高校サッカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
高校サッカー(こうこう―)とは、日本における高等学校、中等教育学校の後期課程の生徒、高等専門学校の第1学年から第3学年の学生が行うサッカー大会のことをいう。主催者は全国高等学校体育連盟(高体連)と日本サッカー協会。
目次 |
[編集] 概要
その名のとおり高校生が高校のサッカー部で行うサッカーのこと。全国的な大会として以下の大会が有名である。
- 全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会(夏のインターハイ)
- 全国高等学校サッカー選手権大会(冬の国立)
この2大会にクラブユース勢との混合で、2種(高校生年代)の日本一チームを決める高円宮杯全日本ユースサッカー選手権 (U-18)大会(全日本ユース)を含め、三大大会と称する。
[編集] 現状
高校生年代におけるサッカーの場合、野球など他のスポーツとは違い高校の部活の他にいわゆるクラブユースという選択肢もある。特にJリーグ発足後はJリーグクラブのユースチームでプレー後プロで活躍するケースが増えており、中学生年代でのエリートがクラブユースを選択し、そこから漏れた生徒が高校サッカー部を選択する、という潮流が完成しつつある。2006年のAFC U-17選手権で優勝したU-16日本代表においては、登録メンバー22名中高校サッカー部所属者はわずか1名であり、象徴的な結果となった。
しかし、そのような状態であるからこそ高校サッカー部の重要性がかえって高まっている側面も大きい。中村俊輔や本田圭佑のように、中学生年代ではJリーグクラブのジュニアユースに所属していながらユースチームへの昇格がならなかったものの、高校サッカー部でその実力を開花させた選手も存在する。また、クラブユースチームの数は高校サッカー部に比べれば極めて少なく、そこに加わることの出来る選手はごく限られている。中澤佑二や中村憲剛のように高校時代は全く無名ながら後に日本代表までのぼる選手もおり、そうした才能を掬い上げる目の細かな網として高校サッカー部は極めて重要である。従ってJリーグクラブにとって、高校サッカーも依然として貴重な選手の供給源であり、また選手にとっても、「冬の国立」が憧れの舞台である事は変わりない。クラブユースと高校サッカーではマスコミによる扱いの差に著しく隔たりがあり、クラブユースのみの大会はスポーツニュースで取り上げる機会が皆無に等しいという事情もあって、ジュニアユースからユースへの昇格が確実視されながら、冬の国立を目指して高校サッカー部を選ぶ選手もまだ少なからずいる。
優れた才能がクラブユースに集中した帰結として、従来エリート選手が集中していた名門校の地位が下がり、また優れた指導者が高校年代のみならず、小・中学世代でも全国各地で増えつつあることで、選手層の底上げが全国的に進んでいることもあって、高校サッカーは「戦国時代」を迎えている。
- 高校生サッカーチームの天皇杯出場について
日本サッカー協会主催の天皇杯は、各都道府県予選さえ突破すれば高校生チームも出場可能である。ただし高体連所属の高校サッカー部のみではなく、各県都道府県2種登録チーム全て、つまり、高校サッカー部の他にクラブユースにも門戸が開かれている。クラブユースは大都市圏に集中している傾向が強く、2種登録チームをどう都道府県予選に参加させるかは、当該都道府県により事情が異なる。また特にこの点に関しては、高校サッカー部の年間スケジュールの関係もあり、天皇杯に特化した予選を行うのは難しい事情もあり、2種登録チームの天皇杯予選出場校の条件を他の大会(JFAプリンスリーグU-18など)の成績と兼用にしている都道府県が多い。(各都道府県での高校生チームの予選出場条件の詳細については天皇杯全日本サッカー選手権大会や各都道府県予選大会の記事を参照のこと。)
[編集] 3大タイトル優勝回数(10回以上)
校名 | 3大タイトル優勝回数 | 総体 | 全日本ユース | 選手権 |
---|---|---|---|---|
国見 | 13回 | 5回 | 2回 | 6回 |
清水商業 | 12回 | 4回 | 5回 | 3回 |
御影師範 | 11回 | 0回 | 0回 | 11回 |
市立船橋 | 10回 | 5回 | 1回 | 4回 |
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
|
|
---|---|
高円宮杯全日本ユースサッカー選手権 JFAプリンスリーグ(高円宮杯の予選を兼ねる) |
|
クラブユース | 高校 |
日本クラブユース選手権 |
全国高校総体 |