秘密基地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
秘密基地(ひみつきち)とは、周囲に知られないように建設または設置された拠点のことをさす。地形を利用したり、カモフラージュを施したりして建設する大掛かりなものから、アパートの一室にそれとなく入ってしまうものまでさまざまな規模のものがある。また、子供の間で、部外者に知られたくない秘密の遊び場の意味でこの語を使うことがある。
目次 |
[編集] フィクションにおける秘密基地
スーパーヒーローが登場するフィクションにおいては、ヒーローの側が拠点とする秘密の活動拠点、または、逆に悪に分類される者達の拠点を表す言葉として用いられ、形態としては、カモフラージュされた巨大な地下施設であったり、一般のオフィスが外部からそれとわからないように改造されているなどとするものも多い。
フィクションにおける「秘密基地」の概念は、それぞれの作品の項目を参照されたい。
[編集] 現実世界における秘密基地
現実世界では、軍事組織、諜報機関、過激派等の秘密の活動拠点という意味で通俗的に指すもので、内部では、極秘技術の開発、スパイの活動、長期間にわたる監視活動、組織内の犯罪者を匿うためなどの拠点であるとされる。有名なものとして、高度成長期の日本における新左翼がテロ活動の拠点としたいわゆる「非合法アジト」がある。
この場合における形態は、資金力等の条件により、大は自己資金で大掛かりに建設したものから小はアパートの一室など多種多様である。
[編集] 子供の遊び場としての秘密基地
この場合における「秘密基地」は、上記に掲げるものを模して子供たちが作る秘密の遊び場をさすものである。
必ずしも「秘密」であることにこだわらず、仲間内では大人や部外者、すなわち友達であったとしても仲間という約束を交わしていない者へは、その存在や所在地を秘密にするという約束が交されることも少なくないが、大人からみれば単に彼らが集まる場所ということが多い。
このような秘密基地となりえる場所は、公園の隅や空き地などであるが、より「秘密基地」という、周囲には知られたくない気持ちを昇華すべく、廃墟となった建物、工事現場、資材置き場などといった、いわゆる危険な場所であることもある。これは危険な場所に立ち入ってはならないというタブーを犯しており、ある種の快感を満たすという意味もある。
アメリカの少年冒険と仲間たちの友情をテーマにした映画スタンド・バイ・ミーでは、木の上に秘密基地があり、カードゲームに興じたりする場面が描写されている。また、同じくトム・ソーヤーの冒険では、洞窟の中に秘密基地を作る設定になっており、内部には金貨や武器弾薬や子供の玩具があり、誘拐した人質を幽閉するトムの未来の夢もある。
たいていは、フィクションに登場するヒーローや悪の手先の秘密基地をモチーフとする場合が多く、スーパー戦隊シリーズをはじめとしたスーパーヒーローがしばしば採石場を思わせる場所で戦っていることなどが背景にあると考えられる。