高松エクスプレス
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高松エクスプレス株式会社(たかまつえくすぷれす、英称:Takamatsu Express CO., LTD.、愛称:フットバス)は、香川県高松市に本社のある高速バス専業のバス事業者である。
かつて、関西汽船と加藤汽船が運航していた高松港 - 神戸港・大阪港航路の廃止及び縮小に伴い高速バス事業に参入した。
主要株主は関西汽船、加藤汽船。本社所在地は香川県高松市国分寺町新名50番地の2。(国分寺バスターミナルと同所)
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[編集] 沿革
- 2002年 関西汽船と加藤汽船が共同出資で高松エクスプレス株式会社を設立。
- 設立時の本社・車庫は香川県高松市朝日町五丁目4番27号
- 2002年8月5日 高松駅 - なんば間(愛称:たかなんフットバス号)を南海バスと共同で運行開始。(開設当初は湊町バスターミナルは立ち寄らず)
- 2004年3月20日 国分寺バスターミナルが落成し、高松側始発地を同バスターミナルに変更するとともに、本社・車庫も同所に移転。同時に湊町バスターミナルの立ち寄りを開始
- 2005年7月17日 高松駅 - 神戸三宮間(愛称:高松フットバス号 神戸フットバス号)を神戸フェリーバスと共同で運行開始。
- 2008年4月10日 運賃改定予定。競合他社の値上げを受けてのもの。
[編集] 路線
- 高松 - 南海なんば 「たかなんフットバス号」
- 国分寺バスターミナル - 国分寺ダイアパレス前 - 高松駅 - 県庁通り - 栗林公園前 - ゆめタウン高松 - 高松中央IC南 - 三木BS - 志度BS - 津田BS - 大内BS - 引田BS - 鳴門西BS - 湊町バスターミナル(OCAT) - なんば高速バスターミナル - USJ
- 南海バスとの共同運行。
- 大阪全日空ホテルには2006年3月18日より停車していたが、2008年4月10日に廃止された。USJと大阪全日空ホテルはどちらか一方のみの発着だった。
- USJは1往復のみで、USJ発便は高松エクスプレス、国分寺発便は南海バスが担当。大阪-高松間の路線で競合会社を含め大阪側の事業者が定期便でUSJに入る唯一のケースでもある。
- 三木BSは2007年2月26日より停車。
- 高松 - 神戸三宮 「高松フットバス号・神戸フットバス号」
- 国分寺バスターミナル - 国分寺ダイアパレス前 - ジャンボフェリーのりば(下りのみ、2便は通らない) - 高松駅 - 県庁通り - 栗林公園前 - ゆめタウン高松 - 高松中央IC南 - 三木BS - 志度BS - 津田BS - 大内BS - 引田BS - 鳴門西BS - 高速舞子(下り5便、6便は通過) - 箕谷インター口 - 三宮(三宮バスターミナル(ミント神戸1F))
- 神戸フェリーバスとの共同運行。
- 渋滞の名所である須磨ICを抱える第二神明道路を通らないことをセールスポイントにしている。
- 神戸フェリーバス運行便(3往復)のうち2往復は高松駅始発・ジャンボフェリーのりば終着となる。
- 箕谷インター口は2006年3月18日より停車。
- 三木BSは2007年2月26日より停車。
- 高速舞子ではトランクルームへの荷物の積み卸しをしない。
[編集] サービス
[編集] 割引運賃
詳細は公式ホームページを参照のこと。
- なんば線
- たかなんフットバス&ジャンボフェリーセット券(3,990円)
片道はたかなんフットバス、片道はジャンボフェリーを利用し、高松-阪神間を往復できる企画乗車券。大阪・神戸の周遊観光にも便利。ただし、阪神間の交通運賃と三宮バスターミナル-三宮新港第3突堤(ジャンボフェリーのりば)間のフェリー連絡バスの運賃は含まれない。 - なんば線用回数券(4枚つづり)運賃は公式ホームページを参照のこと。
高松エクスプレスのホームページで発券予約をすると、コンビニ(ローソンのロッピー、ファミリーマートのFamiポートの払王サービス)で購入できる。(回数券の座席予約は電話のみ。) - 「小豆島・関西セット券」(なんば線用)1セット券が3,700円、2セット券(1人で往復しても2人が片道で使ってもよい)が6,400円。
小豆島急行フェリーの乗船券がセットになっている。を付けた神戸便は1セット券が3,100円、2セット券が6,000円。なお、小豆島急行フェリーは高松エクスプレスの同系会社・宇高国道フェリーと宇高航路で競合する四国フェリーの系列会社である。 - 他にも「高野山セット券」、「ホテルセット券」などの設定がある。
- たかなんフットバス&ジャンボフェリーセット券(3,990円)
- 神戸便
- 神戸フットバス・ジャンボフェリー共通利用券(4枚つづり5,300円、3枚つづり3,990円)
神戸フットバスには2枚で片道1回、ジャンボフェリーには1枚で片道1回の利用が可能。また、神戸フットバス利用時には共通利用券1枚を運賃1,800円と計算し、同券1枚と差額運賃を支払っての利用も可能である。
