Geode LX
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Geode LX(ジオード エルエックス)は、米AMD社が製造しているx86アーキテクチャ互換CPU。
シンクライアント・組み込み用途向けの超低消費電力CPU "Geode" シリーズのミドルレンジグレード製品である。
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[編集] 概要
AMD製品としては、Cyrix社のMediaGXの流れを汲む"Geode GX"が存在するが、あらゆる情報処理用途の電気製品にx86アーキテクチャを使用できるようにするため、さらに処理能力の高い、低消費電力システムの組めるCPUとして開発された。
0.13μmのプロセスルールで製造され、動作電圧は1.2V、LX 800でチップ全体のTDP(熱設計消費電力)は平均値で1.6W、最大で2.4W[1]。システムによっては放熱フィン無しで用いることができる。 チップとしてはCPU部分とノースブリッジ、グラフィックが統合されており、CPU部分のみの消費電力はLX 800で平均値で0.9Wとされている。
DDR-SDRAM対応のメモリコントローラ、2Dグラフィック、PCIブリッジなどの機能を1チップ内に統合されているが、別途サウスブリッジにあたる「CS5536コンパニオンチップ」が用意されている。
OSは、MS-DOS,Windows,Linuxなどが動作する。Windows XP上ではウェブブラウズ、オフィスアプリケーションなどの通常用途ではストレス無く利用できるが、3Dゲーム、動画閲覧などCPUパワーが必要な用途にはあまり向かない。また、Windows VistaはCPUの能力不足のため利用不可といわれる。
なお、競合製品として、VIA C3 (組み込み用途向け),インテル A100シリーズ (コンシューマ向け) がある。
[編集] ラインナップ
- CPU
モデルナンバー | クロック周波数 | 消費電力 |
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LX 900@1.5W | 600MHz | 最大5.1W (TDP max) , 通常2.6W |
LX 800@0.9W | 500MHz | 最大3.6W (TDP max) , 通常1.8W |
LX 700@0.8W | 433MHz | 最大3.1W (TDP max) , 通常1.3W |
- コンパニオンデバイス
- CS5536
[編集] 主な用途
上記のとおり、シンクライアント、機器組み込みがメインとなっており、コンシューマ向け製品への適用例はまだまだ少ない。 いわゆる「パソコン」への適用はOS・アプリケーションの肥大化・要求処理能力増大化によって困難になりつつある。
- KOHJINSHA SAシリーズ
- OLPC XO
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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生産終了 | Am2900, Am29000, Am9080, Am286, Am386, Am486, Am5x86, K5, K6, K6-2, K6-III, Duron, Athlon, K7版Sempron, Alchemy |
生産中 | Geode, Sempron, Athlon 64, Athlon 64 X2 (Athlon X2, AMD K9), Athlon 64 FX, Turion 64, Turion 64 X2, Phenom (AMD K10), Opteron, FireStream |
開発中 | Turion X2 Ultra · Bobcat, Bulldozer · Fusion |