RPG-29
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RPG-29(ロシア語:РПГ-29)は、ソ連の開発した携帯式対戦車擲弾(ロケット弾)発射器。1989年採用。ヴァンピール(Вампир;吸血鬼)とも呼ばれる。
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[編集] 概要
名称は、ロシア語で携帯式対戦車擲弾筒を意味する「ручной противотанковый гранатомёт」の頭文字をとった略称から作られた。英語でRocket-Propelled Grenade(ロケット推進擲弾)と綴られる通り、対戦車擲弾が砲身から射出後に弾体の固体ロケットに点火し飛翔するため、厳密な意味でのロケット砲ではない。有効射程は、500m以下。写真の弾頭はダンデム弾頭のHEAT弾で爆発反応装甲に当たっても無力化されない為のものである。最新主力戦車の複合装甲を貫徹することは難しいが、それがない側面や背面、窓のなどの他弱点に命中すれば行動不能にできると目されている。
[編集] 戦歴
RPG-7と同様にゲリラ等により幅広く使用されており、2006年のレバノン侵攻においてはヒズボラが使用し、イスラエル軍のメルカバを行動不能にしたと報道された。メルカバはMk.1からMk.4まで存在しているが損害の大半はMk.1などの初期型である。メルカバは型を重ねるごとにHEAT対策が強化されており最新型のMk.4はRPG-29をもってしても撃破するのは困難である
2007年5月、英国防省は2006年8月にイラクのアマラでイギリス軍のチャレンジャー2がRPG-29による攻撃を受け、車体前面の爆発反応装甲と車体前面の装甲を貫かれて3人の乗員が負傷(操縦手は重傷)していた事を発表した。ただし、チャレンジャーの装甲は砲塔の前部と側面のみが複合装甲であり、車体は通常の均質圧延装甲である(普通、西側製戦車では複合装甲の上に爆発反応装甲を装着することはない)ので、これを持って第3世代主力戦車の複合装甲を正面から撃破できると考えるのは早計である。
[編集] 設計
発射器
- 口径:105mm
- 重量:12.5kg
- 全長:1850mm
弾頭
- PG-29V
- 弾頭:タンデム成形炸薬弾
- 重量:
- 直径:64mm+105mm
- 貫徹能力: