茨城都民
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茨城都民(いばらきとみん)とは、東京都区部を志向する茨城県の住民を諷刺する語。茨城県内に住み、都内に通勤・通学する人を指す際に用いる場合がほとんどである。新聞の茨城面などにおいては、すでに一般的に使われている。
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[編集] 範囲
「茨城都民」と呼ばれる者の居住地の範囲には、以下の2通りがある。[要出典]
一般的には、つくばエクスプレス線や常磐線・関東鉄道常総線の国道125号以南を指す事が多い。しかし、水戸市から東京都区部に通勤・通学する者も、名目上は茨城県に属しているので、「茨城都民」ということになる。
但し、宇都宮線(東北線)沿線の古河市から東京都区部に通勤する者は、「埼玉都民」もしくは「栃木都民」と呼ばれる事が一般的である。
[編集] 背景
一般的に「茨城都民」の居住地と目される茨城県南西部と、「鹿行」とも呼ばれる茨城県南東部は、廃藩置県当初は「新治県」という別の県であった。この新治県は、水郷や筑波山に象徴されるように、東京都区部から北方面の近距離観光地として発展した地域でもあり、逆に水戸市をはじめとする旧茨城県(1875年5月6日以前)の地域との繋がりは薄い。
利根川に近い常磐線沿線は、県庁所在地の水戸市に行くよりも、利根川を越えた東京都区部の方が近い。特に、利根川のすぐ北側(左岸)の取手市からは、水戸市まで70km以上の距離があるのに対して、東京都区部までは40km以下(取手 - 上野間)である。そして、常磐線沿線から大洗鹿島線沿線や宇都宮線(東北線)沿線を結ぶ東西の連絡線鉄道も、筑波鉄道筑波線(1987年4月1日廃止)と鹿島鉄道線(2007年4月1日廃止)が廃止に追い込まれたように、地域同士の繋がりすら浅くなっている。
特にバブル経済で東京都区部の通勤圏が膨脹して以後は、通勤時間が同程度の他の地域と比べて地価が割安なことから、茨城県南西部にはニュータウンが次々と造成された。更に2005年のつくばエクスプレス線の開通により、沿線では住宅や高層マンションの建設が進んでおり、「茨城都民」は増える傾向にある。