金子勇 (プログラマー)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
金子勇(かねこ いさむ、1970年7月-)は、栃木県出身の、プログラマー、博士(工学)、元東京大学大学院情報理工学系研究科特任助手、ファイル共有ソフトWinny開発者。栃木県立栃木高等学校、茨城大学工学部卒業、同大学院修了。
目次 |
[編集] 略歴
小学生の頃からプログラム技術に興味を持ち、栃木高校在学中に情報処理技術者能力認定試験1級に合格。
1989年、茨城大学工学部情報工学科に進学。以降、茨城大学修士課程および博士課程に進学。[1]
1999年、ポスドクとして日本原子力研究所に勤務[2]。この前後、3D物理シミュレーションソフトウェア「Animbody[4]」「Nekoflight[5]」などのフリーウェアを発表。
2001年にP2P技術を利用したファイル共有ソフト「Winny」を開発、インターネット掲示板群2ちゃんねるのダウンロードソフト板で公開する。最初に書き込んだレス番号より「47氏」とも呼ばれるが、書き込みが金子本人であることは証明できない(当時2ちゃんねるは書き込みログを保存していなかったため)。公開から逮捕に至るまでの間、ネット上では「謎の技術者」「神」などとして認知されていた。
Winnyについては、本来ネットワークは専門分野でなく、ネットワークに携わったのは原子力研究所においてPCクラスタリングや分散コンピューティングに関わったのがきっかけであると著書で述べた。また、インターネット配信ニュースにおいて、ファイル共有ソフトに興味を持ったのはFreenetがきっかけであったと述べている。
2000年から2001年には情報処理推進機構 (IPA) の未踏ソフトウェア創造事業の一つ「双方向型ネットワーク対応仮想空間共同構築システム」に参加している。ちなみに同システムの開発リーダーを務めた和田健之介は、このシステムの開発によりスーパークリエータ認定を受けている。
2002年1月、東京大学大学院情報理工学系研究科特任助手に任用。
2004年5月10日、著作権法違反の疑いにより逮捕。5月31日に起訴される。2006年12月13日に有罪判決が下され、即日控訴。2008年現在、係争中。(これらに関してはWinny#違法性をめぐる出来事に詳細な記述がある)
2006年には株式会社ドリームボートにおいて、SkeedCastの技術に顧問として関わった。[4]
2008年現在、パネリストとしても活動。
[編集] Winnyをめぐる裁判
Winnyを開発・公開した行為が著作権侵害の幇助にあたるとして、逮捕、起訴される。2006年12月13日に京都地方裁判所(氷室眞裁判長)において罰金150万円(求刑懲役1年)の有罪判決が言い渡された。金子側は同日、大阪高等裁判所に控訴、係争中。
[編集] 著書
- 『Winnyの技術』 2005年10月6日発売 アスキー ISBN 4756145485
- 学術論文の執筆多数
[編集] 著述
- マル激トーク・オン・ディマンド 第278回 Winnyは悪くない』 2006年07月25日 vidwonews.com 日本ビデオニュース株式会社 出演:神保哲生・宮台真司・金子勇 (2008年現在は有料配信期間)
[編集] 関連項目
- Winny
- P2P
- ヨン・レック・ヨハンセン - DeCSSの作者。著作権法違反として起訴されるが無罪確定。