A重油
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A重油(えーじゅうゆ)は軽油の一種である。日本独自の税制上の油種区分では、A重油とは重油の一種とされているが、化学組成的、世界標準的には、軽油の一種である。
[編集] 概要
重油はJIS規格によって、動粘度により「1種~3種」に分類されており、順に「A重油」「B重油」「C重油」と呼ばれる。
日本独自の税制上の分類。ディーゼル車の燃料としてガソリンスタンドで販売されている軽油とほぼ同じ成分である。若干炭素の含有率が高いものの、ディーゼルエンジンを回すうえでは何の問題もない。軽油には1リットルあたり32.1円の税金(軽油引取税)がかかるが、用途を農業用・漁業用に限定することを条件に無税としたものがA重油である。精製原価を超える税金がかかるため、違法行為であるが、無税のA重油をトラック燃料に用いようとする行為はあとをたたない。管轄省庁では簡易に検査できるよう、A重油にはクマリンという化学物質を混入することを義務づけている。ある種の試薬を混合することで発色し、簡易に軽油とA重油を識別出来るようにされている。
また、問題ないとしたが、これは現在では旧型に類するディーゼルエンジンである事に注意する必要がある。近年の自動車用ディーゼルエンジンでは、排気ガス対策としてEGRや触媒を設けており、またガソリンエンジン同様燃料噴射やノックコントロールなどを電子制御ECUで行っている為、熱量や硫黄含有量の異なるA重油を使用すると、トルク低下・黒煙増大・バルブリセッション(バルブやバルブシートが腐食してしまいバルブが閉じる事が出来なくなる)の原因となり、最終的にエンジンの寿命を縮める事になる。
[編集] A重油の規格
- 引火点:60℃以上
- 動粘度(50℃):20cSt(mm2/s)以下
- 流動点:5℃以下
- 残留炭素分:質量4%以下
- 水分:容量0.3%以下
- 灰分:質量:0.05%以下
- 硫黄分:質量2.0%以下
- 非課税
- 農業・漁業用途に限る (陸上輸送に用いると違法行為となる。陸上輸送には課税された軽油を用いる。)
- クマリンを含むこと