MUDDY
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MUDDY | |
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ジャンル | ファンタジー漫画 |
漫画 | |
作者 | 藍本松 |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊少年ジャンプ |
発表期間 | 2008年3号 - 16号 |
巻数 | 1巻(全2巻予定) |
話数 | 全12話 |
その他 | プロトタイプの読切が2本ある (いずれも同タイトル)
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『MUDDY』(マディ)は藍本松による漫画作品。週刊少年ジャンプ2007年度第36・37合併号で読み切り掲載され、2008年度第3号から16号まで本誌連載された。
読み切り掲載された作品については『MUDDY (読み切り)』を参照。
目次 |
[編集] あらすじ
キメラ研究所を追い出されたキメラ学者のクレイは、放浪の旅中に立ち寄った古びた研究所で、キメラ人間を偶然ながらに造ってしまう。クレイは、見た目は子供のようなそのキメラ人間に「マディ」と名付ける。
クレイはマディと生活を送るにつれ、マディが生まれたばかりでまだ何も物事を知らない事、そして教えればその知識を吸収する事に気付く。そこでマディの生みの親として様々な経験をさせねばと思い立ったクレイは、マディに人間らしい生活を教えるため、彼と共に旅に出ることになる。
[編集] 登場人物
[編集] 主要登場人物
- マディ
- 本編の主人公:土を主食とする人造人間(週刊少年ジャンプ掲載分の設定では、キメラ人間)。性別はクレイが「息子」と言っているシーンがあるので男だと思われるのだが、後述するように女性の体格にもなれるので詳しくは不明。どこでも勝手に土を食べてしまうため、クレイに注意されている。身体が泥で出来ており、泥を食べることで身体の体積を大きくすることができる。また、身体を構成する泥が存在する限り、身体が千切れても再生する。体内の構造を変えることで、女性の身体になったり身長を伸ばしたりできる。
- 生まれて間もないので知能は低い。そのためなんにでも興味を示す
- クレイはマディを製作したばかりであるため、マディの特性についてはほぼ何も知らなかった。泥人間だが一応人間らしいところはあり、好きなアニメは定刻通りに見るらしい(但し深夜アニメ)。好きなキャラクターは電車の『アンダーソン』。
- 作者が好きなジョジョの奇妙な冒険ストーンオーシャンに登場するフー・ファイターズが、モデルである。
- クレイ
- 元学者。特徴的なメガネをかけていて、それが無いと「外を歩けない」(最終話参照)ほど視力が弱い。14歳で博士号を取得したため当時は「天才少年」としてその名を知られた。しかしキメラ研究所に配属されたのはいいものの、才気が潰れてしまったのか、その後なんの実績も上げることができず、ついにお払い箱となってしまった。放浪生活の中でとある偶然からキメラ人間・マディを製造する。
- 世間のことについて何も知らないマディを見て、マディ自身の旅についていくことを決意する
- 他人に流されやすいタイプ。やたらと独り言が多い。
- ルビイ
- コランダムの妹でキメラ学者。コランダムの命で発信機を頼りにマディを探し攫おうとするが、発信機入りの飴玉を食べてしまったクレイをマディと勘違いする。時には強硬な手段に出ることもある強気な女性。しかしトイレで用を足していたクレイに鉢合わせして赤面したり、マディが子供のような外見だったため攫うのは酷だとして断念するなど、女性らしい一面も持つ(単に可愛いもの好きという可能性あり。)。コランダムの命に逆らってマディの護衛を努める事を宣言した。
- コランダムが発明した形状記憶フェレット「紅鼬」を連れている。躾けることであらゆる形状に変化することが可能。登場時、彼女の剣がクレイに巻き付いたのはこの能力である。他にも高速で移動できる乗り物「陽炎」などを所持している。
- コランダムに対しては兄として尊敬しており、敵となってもアダマスの攻撃から彼を守ろうとした。現在はスズらと同じキメラ研究所で働いている。
[編集] その他の登場人物
- スズ
- キメラ研究者の女性。知性のある植物キメラの研究をしており、クレイのことを聞いて純粋に自分の研究を認めてもらおうと思っている。独り暮らしだが家の中は植物だらけ。ドジっ娘でもあり、その性格と才能が災いしてある事件を起こしてしまう。
