聖書宣教会
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聖書宣教会(せいしょせんきょうかい、Japan Bible Seminary)は東京都羽村市にある超教派の牧師、伝道者の養成機関。大学卒業程度の学力を持つクリスチャンに、聖書に基づいた訓練と教育を与えることを目標としている。日本をはじめ世界に約500名の卒業生を輩出している神学校の1つ。東京基督神学校と並んで福音派の中心的な超教派神学校。
フルタイムの神学生を対象にしたコースとして「聖書神学舎・本科」、「聖書神学舎・教会音楽科」、「聖書神学舎・聖書科」を開設している。また一般信徒を対象として「聖書神学舎聴講」、「聖書講座」、「教会合唱講座」、「軽井沢バイブル・スクール」を開講し、旧教会音楽舎、教会音楽科卒業生を対象に、「教会音楽研究会」を開講している。
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[編集] 沿革
- 1958年5月 東京都杉並区久我山に聖書神学舎設立。設立者は舟喜順一、羽鳥明、ドナルド・ホーク
- 1959年 東京都杉並区成宗(成田西)に移転する。
- 1982年 宗教法人・聖書宣教会と改称する。聖書神学舎は聖書宣教会に含まれる。
- 1983年 教会音楽科が開設される。
- 1989年 東京都浜田山から東京都羽村市に移転する。
- 1993年 教会音楽科が教会音楽舎になる。
- 2003年 教会音楽舎が閉じられ、聖書神学舎本科に加えて教会音楽科が開設される。
- 2007年 カリキュラム変更に伴い「シニアコース」が「聖書科」として発展的に解消されることが決まる。
[編集] 特色
- 神学教育の中心は聖書神学である。また最近は組織神学を教える教師陣も充実してきている。
- ギリシア語とヘブル語の聖書原語による聖書釈義の習得に重点が置かれている。
- 法制上の聖書宣教会は学校法人ではなく宗教法人であり、宗教法人の研修所という形になっている。そのため在籍している生徒は「学生」ではなく「研修生」と呼ばれる。
- 聴講および特別研修コースを除く各コースは原則として全寮制である。研修生は単身寮もしくは家族寮への入寮が求められ、舎監の指導のもと生活を通した訓練を受ける。
- 研修生は毎年、地域教会(「奉仕教会」と呼ばれる)に通い、そこにおいて説教や教会学校などの様々な奉仕に従事しながら実地訓練を受けることが求められる。
- 研修生の親睦組織として「研修生会」があり、ピクニックやリトリート等の課外活動の企画運営、また聖書宣教会の諸活動において奉仕、協力を実施している。
- 聴講制度があり、信徒の人にも通いながら学ぶ機会が提供されている。
- 週報が毎週作成されている。また会報として「聖書宣教会通信」が年3~4回程度発行されている。
- チャペル(礼拝堂)で火曜日から土曜日まで礼拝が行われているが、日曜礼拝は行われていない。
- 教会音楽教育にも力を入れており、毎年音楽科教師と研修生の連合聖歌隊による「賛美礼拝」および「教会音楽のひととき」が行われている。
[編集] コース
- 本科…教会においてフルタイムで働く牧師や伝道師などを養成することを主目的とするコース。入寮および3年ないし4年の在籍が必須である。カリキュラムは詳細に定められている。
- 教会音楽科…音楽主事など教会音楽の分野で教会に奉仕する奉仕者を養成するためのコース。入寮および3年の在籍が必須。声楽、オルガン演奏、指揮法、楽式論、教会音楽史などを学ぶ。
- 聖書科…旧シニアコースが2008年度より発展的に改編されて誕生した2年のコース。旧シニアコースに比べて原典による聖書釈義を重視し、ギリシャ語もしくはヘブル語のいずれかの習得が必要となる。原則として入寮が必要である。
- 特別研修コース…聖書宣教会卒業生が、さらなる学びのために1年ないし2年の期間の研修を受けるためのコース。
- 聴講…一般の信徒が通いながら学ぶためのコース。一学期に3科目まで受講できる。取得した科目は後にフルタイムでの学びを始めた場合に正規の単位として認められる。
[編集] 寮生活
- 原則として全寮制である。単身寮の1階が男女兼用の食堂、2階が男子寮で、3階が女子寮である。家族寮は離れた所にあるアパート2棟を家族寮として借り上げて使用している。
- 単身寮の食事は、調理専任職員が火曜日から金曜日までの昼食と夕食を作る。火曜日から土曜日までの朝食と月曜日の夕食は単身寮生が交代で作る。それ以外の食事は寮生が各自で用意する。
- 単身寮は火曜日から土曜日まで早天祈祷会が行われている。
[編集] 教師
- 鞭木由行(聖書宣教会会長、アラム語、旧約学、教理史など)
- 津村俊夫(聖書神学舎教師会議長、旧約学など)
- 内田和彦(元聖書神学舎教師会議長、現図書館長、組織神学、新約学など)
- 遠藤勝信(教務主任、新約学)
- 松本任弘(ヘブル語、旧約学、聖書歴史地理など)
- 久利英二(旧約学、中間時代史)
- 岸本紘(組織神学、牧会学)
- 中村敏(日本キリスト教史)
- 岡山英雄(組織神学、弁証論)
- 赤坂泉(牧会学、説教学)
- 横山昌英(ギリシア語)
- 飯島千雍子(教会音楽)
- 羽鳥明(常任顧問、宣教学)
[編集] 引退した教師
- 舟喜順一(常任顧問)
- 舟喜信(元聖書宣教会会長)
- 島田福安(名誉教授)
- 後藤茂光(名誉教授)
- クランク・コール(名誉教授)
- 綾部ヘンリー(名誉教授)
- 岳藤豪希(名誉教授)
- 山口昇
- 井出定治
- 遠藤嘉信(旧約学)
[編集] 出身者
- 井出定治(1959年卒、第1期)
- 佐竹十喜雄(1959年卒、第1期)
- 大島末男(1959年卒、第1期)
- 井戸垣彰(1962年卒、第3期)
- 西満(1964年卒、第5期)
- 松本任弘(1965年卒、第6期)
- 千田次郎(1966年卒、第7期)
- 久利英二(1967年卒、第8期)
- 岸本紘(1971年卒、第12期)
- 内田和彦(1973年卒、第14期)
- 丸屋真也(1973年卒、第14期)
- 中村敏(1975年卒、第16期)
- 鞭木由行(1979年卒、第20期)
- 佐藤彰(1982年卒、第23期)
- 岡山英雄(1983年卒、第24期)
- 遠藤嘉信(1985年卒、第26期)
- 赤坂泉(1986年卒、第27期)
- 遠藤勝信(1989年卒、第30期)
- 横山昌英(1990年卒、第31期)