降伏
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降伏(こうふく、降服とも)とは、戦争において戦闘員が抵抗を止めて敵の管理下におかれる事。投降とも。広義には抵抗を止めて相手に服従する事。
[編集] 概要
軍人、国家およびその他の戦闘員が個々の判断、あるいは士官の命令によって戦闘を中止し、捕虜となることである。白旗を掲げたり、何も持たずに両手を開いて挙げたりすることで投降の意思を示す。投降者は意志に反して傷つくのを避ける事ができ、相手は戦闘を回避できる。当事者双方に取って意味がある事であるので軍使による降伏交渉や降伏勧告が良く行われる。
兵士が個人で降伏する場合、戦場の混乱と戦闘中の激情のもとでその場で殺害されてしまう事例がしばしばあるが、これは戦時国際法(ハーグ陸戦条約)で禁止されており、違反行為は締約国の軍法あるいは国際戦犯法廷で裁かれる。これは組織的な降伏が成立した後に殺害することについても同様である。
降伏の条件や捕虜の権利はジュネーブ条約やハーグ陸戦条約によって規定されている。
降伏する側が勝利者に対して、約束が確実に果たされるときのみに降伏を受け入れる場合、条件付降伏と呼ばれる。しかし、勝利者が国際法に定められたこと以外に何の約束もしないときや、通告した条件以外での降伏を認めず交渉拒否を宣言する場合[1]、一般的に無条件降伏と呼ばれる。
一般に国家も戦争および軍事衝突を終結させるために降伏することができる。この場合、紛争国間の合意や片方の一方的な宣言によりなされるものであり、締約により条約的性格を持つ(降伏条約)[2]。戦時国際法の状況下においては、国際法に合意された諸条約において国家による降伏行為の当事適格性については不分明であるが、慣例的にハーグ陸戦条約付属書36条以降にもとづき休戦協定を結び、のち平和条約の締結をすることになる。休戦協定から平和条約に至るまでの複数の条約を降伏条約群と呼ぶことがある。
占領時の戦闘を避けるために国家や軍が都市に無防備都市宣言を出すことがある。これは組織的降伏の一種でありハーグ陸戦条約付属書25条における無防備都市を具体化したジュネーヴ条約追加第1議定書によるもので、戦争中に相手国に対して宣言するものである。平和時に地方自治体が戦争に巻き込まれない事を条例で謳おうとする市民運動については(無防備都市宣言#無防備地域宣言運動)を参照。