • 以下の項では「郡」「市」「町」「村」がつかない固有地名について長野県内で用いられているアクセントを記す。廃止された郡及び市町村は省略する。

[編集] 「長野」のアクセント

県名ならびに市名の「長野(に)」のアクセントについては、平板型(ながのに:0型)、頭高型(がのに:1型)、中高型(なのに:2型)、尾高型(ながのに:3型)の4類型がある。共通語アクセントは1型(古くは3型)であり[5]、県内でも前者に合わせる傾向が見られる。

県内におけるアクセント分布[4]
  • 上下水内・上下高井地域 - 1型、0型
  • 上小・更級・埴科・北佐久地域 - 2型
  • 南佐久地域 - 2型、3型
  • 北安曇地域 - 0型、2型
  • 南安曇・筑摩地域 - 2型、3型
  • 諏訪地域 - 2型
  • 上伊那地域 - 3型
  • 下伊那地域 - 2型、3型
  • 木曽地域 - 2型

1998年の長野オリンピックの際も「長野」の言い方が一部マスコミで話題になり、あるスポーツ新聞の調査では「地元でも(頭高型と平板型が)半々で使われている」という報道があった。地元民が頭高型の「長野」を使う場合は、近隣市の「中野市」を「中野」と言うときと紛らわくないように使う場面が多い。このように地名に関しては、地元の言葉と共通語との違いが多々見受けられる。

[編集] 平板型

ほとんどの場合、高齢者層を中心にして尾高型で発音される傾向もある。

  • 青木 (あおき) 村
  • 安曇野 (あづみの) 市
  • 飯島 (いいじま) 町
  • 飯田 (いいだ) 市
  • 飯綱 (いいづな)町
  • 池田 (いけだ) 町
  • 上田 (うえだ) 市
  • 売木 (うるぎ) 村
  • 王滝 (おうたき)村
  • 大桑 (おおくわ)村
  • 大鹿 (おおしか) 村
  • 小川 (おがわ) 村
  • 麻績 (おみ) 村
  • 川上 (かわかみ) 村
  • 駒ヶ根 (こまがね) 市
  • 小諸 (こもろ) 市
  • 栄 (さかえ)村
  • 佐久穂 (さくほ) 町
  • 喬木 (たかぎ) 村
  • 辰野 (たつの) 町
  • 筑北 (ちくほく) 村
  • 豊丘 (とよおか) 村
  • 中野 (なかの) 市
  • 南木曽 (なぎそ) 町
  • 根羽 (ねば) 村
  • 原 (はら) 村
  • 平谷 (ひらや) 村
  • 松本 (まつもと) 市
  • 宮田 (みやだ) 村
  • 泰阜 (やすおか) 村
例外あり
  • 小布施 (おぶせ) 町
  • 長和 (ながわ) 町
  • 波田 (はた) 町
  • 御代田 (みよた) 町
上記4町は頭高型も聞かれる。
  • 北佐久 (きたさく) 郡
  • 下條 (しもじょう) 村
  • 高山 (たかやま) 村
  • 埴科 (はにしな) 郡
  • 箕輪 (みのわ) 町
上記5郡町村は2拍目にアクセントを置く中高型も聞かれる。
  • 塩尻 (しおじり) 市
2拍目にアクセントを置く中高型や、尾高型も聞かれる。
  • 長野 (ながの) 市、県
尾高型や中高型も聞かれる。県外の人からは頭高型で発音されることが多い。

[編集] 尾高型

全て例外あり
  • 木曽 (きそ) 町、郡
  • 木祖 (きそ) 村
上記2町村(3郡町村)は平板型も聞かれる。
  • 伊那 (いな) 市
  • 佐久 (さく) 市
  • 諏訪 (すわ) 市、郡
  • 千曲(ちくま)市
  • 茅野 (ちの) 市
上記5市(6郡市)は平板型も聞かれる。また県外の人からは頭高型で発音されることが多い。
  • 信濃 (しなの) 町、令制国名
県外の人からは頭高型で発音されることが多い。

