ATI Technologies
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ATI Technologies(エーティアイ テクノロジーズ)は、かつて存在したカナダの半導体設計会社である。2006年にアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)に買収され、以後は同社のグラフィックコントローラのブランド名として提供が行われている。
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[編集] 概要
1985年に中華人民共和国出身のKwok Yuen Ho(何国源)らによって設立され[1]、ビデオカードのRADEONシリーズを開発していることで知られる。設立当時は経営状態を左右してしまうようなリスクの大きな高性能な製品の開発には消極的で、低価格ではあるものの堅実な製品「Mach」シリーズを開発、半導体単体での販売はせずに半製品にまで仕立ててアセンブリメーカーに対しを販売していた。
1990年代中期にはビデオ市場に多数のメーカーが参入し、老舗のATIも数あるメーカーの中の一つとして認識されていた。90年代後半にはうなぎ登りになる開発費に見合う販売が出来ないシーラス・ロジックや3dfxなど競合メーカーが次々撤退していく中、RAGEシリーズで着実な販売をし、それに続くRADEONシリーズのヒットにより、現在はNVIDIAと並びビデオチップメーカーの2大巨頭である。
ゲーム機であるニンテンドーゲームキューブのビデオチップを開発したArtXを買収している。
チップセット市場にも参入したが、その構成部品の品質が思うように向上せずNVIDIAの後塵を拝していた。
米国時間の2006年7月24日に、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が、ATI Technologies を総額54億ドルで買収することを明らかにし、2006年10月25日に買収の完了を発表した。これによりAMDは、ATIとインテルの間で交わされたクロスライセンス契約を取得した [2]
これにより、ATIはAMDと競合しているインテルのプラットフォームへの部品供給としての道はなくなり、AMDのプラットフォーム専用に構成部品を供給するAMDの一部門となった。ちなみにATIは買収されるまで基本的にIntel寄りだと思われていた事もあり(買収前はATIのチップセット販売業務の利益は八割方Intel向けの製品からだったそうである[3])、Intelの反応を見てもこの買収劇が一部の人間を除いてかなり意外なものだったのが分る[4]。
[編集] ビデオカードについて
ライバルのNVIDIA社とは3D機能で熾烈な性能争いを繰り広げており、得意不得意な使用シーンにより一概にどちらが優れていると評価できないほど実力は拮抗している。最近(2007年末)では超ハイエンド製品の方面でNVIDIAにやや先行されているが、デュアルダイ[5]のような新技術の投入で巻き返しを企んでいるようである。
しかし開発サポート体制はNVIDIAと比べるとあまり良いとは云えず、トラブル対応の面でも一歩譲る。また、ドライバの熟成や更新頻度がNVIDIAより遅いと言われている[6]。一方で画質や発色等がNVIDIA製よりも良いと言われることも多く、また動画再生支援技術の点では昔から力を入れている事もあり、NVIDIAより強いとされている。他にも安定性より先進性などを重視した作りになっている(例:最新メモリ規格「GDDR4 SDRAM」を初めて「RADEON X1950XTX/CrossFire」で採用など)事が多く、良くも悪くも意欲的な製品が多い。その為、HTPC(ホームシアターPC)環境などを構築する自作パソコンユーザーに支持されている。
伝統的に大手PCベンダーへの大量供給に強く、NEC製などのPCにも搭載されている機種も出ている。Macintoshでは全ての機種にATIのビデオチップが搭載されていたが、2001年以降はNVIDIA製品も採用しているほか、Intel Macではチップセットの内蔵グラフィックスエンジンを採用している機種もある。
マイクロソフトはXbox 360のGPUにATIの製品を採用した。また、任天堂もWiiにATI開発のシステムLSIを使用している。
販売中のビデオカードのシリーズ
- RADEON シリーズ
- FireGL シリーズ
他に、ES1000などのサーバー向け内蔵グラフィックスが、DELLやヒューレット・パッカード製のサーバー全般に搭載されており、広いシェアを持っている。
[編集] チップセットについて
グラフィック機能内蔵のチップセットの開発も行っており、主力製品のRADEON IGP/XPRESSシリーズは大きなシェアを持っている。しかし、純正サウスブリッジに問題を抱えている事が多く、過去にはVIAやULi(現・NVIDIA)のサウスブリッジを代用するマザーボードベンダーも多い。ULi製のサウスブリッジM1573/M1575が数多く採用されていた。
更に過去には、買収した旧ArtXがALiと共同開発したALADDiN7というグラフィック統合チップセットがあった。
[編集] 脚注
- ^ http://ati.amd.com/designpartners/media/bios/kyho.html
- ^ AMD、ATIの買収を完了、プロセッサ分野における強力なチームが誕生 2006年10月25日, AMDのプレスリリース
- ^ The Inquirer: ATI's Intel chipset deal amounted to 80 percent of its chipset revenue Tuesday, 25 July 2006
- ^ Ars Technica: Intel subpoenas ATI August 11, 2006
- ^ R680でデュアルダイGPUへと向かうAMD 後藤弘茂のWeekly海外ニュース 2007年12月4日
- ^ 方針として更新内容がたまってから新しいドライバをリリースしているようである。基本的に月1回のリリースとなっており、ドライバーのバージョンも「8.1」(2008年1月)などとなっている。対するNVIDIAはベータ版など頻繁に新しいドライバをリリースするため、常に最新のドライバを求めているハードコアゲーマー層からはより支持されている。