片山杜秀
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片山 杜秀(かたやま もりひで、1963年 - )は、日本の音楽評論家、思想史研究者。慶應義塾大学法学部准教授(有期)。本名・片山素秀。
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[編集] 経歴・人物
宮城県仙台市生まれ。育ちは東京で、小学校から高校まで暁星学園に通う。慶應義塾大学法学部政治学科卒、同大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。ただし大学院修士課程は慶應ではなく、故橋川文三を慕って明治大学に行っている。専攻は政治思想史。学部時代は許光俊、宮崎哲弥と親しく、音楽の話題に興じ、宮崎とは、山本薩夫の映画『戦争と人間』ごっこをして遊んだ。
大学院時代からライター生活に入り、『週刊SPA!』のライター、産経新聞のクラシック音楽演奏会批評家、月刊誌『レコード芸術』のレギュラー執筆者などを務める。特に『週刊SPA!』で1994年から2002年まで続いたコラム「ヤブを睨む」は、政治、歴史、右翼ネタ、演劇、映画、音楽、文学、スポーツなど、幅広い内容で、一部でカルト的人気を得た。しかし、この400回以上のコラムは単行本化されていない。同時期には、ビジネス誌『ベンチャークラブ』に日本近代珍商売紹介、アニメ誌『MEGU』に新作洋画レヴュー、映画誌『プレミア』に「幻の日本映画探検隊」、『CDジャーナル』に「世紀末現代音楽講釈」など、10本以上の連載を抱えた。
音楽評論家としては、伊福部昭の再評価、大澤壽人の楽譜発掘、ナクソス・レーベルの日本作曲家選輯の企画構成などを行い、日本近代音楽史の読み直しをはかっている。慶應義塾女子高等学校、桑沢デザイン研究所、駿河台大学文化情報学部などの非常勤講師も務めていた。
2006年京都大学人文科学研究所より「戦前日本の作曲界の研究」で人文科学研究協会賞を授与される。夫人は声楽家の藍川由美。
[編集] 著書
[編集] 単著
- 『近代日本の右翼思想』(講談社[選書メチエ], 2007年)
- 『音盤考現学――片山杜秀の本1』(アルテスパブリッシング, 2008年)
- 『音盤博物誌――片山杜秀の本2』(アルテスパブリッシング, 2008年)