衛星デジタル音楽放送
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衛星デジタル音楽放送株式会社(えいせいデジタルおんがくほうそう)は、かつて存在した日本の放送事業者。1990年4月2日、商社や放送局など多数の企業の出資により設立された。1991年3月30日「セント・ギガ(St.GIGA)」というチャンネル名で、世界初の衛星放送によるデジタルラジオ放送局を開局。同年9月1日、有料放送を開始した。業績は低迷を続け、民事再生手続を経たのち、親会社となっていた株式会社ワイヤービーに吸収合併され、2003年に消滅した。
長らくアナログBS5ch-PCM(独立音声)で、後にBSデジタルラジオ333ch、BSデジタルデータ633ch、636chも加えて音楽放送をしていたが、中心人物であった横井宏・桶谷裕治の相次ぐ死去による求心力の低下、加入者の伸び悩みなどから、2001年7月25日、民事再生法の適用を申請して事実上倒産、再生計画にもとづき株式会社ワイヤービーの傘下となった。2002年6月4日民事再生手続終結決定。
2003年3月31日付をもって株式会社ワイヤービーに吸収合併され消滅し、同日、日本民間放送連盟を退会した。以降、ワイヤービー衛星音楽放送事業部門が放送を継続したが、10月1日、同部門の営業権および無線局免許は別会社のWorld Independent Networks Japan株式会社(WINJ)に譲渡された。ワイヤービー社は譲渡の直後10月15日に破産、2004年9月24日に破産廃止=法人格消滅。税金さえ滞納した状態であった。最終的にはWINJも2006年11月より放送を休止し、その後も再開のめどが立たなかったため、2007年11月14日、総務省より委託放送事業者の指定を取り消され、St.GIGA時代から続くラジオ放送の歴史にいったん終止符を打つこととなってしまった。