筑波山口
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筑波山口(つくばさんぐち)は、茨城県つくば市沼田に所在する関東鉄道などの路線バスのバスターミナルである。筑波山南麓に位置する。
1987年に廃止された筑波鉄道筑波線の駅筑波駅(つくばえき)の駅舎と構内バスターミナルを引き続き使用したものである。
当バスターミナルには関東鉄道つくば北営業所(つくばきたえいぎょうしょ)を併設している。本稿では関東鉄道つくば北営業所及び鉄道駅時代についても記述する。
目次 |
[編集] 概要
鉄道駅の時代は、土浦・岩瀬方面からの鉄道と筑波山方面へのバスの結節点であった。 また、1991年(平成3年)4月~2006年(平成18年)9月にかけては、東京駅からの高速バス「ニューつくばね号」の筑波山側の終点であり、高速バスと筑波山方面のバス乗り換え拠点としても機能していた。高速バスの停留所名は一貫して「筑波山」を名乗っていた。
現在も地域路線バスのバスターミナルとして機能しており、つくば駅(つくばセンター)方面、土浦方面、真壁・岩瀬方面と、筑波山ケーブルカー宮脇駅がある筑波山神社と筑波山ロープウェイの駅があるつつじヶ丘方面のバス乗り換え拠点となっている。
路線バスを利用する場合、筑波山観光の玄関口としての交通拠点であり、筑波山口~筑波山神社入口間の路線バスには、シーズン中の休日は多くの客が乗降する。
筑波鉄道廃止後~つくばエクスプレス線開業前は公共交通機関より自家用車を利用する人が増えたため、以前ほどの賑わいはなく、自家用車での乗りつけが容易なつつじヶ丘の方が比較的賑わっていた。
つくばエクスプレス開業で筑波山への観光客は増加したのに伴い、2005年10月につくばエクスプレスつくば駅に隣接するつくばセンターバスターミナルから筑波山神社入口(筑波山ケーブルカー宮脇駅入口)・筑波山ロープウェイつつじヶ丘駅へ向かう直行のシャトルバス(筑波山シャトルバス)が登場し、当バスターミナル利用状況には大きな変化は起きていない。
また、つくば駅からのシャトルバスも「筑波山行」と案内されていることから、東京駅からの高速バスニューつくばね号で本バスターミナルに到着する観光客などの混乱を招いたため、「筑波山」への改称から僅か3ヶ月余りで「筑波山口」への改称が行われることとなった。
[編集] ターミナル構造
駅舎および駅構内バス乗り場の部分は、鉄道駅時代のものを引き続き使用し、駅舎はそのまま関東鉄道のバス営業所事務所(定期券・回数券売場)になり、屋外型の構内バス乗り場は、バス乗り場及びバス留置場所となったが、近年一部改修が成され、元駅舎内は、事務所部分の拡張及び待合所部分のベンチを取り外し、出入口もバス乗り場側に広く取るなどの構造に変更されている。
もっとも、元駅舎の待合所ベンチがあったころは、バスレーンから若干離れていることもあってあまり利用されず、バス乗り場など屋外で待つ客の方が多かった。この改修の際に、ベンチはタクシー乗り場付近に設置されている(簡易な物はバス乗り場前にもある)。また、バスレーンまで伸びていた屋根が短くなり、駅舎前のタクシー乗り場付近までとなった。同時に屋根から吊るすタイプの案内サインは、ベンチ頭上の路線図と一般路線バスの時刻表(時刻表は各乗り場標識(ポール)にもある)のみとなり、各バス乗り場のものはなくなった。
改修前は各方面ごとに乗り場があったが、現在は歩行者通路に並行してバスが並列停車しており、乗り場番号の意味を成していない。バス停車位置の内、歩行者通路に接していない場所に止まるバスに乗る際は、旅客はバスレーンを横切ることになる。
- バスのりば
- 筑波山(神社入口・つつじヶ丘)行き、つくバス[N][1][2]
- 土浦駅行き
- 下館駅行き、真壁行き、真壁経由岩瀬(中央公民館)行き
- 以上の3つの乗り場があるが、既述の通り番号は記載しない。
