狭山丘陵
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狭山丘陵 (さやまきゅうりょう)は、埼玉県と東京都の都県境に広がる東西11km・南北4kmに広がる総面積約3500haの丘陵緑地である。都県境を挟んで埼玉県所沢市・入間市から東京都東村山市・東大和市・武蔵村山市・西多摩郡瑞穂町にまたがっている。東京都の水瓶として造られた狭山湖(山口貯水池)と多摩湖(村山貯水池)の水源保護林があったために、東京近郊としては稀有な広域の自然が残っている。
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[編集] 概要
この地域は、古くから西武グループにより、西武ドーム、西武園ゆうえんちに代表されるレジャー開発が行われてきた。一方でこの地域の生物多様性は注目に値するものであり、これまでに高等植物1000種以上・鳥類200種以上が確認されている。絶滅危惧種のオオタカも生息する。また遺跡の宝庫でもあり、230以上の遺跡が確認されている。
最東端の八国山周辺は宮崎駿が監督した長編アニメ映画「となりのトトロ」で舞台のモデルとされたことから、狭山丘陵の全域は「トトロの森」の名で親しまれている。(ただし八国山周辺の都県境より埼玉側は西武グループによって宅地開発されているため、映画のような雰囲気が残るのは東京側のみとなっている)1990年には、狭山丘陵の自然と文化財を守るためのナショナル・トラスト運動「トトロのふるさと基金」が設立され、翌年には1号地の買取に成功。以来、この団体は所沢市内に6ヶ所のトラスト地を所有している。
また狭山丘陵に程近い場所にある、東村山市の「淵の森緑地」に隣接する雑木林約1500平方メートルを、市民が宅地開発から守るため募金を行い東村山市に寄付するという運動も成功した[1][2]。東村山市ではこの寄付金もあわせて、緑地を買い取ることにしている。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- あっ、トトロの森だ! (工藤直子)