LaGG-3 (航空機)
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LaGG-3(ЛаГГ-3)は第二次世界大戦時のソ連が開発した単発単葉の戦闘機である。戦闘機としての性能はさほどでも無かった為、主に対地攻撃機として使用された。
[編集] 概要
先に設計したLaGG-1の試作機が初飛行した頃に当局が航続距離の要求を800kmから1,000kmに変更した為に再設計を余儀なくされた。またLaGG-1が戦略物資の節減の為木製としたので重量が嵩んだので、高出力の発動機に換装が要求された。それに応えた物が本機である。度重なる要求に生産中でも改良が続けられ、主翼前縁隙間翼の採用、武装の削減などが行なわれた。
しかし相手となったBf 109Fと比較すると、これらの改良を行なっても依然としてあらゆる状況でも劣勢に立たされた。パイロットたちはLaGG-3に乗ることは不幸な事だと考え、なんと「塗装された棺桶」(лакированный гарантированный гроб)と呼んでいたのである。しかも粗製濫造の粗悪品で量産機は最高速度がカタログデータより40km/h程低かった。同時期の他のソ連戦闘機との比較としては機体が頑丈で、初期型は火力も強い。被弾してもLaGG-3はYak-1(鋼管骨組羽布張り構造)とは違い容易には火を噴かなかったものの、木製の為被弾時に簡単に空中分解してしまった。
生産中にも引き続き改良が行なわれ、生産ロットにより多少の変型が生じている。総生産数は6,258機で、66の生産型がある。最終生産型の66型は操縦性能に大きな改善が見られ1945年まで使用されている。発動機の馬力不足の根本的な解決の為、ラボーチキンはLaGG-3にシュベツォフ M-82を搭載し、傑作機といわれるLa-5へと進化したのである。
[編集] 主要諸元
- LaGG-3 33型
- (28型以降はクリーモフ M-105PF)
- 出力:1,050 馬力(1,240馬力)
- 最高速度:560 km/h(575 km/h)
- 航続距離:650 km
- 実用上昇限度:9,600 m
- 乗員:1 名
- 武装:ShVAK20 mm機関砲×1、ベレジンUB 12.7mm機銃×2、小型爆弾又はRS-82ロケット弾×6