小さな機関車たち
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『小さな機関車たち(汽車のえほん22) 』(ちいさなきかんしゃたち きしゃのえほん22)(原題Small Railway Engines)は、低学年の児童向け絵本シリーズ「汽車のえほん」の第22巻である。なお当巻に登場する「ちんまり鉄道」は舞台・キャラとも独立性が高い為、併せて解説する。
目次 |
[編集] 概要
イギリスのウィルバート・オードリー牧師が1967年に発表した汽車のえほんシリーズの第22巻。4話の短編作品を収録した低学年の児童向け絵本。挿絵はガンバー&ピーター・エドワースが担当。ポプラ社から1980年11月に日本語訳が出版されていたが、2004年頃に版元品切れ再版未定になり。絵本専門店等の流通在庫か古書でしか入手できなくなっている。
[編集] 成立の過程と作品背景
1945年から、ほぼ毎年に1巻づつ続巻してきた本シリーズの第22巻。当時オードリー牧師が熱心に活動していた保存鉄道の援助の一つで、レーブングラス・アンド・エスクデール鉄道の援助活動の一部として執筆された。同鉄道をモデルとした15インチゲージのアールズデール鉄道(ちんまり鉄道)の機関車たちが登場する。
[編集] 収録作品
- 線路のじゃり(Ballast)
- 目には目を(Tet for Tat)
- マイクのきてき(Mike's Whistle)
- やくにたつ鉄道(Useful Railway)
[編集] ちんまり鉄道
正式名称はアールズデール鉄道 (Arlesdale Railway)。22巻以降にも登場する(第34巻と38巻)が、日本で読める書籍では22巻の登場が殆どとなっている為、便宜上この項目で解説する。ミッド・ソドー鉄道(デュークの鉄道)の廃線跡に再建され、砂利の運搬と観光客輸送を行っている。軌間15インチ(381mm)のミニチュア鉄道だが、イギリスにはこのようなミニチュアサイズの公共鉄道が数多く存在している。クリストファー執筆の新シリーズでは、運転室に無線機まで搭載している。今の所人形劇に登場せず絵本のみだが、
- 実在の鉄道は権利関係を理由に全く出ない所も多い(これら保存鉄道のスタッフとオードリー牧師の仲はよいが、人形劇の制作陣とは必ずしも仲がよい訳ではない)
- この鉄道固有の話のストックが少ない
- 鉄道のサイズが小さい為従来の造形や技術の流用が難しい
- 「マイクのきてき」はこうざんてつどうに舞台とキャラを置き換えて放映された
- この鉄道の車両「バート」と重複する名前の人形劇オリジナルキャラクターがすでに登場している
などの理由から、今後も人形劇には登場しない可能性が考えられる。
[編集] 蒸気機関車
- バート (Bert)
青いボディー。ふとっちょ牧師をずぶ濡れにした。レーブングラス・アンド・エスクデール鉄道の「アート」がモデル。
- マイク (Mike)
自分の赤色が気に入らないらしい。珍しい事に貨車が好きで客車が嫌い(ちんまり鉄道の貨車たちは基本的に行儀がいいらしい)。上記鉄道の「マイト」がモデル。
- レックス (Rex)
緑色のボディー。3台とも本土の廃止された鉄道から、ちんまり鉄道の開業にあわせて一緒に転入して来た。上記鉄道の「エスク」がモデル。この3台はヘンリーやゴードンの姿をそのまま縮めた様なデザインとなっている。
- ジョック (Jock)
原作第34巻『Jock the New Engine』より登場した。黄緑色のボディー。前述の3機より煙突が長い為、エドワードやジェームズと似たデザインに見える。マイクと喧嘩になったことがある。上記鉄道の「ノーザン・ロック」がモデルで、修善寺虹の郷には新造された全く同じ機関車「ノーザン・ロックII号」も存在する。
[編集] ディーゼル機関車
- フランク (Frank)
原作第34巻『Jock the New Engine』より登場した、灰色のボディーの機関車。蒸気機関車ばかりもてはやされるのを不公平に思っている。上記鉄道の「パーキンス」がモデル。
- ブリスター1号&2号 (Blister I&II)
設定上のみで物語に登場しない。2台とも同型の双子の機関車。黒いボディーで、顔の周りには警戒色(黒と黄色の縞)が入っている。気難しい性格で、エンジンをかけるのに手間取るらしい。上記鉄道の「シリル」がモデル。
- シグリッド・オブ・アールズデール (Sigrid of Arlesdale)
