能管
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
能管(のうかん)は、日本の横笛の一つである。能だけではなく歌舞伎、寄席囃子や祇園囃子でも用いられる。竹製のエアリード楽器の一つであるが、「のど」と呼ばれる部分があるのが特徴である。
40cm程の長さで、七つの指穴を持ち、穴の周囲は漆で固められている。雅楽に用いられる龍笛と同じく、女竹(篠竹)製である。乾燥し煤けたものが用いられる(煤竹)。場合によっては竹を縦に割って裏返し、硬い部分を内面に向ける。管の内部には厚く漆を塗る。外側には桜の皮が巻いてある(樺巻き)。全体として先細りの管を用いる。
歌口と一番手前の指穴との間に「のど」と呼ばれる厚さ2mm程の竹管が挿入され、狭隘部を形成しているのが特徴である。この部分のために、共鳴モードの成立が妨げられ、西洋の平均律はもちろん、日本の各種音階とも異なる独特の音階と、極めてかん高いヒシギ音が得られる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 能管の不思議 各部の寸法がある。