この共通利用券は「神戸フットバス開業記念」の期間限定乗車券として発売されたが、ライバル路線となる高松エクスプレス神戸号・さぬきエクスプレス神戸号、ハーバーライナー(JR四国バス、四国高速バス、神姫バス、西日本JRバス共同運行)4社共通で利用できる「高松中央インターバスターミナル開業記念特殊回数券」を発売して対抗したこと、神戸ゆきは神戸フットバスもライバル路線も大阪(なんば)線に比べて乗車率が低いことなどの事情があり、販売期間と有効期限は再々延長され、2007年12月現在の最終有効期限は2008年3月末日となっている。(同年2月に延長された際には、ジャンボフェリーはゴールデンウィーク(4月28日~5月6日)使用不可の制限がついた。さらに6月の延長時にもジャンボフェリーは8月11日~15日使用不可となった。今回も、年末繁忙期にはジャンボフェリーは利用制限がかかる。) - 「小豆島・関西セット券」(神戸線用)1セット券が3,100円、2セット券(1人で往復しても2人が片道で使ってもよい)が6,000円。
- 他にも「ホテルセット券」などの発売がある。
- 神戸フットバス・ジャンボフェリー共通利用券(4枚つづり5,300円、3枚つづり3,990円)
[編集] 予約サービス
- 電話予約
- フットバス予約センター
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- 6:00~23:00と競合他社と比べ予約センターの営業時間が長いことが特徴。
- インターネット予約
- 発車オーライネットに会員登録すれば予約可能。ただし、回数券や共通利用券の予約は電話のみとなっている。
予約後は各社窓口はもちろん、コンビニ(MMS)での購入、コンビニ決済(サークルKサンクス)、インターネット乗車票サービス(旅ぷらざ)にも対応。
[編集] 車内サービス
- 神戸便
- コーヒー、お茶、飴、おしぼり、ひざ掛け毛布の貸し出し(枚数制限あり)。いずれも無料。
以前はなんば便でも行われていたが2006年11月25日限りで廃止された。また南海バス運行便でも、一時缶入りお茶のサービスがあったが、現在は行われていない。(車内サービスをもともと行っていない、或いは中止した高松発京阪神方面ゆきの他社高速バスとの差別化ポイントになっていた。)
[編集] 車両
- 高松エクスプレス
- すべて三菱ふそう・エアロバスハイデッカーで統一。
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- 導入時期により、塗装(たかなん専用車、神戸専用車、共用車)、給湯ポットの位置と側面ガラスの仕様が違う。後部トイレ付き。
- 神戸フェリーバス
- すべて三菱ふそう・エアロバスハイデッカーで統一。
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- 高松エクスプレスの塗装を基本にしながらも、神戸の街並みを描くなど細部が異なる。また、窓は連続窓に統一、給湯ポットは最後尾にある。後部トイレ付き。
- 南海バス
- 堺営業所所属の、後部トイレ付きで白ベースに紫色のアクセントが入った通称「ソラエカラー」車両。
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- 南海バス運行の高速バスの愛称は多くが「サザンクロス」であり、サザンクロスのロゴが入った車両が高速バス標準だが、同社によると、愛称を「たかなんフットバス」で統一しているための措置であるとのことである。ただし、運用の都合上、サザンクロスカラーが運用に入ることもある。
[編集] パークアンドバスライド
詳しくは、フットバスホームページを参照。
- 高松エクスプレス独自のもの
- 国分寺バスターミナル(完全無料)
- 高松中央インター南(48時間まで無料)
- 下車時に駐車サービス券を運転士より受け取らないと、無料サービスの適用外となる。
- 他の高速バスと共通のもの(ゆめタウン高松以外は無料)
- ゆめタウン高松(48時間まで無料・以降24時間500円)
- 下車時に駐車サービス券(高松中央インター南とは券が異なる)を運転士より受け取らないと、無料サービスの適用外となる。
- 三木
- 志度
- 津田
- 大内
- 引田
- 鳴門西
- 以上は地方公共団体が整備。
- その他
- ジャンボフェリーバス停
- 高松東港ジャンボフェリーのりば駐車場(完全無料)
- 箕谷駐車場(神戸市道路公社)
- 無料サービスはない。主に神戸市バス急行64系統利用者向けの駐車場であり、日帰り利用は1回300円。2日以上の利用は1泊1,000円の違約金と同公社のホームページには記載されているものの、1泊以上のパークアンドバスライド利用も可能ではある。
[編集] バスロケーションシステム
- 関西発着高速バス共通のバスロケーションシステムに参加し、ホームページからバスの現在地などを知ることができる。
- バス停留所用表示装置は他社高速バスと共用である。
- フットバス停車停留所で、バスロケーション表示装置設置があるのは、高松駅、ゆめタウン高松、志度、津田、大内、引田(ここまで上りのりば)と、高速舞子(下りのりば)。