その他鉄道駅時代から構内タクシーのりばがあり、目的地までの凡その運賃がわかる表を掲示していた。現在は、仮設のタクシー事務所(関鉄土浦タクシー 筑波営業所)が置かれ、運賃表は簡易な印刷物を貼り付けている。
[編集] バス路線
2007年9月1日現在
- 関東鉄道
- 関鉄パープルバス
つくばエクスプレスが開業した2005年8月24日より運行開始された関鉄グリーンバスの岩瀬・真壁~つくばセンター間の急行路線(一般路線車と同様の外観の元貸切車使用、予約不要。)が立ち寄っていたが、この急行路線は桜川市の財政援助打ち切りにより、2007年4月1日廃止された。
[編集] ターミナル周辺
当バスターミナルが位置する沼田集落は、筑波鉄道筑波駅が開業したことで筑波山の玄関口となり、観光客向けの商店などが並ぶようになった。当ターミナル正面方向に筑波山がそびえ、駅前通りは山に向かって上り坂となる。1987年の廃線を経て現在に至るが、かつて観光客で賑わった駅前としての名残は、その町並みの建物に偲ばれる。現在、観光客向けに営業している店は少なく、商店街に観光地としての賑わいは見られず、周辺は静かな環境である。駅前で営業していたコンビニエンスストア「ホットスパー筑波駅前店」は既に閉店している。バスターミナル周辺で特筆できるものとしては、名物の和菓子店2店が現在でも営業しているが、それは筑波山神社拝殿方面に伸びる道路沿い、丁度旧駅前通りを直進した方向にあり、当バスターミナルに背を向けている立地である。このことからも当集落の観光客向けの商業が自家用車来訪客向けに事実上シフトしている現状が伺える。
- 商店街 - 鉄道駅時代からの商店街だが、規模は小さい
- 竹内養蜂場 - 蜂蜜・ローヤルゼリー製造
- 稲葉酒造場 - 徒歩7分。地酒(1867年~)清酒「男女川」(みなのがわ)製造元。蔵見学は要事前連絡
- つくば市働く婦人の家
- つくば市筑波文化センター
- つくば市教育委員会教育相談センター
- セーブオン(コンビニエンスストア)
- つくばわんわんランド - 徒歩約10分(つくバス北部シャトルや真壁・下館・筑波山神社入口方面からの終着便では当バスターミナルが最寄となる)、またはバス「郡道橋南」「つくばわんわんランド」下車
[編集] 関東鉄道つくば北営業所
関東鉄道つくば北営業所は、「筑波営業所」から後に改称した「つくば北営業所」が「つくば中央営業所つくば北車庫」に格下げされたが、再度昇格したものである。所属車両の略号は「筑波」および「つくば北」からTsuKubaのTKと車体に表記される。
バスターミナルに併設されるのは旧駅舎を利用した事務所で、元々の車庫そのものは少し離れた場所にある。筑波山口バスターミナル内の車庫機能として、給油設備がある。
[編集] 現行路線
土浦を結ぶ筑波土浦線及び旧筑波鉄道筑波線の代替である筑波真壁線、筑波岩瀬線を始めとする幹線系路線と、筑波鉄道時代からの筑波山アクセス手段である中腹までの筑波山を登る比較的短距離の路線がある。筑波線代替各線は乗客減少と減便を重ねる一方で、つくばエクスプレス開業による筑波山観光客増加に対応した直行路線「筑波山シャトル」及び受託運行しているコミュニティバス「つくバス」の「北部シャトル」の利用は比較的多い。ただし筑波山シャトルは当営業所の単独ではなく、関鉄パープルバス、関鉄グリーンバスとの共同運行となっている。
[編集] 土浦~筑波山口~真壁
- 真壁駅 - 上大島 - 筑波山口 - 北条 - 小田 - 高岡 - 土浦一高 - 土浦駅
筑波山口~土浦駅間の運行が主体である。筑波山口~土浦間の沿線には大学・高校を多数含んでいて(茨城県立筑波高等学校、茨城県立土浦工業高等学校、つくば国際短期大学など)、1990年後半頃から顕著になったバス離れに中にありながら、一定の利用客と本数を保っている。他の営業所管轄路線や他社路線と重複する区間がある。2005年のつくばエクスプレス開業までの筑波山口~土浦間は、鉄道駅からの筑波山アクセス手段において最も多く利用されていたバス路線でもあった。