- マディとはすっかり仲良くなり、彼に人間生活をある程度教えた。
- 現在、キメラ研究所で新人の世話をしている。
- サンドロ
- クレイの弟。ジャスパー邸で警備員のアルバイトをしていた。大学生で、キメラ学者を目指している。天才と呼ばれた兄に嫉妬しているらしく、何かと文句をつける。世間のことについてはクレイより物知り。
- 現在はキメラ研究所で、研修生としてスズに色々とこき使われている。
- コランダム
- ジャスパーの部下でキメラ学者。ジャスパーの命令で女狩りを実行していた。潔癖症。攫った人数は実に2456人。ジャスパーにはあくまで研究のために協力しているだけで、忠誠心はさらさらない。マディをキメラ人間であると見破り、興味を示す。発信機を仕込んだ飴玉をマディに与えた。目的のためなら手段を選ばない性格。地位や名声には興味はなく、ただキメラを造ることだけに専念している。その真の目的は力と知性を持つ無限の兵器「キメラ兵士」を造ることだった。現在行方不明。マディ曰く「コランだむ」。
- サフィール
- コランダムの部下。ルビィがコランダムの命に逆らったため自らもコランダムの為に行動に出る。冷静な性格の女性で、ルビイのことをみくだしている。コランダムに代わってその名をはせており、クレイの研究所にも講演に来たことがある。いわばコランダムの隠れ蓑となっている。
- コランダム失踪後は、キメラ工学の不祥事の第一人者として、その責任を追及されている。
- クガネ
- クレイがしばらく定住した村の富豪。多数のキメラを飼っている。息子のコガネと共にマディを強奪しようとするが、泥を食べて巨大化したマディに恐れをなして逃げかえる。
- コガネ
- クガネの息子。マディが土を食べるところを目撃し、彼がキメラ人間であることを見破る。彼欲しさにクレイから奪うためにキメラたちを研究所にけしかけた。一応横文字は読める。
- ハリ
- キヨネの街に住む少年。ジャスパーの『女狩り』に紛れ込むために女装していたが、マディによってバレた。服屋の息子。
- 金目当てに女装する男達とは違い、妹を助けに来た。
- ルリ
- ハリの妹。コランダムの血液検査で『陽性』反応を示したため、監禁されている。キメラ人間の製作のため、体内の血を抜かれて衰弱していたが、解放され自宅で療養している。
- ジャスパー
- 金で成りあがった権力者。ダイヤのような眼鏡をつけており、ミドリという太った猫を飼っている。『女狩り』と称してキヨネに住む女性を攫っては金を持たせて帰していた。それは自分の猫と合成することが可能な人間を探すためだった。(猫耳を想像していた)サンドロ曰く「成り上がりの汚いやつ。」。
[編集] キメラ
- マジュ
- サボテンと犬のキメラ。スズが造った知性ある植物キメラの第1号。照れ屋らしいが、恥ずかしがると溶解液を吐きだすので危険。スズの強力栄養剤で活性化して暴れたが、マディが栄養剤を取り出したおかげでかなり小さくなった。
- ミドリ
- ジャスパーの飼っている太った猫。彼女の血とルリの血とを合成してキメラ人間を造ろうとしたが失敗、上半身が猫、下半身が人間という不完全な形になり、コランダムの手の中で崩れ落ちた。ジャスパーのイメージでは猫耳少女になる予定だったらしい。
- アダマス
- コランダムが造ったキメラ兵士のサンプル。身軽な体と高い筋力を持つ。知能は低く、主人であるコランダムに襲いかかることもある。コランダムの命でマディ捕獲に向かう。自分を制御するコランダムの催涙スプレーのようなものを破壊し、敵味方関係なく暴れまわったが、最後はクレイの策略で間欠泉をもろに浴びて細胞を直接焼かれた。
- ドラゴン
- 鳥と蝙蝠のキメラ。物語冒頭でキメラ研究所B棟のフローが造った。
- ペガサス
- 馬と蝶のキメラ。クガネの屋敷にいるキメラの一匹。
- 鉄皮猫(スチールキャット)
- 猫と鉄のキメラ。クガネの屋敷にいるキメラの一匹。希少種らしくクレイも見たことがなかった。
- ミルクワーム
- 牛乳と芋虫のキメラ。体液がミルクで甘い。スズはコーヒーのミルクに利用しているようだが、潰さなければならないためかなりグロテスクである。
[編集] 用語
- キメラ
- 二つの異なる生物を合成して、新たに造り出された生物。
- キメラ学者
- キメラの研究をしている人間。研究員の証であるバッジをつけている。
[編集] 備考
- 前述の通り、2度の読み切りを経て、連載作品に格上げとなり、作者にとって初の連載作品となった。
- しかしジャンプの他作品と異なり地味な展開が続いた事や、主人公たちの目的や目標などが定まっておらず分かりにくいとの意見もあり、12週で打ち切りとなった。
[編集] 単行本
- クレイとマディ ISBN 9784088745367