[編集] その他
[編集] 愛称の紛らわしさ
- 「高松エクスプレス神戸号」「高松エクスプレス大阪号」は別会社の西日本ジェイアールバス、ジェイアール四国バスの運行で、四国高速バスと阪急バスの「さぬきエクスプレス大阪号」、四国高速バスの「さぬきエクスプレス神戸号」、神姫バスの「ハーバーライナー」と競合関係にある。
- 高松エクスプレスの初期車は、通常リアタイヤ後部にペイントされていることが多いバス会社名を入口横側面窓下にペイントしていることもあり、開業当初は特に「『高松エクスプレス大阪号』と紛らわしい。」との声が一部の利用者から聞かれた。しかし、同社および共同運行各社は愛称「フットバス」を前面に押し出し、なんば線「たかなんフットバス」、神戸線「神戸フットバス」とともに、「足」(Foot)をモチーフとした派手なラッピングにより、差別化を図っている。車内放送やチラシでも「フットバス」を前面に押し出すほか、電話予約センターは、運行3社共通で「フットバス予約センター」と表記を統一している(但し、南海バス予約センターのみ注釈が付く)。
- 乗車時に運転士が乗車券をチェックするため、実際に誤乗車となることはない。
[編集] ミント神戸バスターミナル・OCATののりば統一による紛らわしさ
- ミント神戸完成前、高松エクスプレス神戸号がJR三ノ宮駅前ハイウェイバスのりば発着、さぬきエクスプレス神戸号とハーバーライナーが神姫バス三ノ宮バスターミナル発着、神戸フットバスが東急イン前発着であった。
- ミント神戸バスターミナル開設前に、共同運行の「高松エクスプレス神戸号」「さぬきエクスプレス神戸号」「ハーバーライナー」全便を新神戸駅始発・終着とすると同時に、三宮での乗降場をJR三ノ宮駅前仮設バスのりば(当時)に変更。
- 三宮バスターミナル開設に伴い、フットバスを含めたすべての高松方面行きバスが三宮バスターミナル6番乗り場発着となった。同ターミナル時刻表にはすべて「高松行き」と表記されている。運行会社や最終到着地は、ターミナル内の大型時刻表には記載されているものの、記載が小さくわかりにくい。また、チケットカウンターも異なる。なお、フットバスのチケットは日本交通カウンターで取扱される。
- 同ターミナル6番乗り場には、「高松行き(ジャンボフェリー)のりば」ゆきの神戸フェリーバスも発車する。ミント神戸バスターミナルに発着するようになって以降、バス側面窓などに「高松ゆきフェリーのりばゆき」と大きく書いた案内紙を張っている。
- たかなんフットバスも2003年から湊町バスターミナル経由を開始し、こちらでもJR系、私鉄系と同じ乗り場から発車している。ただし湊町バスターミナルの時刻表上ではたかなん・南海バスとJR系、私鉄系とでは全く別路線扱いとなり、前者の場合は案内で「南海バス」「高松EXP」を強調して誤乗の防止に努めている。
- フットバスは、同ターミナルのLED案内表示機の行き先に「高松・国分寺」と表示されるために区別できる。
[編集] コマーシャル・イメージ戦略
- 加藤汽船と資本関係が深い瀬戸内海放送ではコマーシャルが放送されている。さらに、瀬戸内海放送と関係の深いFM香川でもコマーシャルが流れていた。
- ジャンボフェリー同様、フットバスのテーマソングも存在した。高松駅バスターミナルで発車案内放送のバックに流れていたが、便数の増加に伴い肉声アナウンスとなり、聞くことができなくなった。
[編集] 共同運行会社(南海バス)について
- 南海バスは、なんば(OCAT) - 高松間では阪急バス、西日本JRバス、四国高速バス、JR四国バスと競合しているが、関西空港 - 高松・丸亀間では、四国高速バス、JR四国バス、関西空港交通(南海電鉄の子会社)と関空リムジンを共同運行している。
- たかなんフットバスは堺営業所所属の「ソラエカラー」車で原則統一している。南海バスでも、愛称を「たかなんフットバス」で統一しているため、サザンクロスロゴが目立つ車両は紛らわしいためともいわれている。ただ、車輌運用の関係で「サザンクロス」車が運用に入ることもある。
- かつてはマグネット製の「たかなんFOOT BUS」ステッカーを側面に掲出していたが、現在は省略されている。
- 高松エクスプレス運行便はなんば到着後、堺営業所でなはく、自社用地にて休憩している。南海バス運行便は、国分寺BT到着後、そのまま駐車位置に移動して休憩する。
[編集] 備考
- 神戸フットバスは、三宮では、ジャンボフェリーのりば近くの駐車場で休憩・待機している。
- 今は無き瀬戸大橋高速バス(1988年設立、1992年解散)は、フットバスのライバルである四国高速バスの株主であることでんバス(当時はコトデンバス)・大川自動車・琴平参宮電鉄に加え、フットバスの大株主である関西汽船・加藤汽船も出資しており、船舶会社の離職者対策会社の性格を持っていた。新宿 - 高松間の夜行高速バス「ハローブリッジ号」の運行にあたり何らかの不都合があったため、船舶会社を株主からはずした四国高速バスを新たに設立したと見られるが、瀬戸大橋高速バスも夜行高速バスの「トリトン号」(横浜 - 高松、現在は琴平参宮電鉄が運行)を運行していたため、真相は不明である。