真壁方面は高校生の通学が主な客層となっている。
なお、かつてのつくばセンター~筑波山口~真壁・岩瀬間の急行バスは、開始から最終運行日まで一貫して関鉄グリーンバスが運行しており、当営業所は担当していない。
[編集] 筑波山口~筑波山
- 筑波山口 - 筑波山神社入口 - 風返峠 - つつじヶ丘
筑波山口~筑波山神社入口間の折り返し区間便と通し便があり、最大毎時2本運行で、つつじヶ丘発着は日中に毎時1本程度運行される。以前は筑波山神社入口より分岐する筑波山神社前の枝線があり、現在で言う筑波山口と筑波山神社前間の系統に比重が置かれていて、つつじヶ丘まで運行する系統は季節運行1往復のみの時期もあった。筑波山神社前停留所は、筑波山神社拝殿境内に近い土産物店「はつね」に併設されたガレージ内であった。枝線は2006年までに廃止されている。
以前は満席(立席)になることも多かったが、筑波山シャトル運行開始により、現在ではピークを下回っている。
かつての高速バスニューつくばね号は、筑波山神社前系統に乗り継ぐ事を想定しており、東京駅で配布していた時刻表にも当路線の神社前系統の時刻が併記されていた。
[編集] 筑波山シャトル
- つくばセンター⇔筑波山神社入口・つつじヶ丘 (筑波山シャトルバス)
2005年8月のつくばエクスプレス開業時点では同線駅から筑波山中腹に直通する定期バスを設けなかったが、関東鉄道等の予想を上回って観光客が増加したため、会員制の貸切バスの時期を経て運行開始された路線である。上記の停留所以外は停まらず、かつ筑波山神社入口~つつじヶ丘相互間の乗車を認めないクローズドドアシステムである。梅まつりの時期に筑波梅林近くの梅林入口停留所に期間限定で停車することがあった。
ほぼ年間を通して利用客が多く、特に多い時には増車対応をした事もある。筑波山アクセス手段として使われる路線バスの内、現在最も利用されている路線である。
ちなみに筑波線廃止後でつくばエクスプレス開業前には、土浦駅~つつじヶ丘間で運行された筑波山直行臨時バスと、つつじヶ丘→土浦駅間で1便のみ直通定期便がそれぞれ運行された時期があった。これらの各バスは当路線が開業した後には運行されていない。
[編集] 廃止路線
[編集] 筑波山口~つくばセンター
- [61] 筑波山口 - 北条 - 小田 - 筑波大学西 - つくばセンター - 学園並木 ※2007年(平成19年)9月30日限り
北部工業団地入口経由で運行されていたが、2005年のつくばエクスプレス開業と同時に小田経由に経路変更。その後筑波山シャトル開業や、2006年4月のつくバス開業を境に乗客が減り、2007年10月1日のつくバス時刻改定と同時に廃止された。つくばエクスプレス開業後の一時期は当時の停留所名であった「筑波山」の方向幕を掲げていて、観光客にも多く利用された。
関鉄パープルバスが下妻駅~つくばセンター間の路線を開業させるまでは、つくばセンターと高エネルギー加速器研究機構や作岡地区方面の移動にも当路線が利用されていた。
筑波大学構内を走行し、同構内に停留所がある路線の一つでもあった。
[編集] 筑波山口~真壁
- 岩瀬中央公民館 - 岩瀬駅 - 真壁駅( - 上大島 - 筑波山口)
旧筑波線廃止に伴い岩瀬駅~現・筑波山口間で運行開始されたが、2008年4月1日に岩瀬中央公民館~真壁駅間の路線廃止(最終運行は前日)。岩瀬~筑波山口と真壁~筑波山口の2つの運行系統が廃止された。岩瀬~土浦直通便は運行されなかった。筑波線廃止当時は筑波線跡に沿う形で岩瀬駅南側にあった岩瀬駅停留所発着であったが、1990年代に経路変更と岩瀬駅停留所の北側道路上移設の上、中央公民館へ延伸した。
