虫嫌い
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虫嫌い(むしぎらい)は、昆虫やクモなどの節足動物及びカエルやイモリ、トカゲやヤモリなどの爬虫類・両生類などを嫌うこと、または嫌う人をさす。
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[編集] 虫嫌いの発生原因
後天的なものといわれるが、獣嫌いのようにある程度歳をとってから起こるケースは少ない。幼少時に植えつけられた虫に対する意識、生活様式などが一因と推定されている。以下に示す。
[編集] 虫の生態に関する無知
「虫には毒があるものもいる」という情報を幼少時に与えられ、これが年月を経ながら「虫には毒がある」「虫は(自分にとって)有害で危険」というものに誇大化するケースが挙げられる。犬嫌いなどのように実際に被害を受けて嫌いになるケースは少ない。
昔から虫嫌いはジェンダーなどにより圧倒的に女性の方が多いとされてきた。(ただし、大都市圏以外の在住者や自然愛好者を中心に、女性でも虫を嫌悪しない人が多かったことも事実である。)これは「女の子は虫を嫌う」「虫は気持ち悪いもの」という暗黙の常識のような風潮に合わせようとする意識もかなり影響していると思われる。
これらは何れも、虫の生態に関して十分な知識を得ないまま、イメージや風潮が先行して虫嫌いが形成されるケースといえる。
[編集] 現代の生活様式の影響
近年は年齢性別に関わらず、虫嫌い人口が増加している。現代は大部分の人口が高気密住宅に住み、虫に触れる機会が少ないため、遭遇した際に「未知なる虫への恐怖感・不潔感」にさらされるためと推測される。現代の子供たちが、虫に興味がありながらも触れない、怖がるという事実もこれによるもののようだ。
[編集] 殺虫剤
エアゾール型の殺虫剤は、虫嫌いのために発達したものとも言える。殺虫剤はダニやカなどヒト本体に直接危害を及ぼしたり、財産物・家畜・農作物等へ直接的な害を及ぼす害虫を駆除するものであったが、次第にゴキブリやカマドウマ・ガなども対象になり、今では益虫であるアリ・ゲジ・クモなどまでも不快害虫というレッテルを貼られ、殺虫の対象になっている。キャンプやバーベキューなどのアウトドア活動にまで殺虫剤を持っていく例もある。