設定上のみで物語に登場しない。青のツートンのボディーで、極めて珍しいBo-Co-Boの軸配置が特徴。上記鉄道の「シーラフ・オブ・エスクデール」がモデル。
[編集] その他の車両
- 客車
オープンと屋根付きの車両がある。
- 底びらき貨車
貨物輸送も行う関係上、この鉄道にも存在している。しかし機関車達の言う所によると、大変行儀がいいらしい。これまでの原作に出て来た貨車達とは大違いである。
[編集] 人物
- ちんまりじゅうやく(Small Controller)
本名はファーガス・ダンカン (Fergus Duncan)。髭を蓄えた大柄な紳士だが冗談で「ちんまりじゅうやく」と呼ばれている。スウェードのジャケットにチェックのズボンと、お洒落な井出達だが、チョッキはふとっちょの局長と同じ黄色。
- ふとっちょぼくし(the Fat Clergyman)
原作者オードリー牧師の友人テディ・ボストン牧師(1924-1986:フルネームはレヴランド・エドウィン・リチャード・ボストン)のこと。作中ではバートが「でぶっちょぼくし」と呼んでいる。テディ・ボストン牧師は原作者以上の鉄道愛好家で、自分の教会の農園内に本物の蒸気機関車を走らせるなど、信じられないような鉄道コレクションを持っていた。
- ほっそりぼくし(Thin Clergyman)
原作者ウィルバート・オードリー牧師本人の事。作中ではバートが「やせぎすぼくし」と呼んでいる。
[編集] 局長の鉄道の車両
本巻の内容で特筆すべきもののみ紹介。
- ドナルドとダグラス どちらか特定できないが、バラストクリーナーと作業中の挿絵がある。
- ダック ドナルド・ダグラスに代わって砂利の積み込み作業所へ行く。
- ジェームズ
- ゴードン
- ヘンリー
- バラストクリーナー この巻のみに登場。何故か眼鏡をかけている。電源車が描かれていないのはリアル志向のエドワーズにしては珍しい。しかし一目見て何をする作業車か子供でも分かる挿絵の力は、高いものと評価できる。
[編集] その他
- この巻では機関車の顔が肌色に描かれている挿絵が多くある。この現象はエドワーズの絵に特有で、他の巻でもいくつか見られる。
- 15インチ鉄道は、静岡県修善寺の「虹の郷」にも存在する。ただしこちらは公共鉄道ではなく遊覧鉄道扱い。バートのモデルになった同型機も存在するが、力が弱く予備機状態である。
[編集] 外部リンク
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原作中心 | 汽車のえほん - ウィルバート・オードリー - 桑原三郎 - ポプラ社 |
原作絵本 | 1:三だいの機関車 - 2:機関車トーマス - 3:赤い機関車ジェームズ - 4:がんばれ機関車トーマス - 5:やっかいな機関車 - 6:みどりの機関車ヘンリー - 7:機関車トービーのかつやく - 8:大きな機関車ゴードン - 9:青い機関車エドワード - 10:四だいの小さな機関車 - 11:ちびっこ機関車パーシー - 12:八だいの機関車 - 13:ダックとディーゼル機関車 - 14:小さなふるい機関車 - 15:ふたごの機関車 - 16:機関車トーマスのしっぱい - 17:ゆうかんな機関車 - 18:がんばりやの機関車 - 19:山にのぼる機関車 - 20:100さいの機関車 - 21:大きな機関車たち - 22:小さな機関車たち - 23:機関車のぼうけん - 24:機関車オリバー - 25:きえた機関車 - 26:わんぱく機関車 |
キャラクター | レギュラー機関車(トーマスからオリバーまで) - トップハム・ハット卿 - キャラクター総合・その他 - ディーゼル機関車 - 人形劇オリジナル蒸気機関車 - 自動車キャラクター - 登場人物 - こうざんてつどう・スカーローイ鉄道 - カルディー登山鉄道 - ちんまり鉄道 - フライング・スコッツマン |
原作・人形劇共通 | こうざんてつどう・スカーローイ鉄道 - 原作と人形劇 - ソドー島 - フライング・キッパー |
人形劇中心 | きかんしゃトーマス - ブリット・オールクロフト - ポンキッキ(ひらけ!ポンキッキ、ポンキッキーズ) - のりスタ! - シーズン毎制作史 - サブタイトルリスト - 劇場版 魔法の線路 - 関連商品 - ビーナランド きかんしゃトーマス - がんばれタッグス |