続 初恋物語 〜修学旅行〜
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ジャンル | 恋愛シミュレーション |
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対応機種 | PC-FX(FX) プレイステーション(PS) セガサターン(SS) |
開発元 | 徳間書店インターメディア |
発売元 | NECホームエレクトロニクス(FX) 徳間書店インターメディア(PS、SS) |
人数 | 1人 |
メディア | CD-ROM 2枚(FX) CD-ROM 4枚(PS、SS) |
発売日 | 1997年6月6日(FX) 1998年3月26日(PS) 1998年12月3日(SS) |
価格 | 税別8,800円(FX) 税別7,800円(PS、SS) |
対象年齢 | 全年齢(FX、PS) 18歳以上推奨(SS) |
『続 初恋物語 ~修学旅行~』(ぞく はつこいものがたり しゅうがくりょこう)は、徳間書店インターメディアによって制作された恋愛シミュレーションゲームである。1997年6月6日にPC-FX用ソフトとして発売され、翌1998年にはプレイステーション版とセガサターン版も発売されている。
タイトルが示すように同社が以前に制作した『初恋物語』の続編にあたるが、ストーリー的な繋がりは一切なく、独立した作品となっている。
目次 |
[編集] 主なスタッフ
- 古雅ちはや(原作、総監督、脚本)
- 豊芦原恵海(脚本)
- 垣野内成美(キャラクターデザイン、作画監督)
- 伊豆一彦(音楽プロデューサー)
[編集] ゲームの趣旨
本作品のテーマは「初恋」である。PC-FX版マニュアルの「序文」より引用する。
初めて人を好きになった時の気持ちは、小鳥が翼を広げている姿にも似て、純粋で、健気で、それでいてとても強い“想い”です。けれど、恋を重ねるたび、刻が刻まれていくたびに、その記憶も忘れてしまいがちになります。
そんな時には、この“物語”の中で11人の女の子と出会ってください。そして、もう一度“初恋”を感じたときの気持ちを思いだしてください。
プレイヤーは主人公神崎弘也となり、幼馴染み高瀬祐花のサポートを受けながら小学生、中学生、高校生、大学生という4つの時代での初恋成就を目指すことになる。ゲームとしては、修学旅行(林間学校や卒業旅行なども含む)という切り取られた数日間の中で自分を磨き、初恋相手に想いを伝えることが目的である。
同マニュアルの「解説」において、原作者の古雅ちはやは、修学旅行をモチーフとした理由として以下の2つを挙げている。
- 不自然にならず時間制限を設けることができる。
- 旅行中は学校にいるときとは違う初恋相手の姿を見ることができる。
[編集] ゲームの流れ
プレイヤーは、ゲーム開始時に小学生、中学生、高校生のどの時代で初恋を感じたかを選択する。各時代には初恋相手となりうる女性が3人ずつ存在し、その中から初恋を感じた1人を選択する。ここで選んだ相手以外はゲームに関わってこないため、いわゆる「同時攻略」の概念は存在しない。
修学旅行に出発する前日から物語は始まり、買い物などの準備を済ませれば出発となる。旅行中は祐花と話し合って30分刻みでスケジュールを決めていく。ここにシミュレーション要素とアドベンチャー要素があり、選択した行動によって、各能力値が増減したり初恋相手とのイベントが起こったりする。その過程がゲームのメインである。
主人公の初恋が実ったか否かは旅行の終了時に判定される。各パラメータの高さや特定イベント発生の有無、さらには最後の告白の有無によって多数のエンディングに分岐するが、一定以上の高評価を得られたなら初恋は実ったことになる。クリアデータを残し、各時代の女性3人との初恋を実らせれば、その時代の祐花が初恋相手として追加される。
