王献之
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王献之(おうけんし、344年 - 386年)は、中国、東晋の書家。字は子敬。王羲之の第七子。
行書、草書の大家で、父とともに二王と称され書の模範とされる。
王羲之の諸子はみな能書家であり、王献之は最年少であるが書の天分に恵まれ、羲之の書より逸気に富んでいるといわれる。代表的な作として次のものが挙げられる。
[編集] 作品
- 洛神賦十三行
- 楷書。王献之は楷書をもよしくた。献之の小楷を伝える作はこれだけである。この賦は魏の曹植の文で、献之の書いたものは前後を欠き、中間の13行だけが遺存している。なお、羲之の書いた作(同じく楷書)もあったという。
- 中秋帖
- 行草(行書と草書)。行のはじめに中秋の文字があるのでこの名がある。前後が欠け、中間3行(22文字)が残るだけである。一筆書の連綿体による華麗さがあり、また筆勢に気魄がある。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 『日本と中国の書史』 - 社団法人 日本書作家協会発行 木村卜堂編著
- 『書芸術全集』第四巻 三国-東晋 - 雄山閣出版株式会社発行 西林昭一編著