[編集] 頭高型

  • 阿智 (あち) 村
  • 飯山 (いいやま) 市
  • 生坂 (いくさか) 村
  • 大町 (おおまち) 市
  • 坂城 (さかき) 町
  • 須坂 (すざか) 市
  • 天龍 (てんりゅう) 村
  • 東御 (とうみ) 市
  • 白馬 (はくば) 村
例外あり
  • 小海 (こうみ) 町
  • 岡谷 (おかや) 市
  • 小谷 (おたり) 村
  • 富士見 (ふじみ) 町
上記4市町村は平板型も聞かれる。
  • 阿南 (あなん) 町 ※県内で唯一「ちょう」と読む
「町」がつく場合は2拍目が高くなる中高型になる。
  • 朝日 (あさひ) 村
2拍目が高くなる中高型も聞かれる。地元での一般名詞の「朝日」のアクセントがそのようになるためである。

[編集] 中高型

原則として4拍語地名は2拍目のみに、5拍語地名は2拍目と3拍目、6~7拍語地名は2拍目~4拍目にアクセントを置く。

  • 上松 (あげまつ) 町
  • 上伊那 (かみいな) 郡
  • 上高井 (かみたかい) 郡
  • 上水内 (かみみのち) 郡
  • 木島平 (きじまだいら) 村
  • 北相木 (きたあいき) 村
  • 北安曇 (きたあづみ) 郡
  • 下伊那 (しもいな) 郡
  • 下諏訪 (しもすわ) 町
  • 下高井 (しもたかい) 郡
  • 下水内 (しもみのち) 郡
  • 清内路 (せいないじ) 村
  • 高森 (たかもり) 町
  • 蓼科 (たてしな) 町
  • 小県 (ちいさがた) 郡
  • 中川 (なかがわ) 村
  • 中条 (なかじょう) 村
  • 野沢温泉 (のざわおんせん) 村
  • 東筑摩 (ひがしちくま) 郡
  • 松川 (まつかわ) 町、村
  • 南相木 (みなみあいき) 村
  • 南佐久 (みなみさく) 郡
  • 南牧 (みなみまき) 村
  • 南箕輪 (みなみみのわ) 村
  • 山ノ内 (やまのうち) 町
例外あり
  • 信州新 (しんしゅうしん) 町
2~4拍目にアクセントを置くが、「町」をつけずに使われることは滅多にない。
  • 軽井沢 (かるいざわ) 町
2~3拍目にアクセントを置くが、平板型も聞かれ、また県外の人からは前2拍のみのアクセントも聞かれる。古くは「かるいさわ」と発音され、地元住民は現在もそのように呼称する。
  • 山形 (やまがた) 村
2拍目にアクセントを置くが、地元では「村」がつく場合であっても原則どおりに平板型にはならずに、前2~4拍目にアクセントを置くものも聞かれる。(「○○○○町」と言う時のようなアクセントになる)

[編集]

  1. ^ 国立国語研究所(1975年)「日本言語地図6」
  2. ^ 平山輝男(1992年)『現代日本語方言大辞典 第1巻』「全日本方言区画図」
  3. ^ 金田一春彦(1943年5月)、『音声学協会会報72~75号』「静岡・山梨・長野縣下のアクセント」 『日本列島方言叢書8』に再録。
  4. ^ a b 「長野県史 方言編」 アクセント調査は1974年から1978年
  5. ^ a b NHK出版「NHK日本語発音アクセント辞典 改訂新版」

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • 『ふたつのアクセント 長野県のことばと共通語』工藤敦男 著(銀河書房、1978年発行 ISBNなし)
  • 『NHK日本語発音アクセント辞典 改訂新版』NHK放送文化研究所 編(NHK出版、1992年発行 ISBN 4-14-011040-6) - 共通語のアクセントはこの書籍に依った。
  • 『長野県史 方言編』(長野県史刊行会、1992年発行 ISBNなし) - 県内各地の伝統的な語彙、音韻、アクセント(地域別・世代別)を掲載。
  • 『言語地理学研究』馬瀬良雄 編(桜楓社、1992年発行 ISBN 4-273-02613-9
  • 『日本列島方言叢書8』(ゆまに書房、1996年発行 ISBN 4-89668-829-5
  • 『新明解日本語アクセント辞典』金田一春彦監修(三省堂、2001年発行 ISBN 4-385-13670-X


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