真木柱
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真木柱(まきばしら)は、
- 『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第31帖。玉鬘の結婚とそれにまつわる騒動を書く。巻名は髭黒の娘が詠んだ和歌「今はとて宿かれぬとも馴れ来つる真木の柱はわれを忘るな」に因む。
- 『源氏物語』の架空の登場人物の通称。髭黒の娘で、母は式部卿宮の長女。上記の巻の名に因む和歌を詠んだことから、この名で呼ばれる。
帖 | 名 | 帖 | 名 |
---|---|---|---|
1 | きりつほ | 28 | のわき |
2 | ははきき | 29 | みゆき |
3 | うつせみ | 30 | ふちはかま |
4 | ゆふかほ | 31 | まきはしら |
5 | わかむらさき | 32 | うめかえ |
6 | すゑつむはな | 33 | ふちのうらは |
7 | もみちのか | 34 | わかな(上下) |
8 | はなのえん | 35 | かしはき |
9 | あふひ | 36 | よこふえ |
10 | さかき | 37 | すすむし |
11 | はなちるさと | 38 | ゆふきり |
12 | すま | 39 | みのり |
13 | あかし | 40 | まほろし |
14 | みをつくし | 41 | くもかくれ |
15 | よもきふ | 42 | にほふみや |
16 | せきや | 43 | こうはい |
17 | ゑあはせ | 44 | たけかは |
18 | まつかせ | 45 | はしひめ |
19 | うすくも | 46 | しひかもと |
20 | あさかほ | 47 | あけまき |
21 | をとめ | 48 | さわらひ |
22 | たまかつら | 49 | やとりき |
23 | はつね | 50 | あすまや |
24 | こてふ | 51 | うきふね |
25 | ほたる | 52 | かけろふ |
26 | とこなつ | 53 | てならひ |
27 | かかりひ | 54 | ゆめのうきはし |
[編集] 人物
髭黒と最初の北の方(式部卿宮の長女)の間の娘。父髭黒は真木柱を特に愛しており、真木柱も父を慕っていたが、北の方と共に引き取った祖父が手放そうとしなかったため、その後も狂気の母と暮らす。父の元に帰った弟二人は継母玉鬘との仲も良好で、真木柱は却って弟たちを羨んだ。
その後「若菜下」で祖父式部卿宮が柏木との縁組を密かに志したこともあったが、結局蛍兵部卿宮の後妻となる。しかし宮との間に一女(宮の御方)をもうけながらも、夫婦仲はしっくりいかなかった。蛍兵部卿宮の死後は、紅梅大納言(柏木の弟)が始め人目を憚って通い、一時は世間から非難されたりもしたがやがて正式に北の方となった。大納言もまた娘二人を連れての再婚であったが、夫婦仲は良好で互いの娘たちも一家睦まじく、その後大納言との間に一男(大夫の君)をもうけて比較的幸福に過ごしたらしい。不幸な生い立ちながらも明るく今風の人柄であるとされ、大納言の長女が東宮に入内した時も付き添ってよく世話をするなど、賢く生きる女性に成長した(「紅梅」)。