花散里
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花散里(はなちるさと)は
- 源氏物語の巻名のひとつ。第11帖。作中最も短い巻である。巻名は光源氏の詠んだ歌「橘の香をなつかしみほととぎす花散る里をたづねてぞとふ」に因む。
- 源氏物語に登場する架空の人物。
- 転じて香合せ、其扇流投扇興の銘定、などの伝統的芸事の得点名のひとつ。
帖 | 名 | 帖 | 名 |
---|---|---|---|
1 | きりつほ | 28 | のわき |
2 | ははきき | 29 | みゆき |
3 | うつせみ | 30 | ふちはかま |
4 | ゆふかほ | 31 | まきはしら |
5 | わかむらさき | 32 | うめかえ |
6 | すゑつむはな | 33 | ふちのうらは |
7 | もみちのか | 34 | わかな(上下) |
8 | はなのえん | 35 | かしはき |
9 | あふひ | 36 | よこふえ |
10 | さかき | 37 | すすむし |
11 | はなちるさと | 38 | ゆふきり |
12 | すま | 39 | みのり |
13 | あかし | 40 | まほろし |
14 | みをつくし | 41 | くもかくれ |
15 | よもきふ | 42 | にほふみや |
16 | せきや | 43 | こうはい |
17 | ゑあはせ | 44 | たけかは |
18 | まつかせ | 45 | はしひめ |
19 | うすくも | 46 | しひかもと |
20 | あさかほ | 47 | あけまき |
21 | をとめ | 48 | さわらひ |
22 | たまかつら | 49 | やとりき |
23 | はつね | 50 | あすまや |
24 | こてふ | 51 | うきふね |
25 | ほたる | 52 | かけろふ |
26 | とこなつ | 53 | てならひ |
27 | かかりひ | 54 | ゆめのうきはし |
[編集] 人物
光源氏の妻の一人。花散里巻に初登場し、その呼称は巻名の由来ともなった上記の和歌による。源氏の父桐壺帝の麗景殿女御を姉に持ち、源氏とは若い頃から関係があったと見られ、その出自の高さと趣味のよさと気配り上手で面倒見のよい性格から、源氏の妻の中では紫の上に次ぐ立場となる。ただ温和な性格ではあるが容姿に難のある女性として描かれている。初め新造の二条東院の西の対に迎えられ(「松風」)、六条院造営後は夏の町の主となり(「少女」)、源氏の死後に二条東院を遺産として譲り受け、再びそちらに移った。源氏とは早くから夫婦の営みは途絶えていたが、家庭的で信頼の置ける人柄を見込まれて夕霧と玉鬘の母代わりとなる。