関越トンネル
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関越トンネル(かんえつトンネル)は、関越自動車道の群馬県利根郡みなかみ町と新潟県南魚沼郡湯沢町の県境間にあるトンネルである。
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[編集] 概要
1985年10月2日、現在の下り線トンネルが開通し、片側1車線(暫定2車線)の対面通行で暫定供用。これにより、関越道の練馬IC~長岡JCT間の全線が開通し、日本で最初の列島横断道が完成した。更に1991年10月22日に上り線トンネルが開通、全区間4車線での供用を開始した。
利根郡みなかみ町の谷川岳PAと、南魚沼郡湯沢町の土樽PAの間にあり、全長は上り線が11,055m、下り線は10,926mで、道路のトンネルでは日本最長、世界でも5番目という長大トンネルである。総事業費は、当時で約630億円。
下り線の練馬から長岡方面に向かって約7kmの地点に群馬県と新潟県の県境がある。トンネル内は最高速度が70km/hに規制されている。事故・火災・故障車両発生などの緊急時に備え、上下線ともトンネル入口には信号機が設置されている(トンネル最直前の信号機の手前には、赤信号のときの停止線がある)。
※事故処理のために赤信号になっていた上り車線において、停車中の乗用車に、前方不注意のトラックが後方から追突し、乗用車の乗員一名が死亡する事故が発生している。
また、トンネル内ではハイウェイラジオが流れる。再送信は在京の民放中波放送3局とNHK第一東京局(これらのラジオ局に設定していても、数回NEXCO東日本の案内メッセージが流れる)。
全線にわたって携帯電話の通話も可能である。NTTドコモ以外の各社では新潟県と群馬県で通信会社、支社管轄が異なる(あるいは異なっていた)ためにトンネル内の県境で切り替わる(NTTドコモのみ、新潟県と群馬県は同じ管轄(ドコモ中央)のため、切り替わることはない)。
トンネル維持・管理が高額なため、トンネルにかかる水上IC~湯沢ICの間は、通行料金が高く設定されている(対距離料金が他区間に比べ、1.6倍になっている。これは、中央自動車道の恵那山トンネルや本年度開通予定の東海北陸自動車道の飛騨トンネルも同様)。
なお、谷川岳PAには、トンネルの概要などを紹介したトンネル館がある。
[編集] 通行制限
11km弱に及ぶ長大トンネルであるため、関越トンネルにかかる水上IC~湯沢ICの間は、石油・薬品等を積載したタンクローリーなどの危険物積載車両(核燃料等は例外扱い)は通行することができない。県境を越えるこれら車両は月夜野IC~湯沢ICの間は、国道17号(三国峠)を通行することになる。これは、該当車両が水上ICで退出したとしても、接続道路である国道291号の県境が未開であり、結果として国道17号にかかる旧月夜野町まで戻る必要があるためである(下り線の月夜野ICおよび水上ICの手前と、上り線の湯沢ICの手前には、該当車両に退出を促す内容の標識がある)。
なお、該当車両がトンネル手前まで来てしまった場合には、土樽PA内に設けられている退出路から退出することになる(上り線のみ)。
また冬季には、タイヤチェーン(金属製のもの)を装着した車両も危険防止のため、トンネルは通行禁止である。スタッドレスタイヤを使用するか、トンネル両端部の谷川岳PA、土樽PAでチェーンの脱着作業を行う必要がある。
[編集] 隣
(15)水上IC - (PA)谷川岳PA - 関越トンネル - (PA)土樽PA - (16)湯沢IC
[編集] 関連項目
- 高速道路
- 高速自動車国道
- 清水トンネル - 付近を通る鉄道トンネル
- 新三国トンネル - 国道17号に計画中の道路トンネル
- 三国トンネル - 国道17号の群馬・新潟県境のトンネル
- 雪山トンネル - アジア最長の道路トンネル
- ラルダールトンネル - 世界最長の道路トンネル
- 飛騨トンネル - 東海北陸自動車道にある日本で2番目に長いトンネル(未供用)
[編集] 関越トンネルに関連したテレビ番組
- プロジェクトX〜挑戦者たち〜(NHK総合テレビ) - 「悲願の関越トンネル 一発発破に懸ける」
[編集] 外部リンク
- 日本海新時代を拓いた日本最長トンネル(パシフィックコンサルタンツ)
- もう1つのトンネル 関越トンネル(ほっとほくりく 2004年8月)