TOPS
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TOPS（Total Operations Processing System、総合運行管理システム）は、鉄道システムの保有する鉄道車両を管理するコンピュータシステムである。サザン・パシフィック鉄道で開発されたこのシステムは広く販売され、イギリス国鉄が採用したことで広く知られている。
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[編集] 初期の開発
1960年代初頭、技術への取組で一歩先んじていたサザン・パシフィック鉄道は総合運行管理コンピュータシステムを開発し、Total Operations Processing System の頭文字をとって TOPS と命名した。 その開発意図は鉄道車両にかかわる保守履歴、車両配置、運行記録といった全ての書類をコンヒュータ上の情報に置き換え、保守部門の操作端末から常時データ更新することにあった。紙ベースではこれら情報の追跡、更新、検索いずれも困難であり、電話でやりとりするしかなかった。コンピュータ化により鉄道資産の管理と有効活用が容易になった。
システムを他の鉄道会社に売るのが開発コストを転嫁する方法の一つであるのはもちろんであり、サザン・パシフィック鉄道もそうしたに過ぎない。アメリカの少なからざる鉄道会社が、世界中の多くの鉄道会社同様にこのシステムを購入した。
[編集] イギリス国鉄での採用
1960 年代後半、 イギリス国鉄は効率改善手法を調査する過程で、TOSP がカナダ国鉄で使われているのを知り、ソースコードごとシステムを購入し (当時、メインフレーム上の大規模システムはではソースコードごと購入するのが普通だった) て序々に実装していった。当時、イギリス政府は国営企業に対してイギリス製品を購入させる「バイ・ブリティッシュ」政策で臨んでおり、TOPS の運用に必要なIBM 360メインフレームの購入にはヒース内閣の承認が必要だった。
TOPS の導入により、イギリスの鉄道で用いられてきた方法を変更する必要が生じた。それまでは機関車には動力方式に応じて三系統の番号体系が用いられていた。蒸気機関車には 5 桁までの数字が、ディーゼル機関車と電気機関車にはそれぞれ D、E ではじまる 4 桁の番号が与えられた。従って、蒸気、ディーゼル、電気と最大三輌の機関車が同じ数字となる場合があり得た。TOPS はこれを扱えず、類似する機関車をグループとして扱うには連続した番号を与える必要があった。
[編集] TOPS 番号
TOPS で必要とされたのは番号の連続性だけだったが、改番の際に 5 ないし 6 桁の TOPS 番号を二つの部分に分けて付番する方式が採用された。1 形式で 1000 輌を越えるものはなかったので、下位 3 桁は個々の形式の車輌番号 001 から 999 に、また上位 2 ないし 3 桁がクラス番号として機関車および分散式動力車の形式ごとに割り当てられた。桁の分割を強調するために '47 401' といった具合に空白を挟んで書かれることが多いが、TOPS の内部では空白を含まない形で扱われ、システムでの表示も '47401' となる。TOPS ではサブクラスをスラッシュ '/' とサブクラス番号を使って '47/4' などと表示される。サブクラス番号は、たとえば '47/4' クラスの車輌は '47 401' から始まるといった具合に機関車の「番台」として慣習的に使われているが、TOPS の制約というわけではない。あるサブクラスの車輌が 99 輌を越える場合には、車輌番号は次の 3 桁目まで拡張される。クラス '47/4' は 200 輌以上あるので、'47/5' および '47/6' というサブクラスは存在せず、次のサブクラスは '47 701' から始まる '47/7' である。しかし、クラス158/0は 158 701 から始まるといった例外はある。
機関車にはクラス番号 01 から 98 が割り当てられており、ディーゼル機関車はクラス01 から 69、直流電機機関車はクラス70 から 79、交流電機機関車はクラス80 から 96、事業用機関車はクラス97、蒸気機関車がクラス98 である。風変わりなことに、イギリス国鉄籍の船にはクラス99が割り当てられている。機械式および液体式気動車にはクラス100 から 199、電気式気動車にはクラス200から299 がそれぞれ割り当てられている。以降は電車に割り当てられており、架線式交流電車はクラス 300 から 399、イングランド南部の第三軌条式直流電車はクラス 400 から 499、それ以外の直流電車はクラス 500 から 599 である。クラス 600 から 699 は未だ使われていないが、900 番台の一部のクラス番号は分散動力方式の事業用車輌 (ほとんどが営業用車輌からの改造) に使われている。詳細はイギリス鉄道の機関車および動力車輌の番号と分類を参照のこと。
客車および動力分散式形式の個々の車輌には 5 桁の番号が割り当てられている。1980 年代初頭からは機関車と重複する番号を割り当てることは禁じられているが、それ以前は番号の前の文字符号も番号の一部と考えられていたため重複があり得る。詳細はイギリスの客車および貨車の番号と分類を参照のこと。
機関車には 1972 年から TOPS 番号が割り振られたが、電車および気動車への適用は遅れた。イギリス国鉄クラス52ディーゼル機関車など、廃止予定の形式では TOPS 番号は割り振られたものの 1970 年代遅くまで従来の D を前置した番号で運用されていたものもある。
[編集] 最近の展開
この数十年で TOPS はすっかり時代遅れになってしまった。メインフレームと文字端末の組合せは実にユーザー「アン」フレンドリーでわかりにくく、使いにくい上にコマンドベースであるため操作者のミスに影響されやすい。更に、TOPS は独自のプログラミング言語 TOPSTRAN (厳密には別言語ではなく、IBM アセンブラマクロ) で書かれており、保守できるようにプログラマを訓練するのが日増しに困難になっている。イギリス国鉄の分割民営化も TOPS にとっては深刻な問題である。TOPS はそもそも分割民営化を想定して設計されてはいない上に、しなければならない情報更新を怠っている列車運行会社もあるからである。
TOPS により使い易いユーザインタフェースをかぶせようという TOPS 2000 計画がある。TOPS 以外にも TRUST や Genius といったシステムが並立しているが、いずれも TOPS を置き換えるには至っていない。
[編集] 出力例
TOPS の典型的な出力例として、ウィンズフォード近くのオーヴァー・アンド・ファートン (Over & Wharton) からレディングウェストジャンクションへ向かう、貨車 25 輌からなる貨物列車の場合を示す。[1]
K383400 0010 2837 22/10/86 U483 ON N199 BY KO TRAIN ENQUIRY RESPONSE FOR 377Z380 22 TFA - 9KJ ACTUAL TRAIN ID 377Z380 22 BOOKED 7Z380 DEP OVER&WHAR 1520 22 2 HRS 20 MINS LATE FOR REASON L CAT B SECTOR 5 LOCO 25901 LOCO 25908 25 LDS 0 MTYS 888 TONNES 799 T/FT 418 POTENTIAL VAC BRAKE FORCE STATION CONSIST ARR DEP LDS MTYS SCHEDULE 37015 OVER&WHAR 1520 025 000 71212 65700 BESCOTYD NRP 1707 EST 1709 EST 025 000 74260 READINGWJ DETAIL 2007 EST 025 000 END