岩瀬中央公民館行きの方向幕は「岩瀬駅」と大書され、下部に「(中央公民館)」が小さく付記されていた。
岩瀬発着系統の末期は土曜日・休日全便運休であった。この路線の廃止により、旧筑波線の北部が代替路線交通が無い状態となる。沿線の桜川市では乗合タクシーを筑波山口バスターミナル発着が可能とし同市内住民限定(事前登録制)の代替交通としている。
[編集] 高速バス(ニューつくばね号)
[編集] 車両
一般路線車はいすゞ車が多く在籍する。また、以前乗り入れていた筑波神社前バス停(現在は廃止)付近が狭隘であり、バス停そのものが土産物店・食堂「はつね」に造られた狭いガレージにあったので入れる車両が限られていたため、中型車の比率が高い。
2001年に関鉄パープルバスへの一部路線移管に伴い、在籍両数が減少したが、近年は「つくバス」の運行開始等に伴い、増加傾向である。
他事業者からの移籍車は西武バスからの1両導入を嚆矢として、2002年に経年の高い中型車・日野RJの置き換えを目的にに京成電鉄(現・京成バス)からの移籍車が配置されるようになり、2006年時点では3両が在籍する。
2006年春には大阪市交通局(大阪市営バス)からの移籍車であるワンステップバスが導入された。
[編集] 筑波鉄道筑波駅
茨城県土浦市と岩瀬町(現・桜川市)を結ぶ非電化鉄道・筑波鉄道筑波線の主要駅の一つであった。筑波山の玄関口として観光客で賑わったが、1987年(昭和62年)の同鉄道廃止と同時に廃駅。
構内配線は、駅舎側の片面ホームの1番線と、島式ホームの2、3番線。旅客は駅舎側から構内踏切で島式ホームへ渡る。
廃止後、長い間ホームと上屋はそのまま残された。ホーム跡は、筑波鉄道廃線跡を利用したサイクリングロード「つくばりんりんロード」(茨城県道501号桜川土浦自転車道線)の休憩所として整備されており、ベンチ、公衆便所、駐輪場、駐車場がある。
[編集] 歴史
[編集] 鉄道駅時代
- 1918年4月 - 土浦~筑波間開業
- 1918年6月 - 筑波~真壁間開業
- 1987年 - 鉄道「筑波」駅廃止、バスのみ乗り入れとなる。
[編集] 鉄道駅廃止後
- 1991年4月 - 東京を結ぶ高速バス「ニューつくばね号」運行開始。停留所名は「筑波山」とした。
- 2001年 - 関東鉄道、一部バス路線を関鉄パープルバスに移管
- 2005年8月24日 - 一般路線バスの停留所名を「筑波山」に改称。当バスターミナル経由で真壁・岩瀬とつくば駅を結ぶ急行バス運行開始(関鉄グリーンバス)。
- 2005年12月10日 - 一般路線バスのバス停留所名を「筑波山口」に改称
- 2006年4月1日 - 「のりのりバス」を廃して「つくバス」運行開始、停留所名「筑波山口」に改称。
- 2006年9月 - 「ニューつくばね号」運行終了。
- 2006年11月 - 紅葉渋滞対策で同月の休日に自治体によりパーク&バスライド事業実施、駐車場を無料で貸す。臨時レンタサイクル実施。
- 2007年4月1日 - 真壁・岩瀬とつくば駅を結ぶ急行バス廃止。レンタサイクル定期営業開始(ただし4月1日~11月30日の季節営業)。
- 2008年4月1日 - 関東鉄道の岩瀬系統・筑波真壁系統(実質の区間便)と関鉄パープルバス筑波下館線廃止、筑波線廃止後初めてJR水戸線の駅と繋がらなくなる。
[編集] 隣の駅
[編集] 関連項目
- 日本の廃止鉄道路線一覧
- 日本の廃駅一覧
[編集] 外部リンク
- 改修前の様子
- 鉄道のある風景 筑波駅 - 鉄道駅廃止後、鉄道ホームが残された時期の、改修前の元駅舎の様子と、改修後の様子を比較できる。
- 列車の来ない筑波駅 - 鉄道駅廃止後、鉄道ホームが残された時期の、改修前の元駅舎の様子がわかる
- 鉄道駅時代の様子
筑波鉄道筑波線(廃線) |
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