神戸ルミナリエ
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神戸ルミナリエ(こうべルミナリエ)は、兵庫県神戸市において毎年12月に行われている祭典。通りや広場を独特の幾何学模様で構成されたイルミネーションで飾り、昼間とは異なる風景を現出させてその景観を楽しむ。この装飾は、イタリア人のヴァレリオ・フェスティ(Valerio Festi)と神戸市在住の今岡寛和の共同作品である。
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[編集] 経緯
当初は、東京で開催するイベントとして企画されたものであった。しかし、阪神・淡路大震災の発生を契機に鎮魂と追悼、街の復興を祈念して震災で激減した神戸への観光客を呼び戻す目的もあり、今岡の故郷である神戸に開催地を変更して毎年開催されている。東京では、1999年から追悼の目的ではなく年末年始のイベント「東京ミレナリオ」として丸の内で光の祭典が実施された。この種の企画としては1995年の夏に和歌山マリーナシティ(和歌山市)で行われた和歌山ルミナリエが最初である。
一般的に、日本において「ルミナリエ」とは、この祭典の事として著名ではあるが、語源のイタリア語では、「luminaria」の複数形「luminarie」であり、小電球などによる光の装飾(イルミネーション)の事を言う。
[編集] 概要
現在では、クリスマス時期のイベントとして定着しており、全国各地からルミナリエを観覧目的とした観光バスが出るなど、約2週間の期間中に毎年約400万人が訪れる。阪神淡路大震災の年に最初の点灯式には、歓声の後静寂になり、涙を流す人が多かった。
1995年から毎年、クリスマス当日まで実施されていたが、2005年は12月9日~12月22日、翌2006年は12月8日~12月21日の開催に時期が繰り上がった。これは、クリスマス・イヴや当日に来場者が集中して危険な状況に陥ることを回避するためで、歳末商戦時に周辺商業施設(商店街や百貨店など)がルミナリエによって商機を逸していたことに配慮したためとされる。しかし、開催日をずらしたことにより、売上が伸びたという顕著な例は現在のところ報告されていない。
メイン会場は、旧居留地内の仲町通が電飾で彩られ、終着地の東遊園地では敷地を取り囲むように光の壁が立てられる。会場ではテーマ音楽が流れている。山陽新幹線新神戸駅前をサテライト会場として行われていた。過去には、神戸ハーバーランドと異人館にも会場が設けられたこともある。しかし、2005年以降は別会場が設けられなくなった。
順路は、元町駅から三ノ宮駅方面への一方通行となっていて逆行はできない。以前は、仲町通からの東進するだけのルート設定であった。2005年以降は、入場前の迂回ルートが長く、鯉川筋の神戸大丸正面の交差点から花時計線を東進してから京町筋を南進、三宮中央通りを西に右折して再び大丸まで戻る。トアロードを南進、仲町通に達して左折するとようやく電飾が見える。混雑と迂回ルートによる長さにより、お年寄りや身体障害者等の方々の鑑賞が困難となってきたので、1999年からは開催の約1週間前に実施される試験点灯日を「ハートフルデー」として割り当てている。
年々混雑の度合いを増し、1998年からは会場周辺に多くの警備員が配置される形となった。これにより、現在では会場内と周辺道路で歩行者を含めて通行制限が徹底されている。警備員増員に伴う人件費増大、そして企業からの協賛金の減少(最大の協賛企業である西日本旅客鉄道(JR西日本)が2005年に起こしたJR福知山線脱線事故が大きな打撃になった[要出典])による赤字の膨らみにより、繰越金が減少して2007年の開催が12月6日~12月17日の2日短縮された12日間の会期で行われることになった。この厳格な警備体制は、2001年に発生した明石花火大会歩道橋事故の影響もあるとされる。
資金不足を反映して、アーケードの長さが初期の頃に比べると年々、短くなっている。
[編集] 募金宝くじについて
1999年より会場内では募金宝くじが発売されている。2001年まではいわゆるイベントくじで、受託銀行が通常の第一勧業銀行(当時)ではなく神戸市に本店を置く第二地方銀行のみなと銀行となっていたのが特徴であった。2002年以降は近畿宝くじに組み込まれたためみずほ銀行の受託となった。ただし、神戸市内を含む一般の宝くじ売り場で販売されているものはルミナリエへの募金にならない。
[編集] 現状と課題
クリスマスを開催日から外したのはルミナリエに人が流れて売り上げが落ちたという地元の商店街に配慮した結果というが、開催日を外したことによって商店街の売上が上がった事を裏付ける資料はない。 年々、資金繰りが悪化し、今後の開催が危ぶまれる。毎年、400万人もの観客を動員するにもかかわらず、資金が不足するのは対価を支払わない客層(全国からの)に一因があると考えられる。 1996年の開催から東遊園地会場に露店が出店するようになった。観客の露店からのゴミの問題、震災犠牲者を鎮魂するイベントに露店はそぐわないや、近年では当初の目的である震災犠牲者を鎮魂するイベントの意味合いが薄れ、単なるクリスマス期のイルミネーションイベントになっているといった賛否両論の声も出ている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 神戸ルミナリエ公式ウェブサイト
- La Compagnia di Valerio Festi - ヴァレリオ・フェスティのサイト(イタリア語)
- Kobe Love Port ・ みなとまつり 公式ウェブサイト