祐花を含め、小学生時代から高校生時代までのすべての初恋を実らせれば、新たに大学生時代での初恋を感じることができるようになる。大学時代で最初に設定されている相手との初恋を実らせれば、大学生の祐花を初恋の相手に選ぶことができる。そして祐花との初恋を成就させればゲーム完全クリアとなる。
プレイステーション版とセガサターン版では、その後に追加シナリオが出現する。そこでは高校から大学に上がる間の春休みが舞台となり、祐花の妹を初恋相手にすることができる。
[編集] ゲームの評価
旅行中に荷物でウエイトトレーニングをしたり、旅のしおりで勉強したりするような不自然な設定、イベント発生条件の厳しさ、システム周りの不親切さ、作画の粗さなどがあいまり、ネガティブな評価を受けることが多い。そのためクソゲーとして書籍に紹介されたことさえある。
しかし初恋という気恥ずかしいテーマを前面に押し出したシナリオと、キャラクターデザインを担当した垣野内成美による美麗なイラストは、根強いファンも生み出している。特にゲームの真の主役ともいえる高瀬祐花の人気は高い。
[編集] 主な登場人物
[編集] 全時代共通
- 神崎 弘也(かんざき ひろや) 声:瀧本富士子・森川智之
- 主人公。名前は自由に変更できる。大学生時代のみキャストが代わる。
- 高瀬 祐花(たかせ ゆか) 声:高橋美紀
- 主人公の隣の家に住んでいる幼馴染み。どの時代においても主人公と同じ学校に通っており、主人公の初恋を成就させるために協力してくれる。
[編集] 小学生時代
- 中山 芹香(なかやま せりか) 声:岡村明美
- 主人公のクラスメイト。バスケット部のキャプテンをしている明るい女の子。
- 松原 葉月(まつばら はづき) 声:小西寛子
- 主人公とは別のクラスに来た転校生。少し病弱。
- 橋本 枝奈(はしもと えな) 声:平松晶子
- 主人公のクラスに来た教育実習生。少しそそっかしいところがある。
[編集] 中学生時代
- 森田 鈴梨(もりた すずり) 声:宮村優子
- 主人公のクラスメイト。いつも取り巻きを引き連れている。
- 瀬戸 萌美(せと もえみ) 声:岩坪理江
- 主人公と別の学校の生徒。修学旅行先が同じであるため、観光名所などでニアミスする。
- 岩館 麻希(いわだて まき) 声:天野由梨
- 修学旅行先の京都で出会う舞妓。まだ高校生だが入院中の母に代わり働いている。
[編集] 高校生時代
- 志摩 文乃(しま あやの) 声:篠原恵美
- 主人公のクラスメイト。財閥の令嬢。
- 青柳 未森(あおやぎ みもり) 声:大谷育江
- 主人公とは別のクラスの生徒。感激屋で思い込みが激しい。
- 小牧 瞳子(こまき ひとみこ) 声:佐久間レイ
- 修学旅行で主人公のクラスを担当するバスガイド。
[編集] 大学生時代
- ミュリアル 早坂(-はやさか) 声:岩男潤子
- 主人公と祐花の恩師である早坂教授の娘で、デンマーク在住。愛称はミュア。
[編集] 高校生から大学生に上がる間の春休み
- 高瀬 菜穂(たかせ なほ) 声:橘ひかり
- プレイステーション版とセガサターン版の追加シナリオに登場する祐花の妹。祐花に対して羨望と嫉妬の想いを抱いている。
[編集] テーマソング
PC-FX版には12曲、プレイステーション版とセガサターン版には13曲のボーカル曲が用意されている。いずれも作詞は古雅ちはや、作曲と編曲は伊豆一彦が担当している(ただし「Lilacの告白」の作詞のみ豊芦原恵海)。各ヒロインのテーマソングとなっており、歌い手はそれぞれの担当声優である。
- 主題歌
- 高瀬祐花「天使のはばたき」
- 挿入歌
- 中山芹香「Ladyは一日にして成らず」
- 松原葉月「仔猫ネコ猫マーチ」
- 橋本枝奈「ドジから出たマ・コ・ト」
- 森田鈴梨「キ・ラ・イ・好き」
- 瀬戸萌美「遠距離恋愛なんて こわくない」
- 岩館麻希「恋桜の花」
- 志摩文乃「アクトレス ドール」
- 青柳未森「‘Gokko’しましょ」
- 小牧瞳子「年上だって いいじゃない」
- ミュリアル早坂「フクロウと人魚の森」
- 高瀬祐花「初恋物語」
- 高瀬菜穂「Lilacの告白」(PS版とSS版のみ)